VMware Tanzu は Kubernetes をより使いやすくするソフトウェア製品群ですが、その中には OSS をベースとしたデータベースサービスも含まれています。2021年7月30日に、「 Data Management for VMware Tanzu 」(以下 Tanzu DMS )を発表しました。
Tanzu DMS は、Tanzu SQL データベース( Postgres、MySQL )の運用、自動化、拡張を容易にする便利なユーザーインターフェースを提供しており、包括的な API からも同様の利便性が得られます。いずれの方法でアクセスしても、 Tanzu DMS により、企業は vSphere データセンターにおいて、開発者やエンドユーザーに Database as a Service を提供することができます。
データセンターで運用されているレガシーなデータベースは、サービスの作成や管理にトラディショナルな手法を用いており、デベロッパーが求める俊敏性に追いついていません。一方で、データチームやプラットフォームのオペレータは、データベースの立ち上げやライフサイクル全体の管理に関わる手作業を余儀なくされています。クラウド上のマネージドデータベースサービスは、セルフサービスによる柔軟性やスピード、弾力性を備えていますが、パブリッククラウドでデータベースを運用することは、データに関するコントロールを諦めるということを意味します。また、障害発生時の復旧能力はクラウド事業者の優先順位に依存してしまいます。 Tanzu DMS はこれらの世界を橋渡しすることで、オンプレミスで稼働するデータベースをクラウドネイティブに使いやすくするものです。
vSphere データセンターのサービスとしてのデータベースのシンプルさ
Tanzu DMS は、vSphere データセンターで PostgreSQL や MySQL のデータベースのライフサイクルを管理するためのグラフィカルなコントロールプレーンとAPIの集合体です。これにより、企業やクラウドサービスプロバイダーは、ユーザーや組織のためにマネージドデータベースサービスを実行することができます。 Tanzu DMS のセルフサービスプロビジョニングと自動化されたデータベースのライフサイクル管理によって、デベロッパーやユーザーは、MySQL や Postgres のデータベースクラスタを簡単にセルフプロビジョニングすることができます。 CPU やメモリ、ストレージ、管理パラメータなどの構成を標準的な構成に限定することも独自の構成にすることも可能です。その結果、ユーザーはセルフサービスの利便性を得ることができ、企業はすべてのポリシーと標準への適合性を確保することができます。
Data Management for Tanzu の概要
ポイント&クリックでデータベースのライフサイクルを管理
Data Management for Tanzu の主な機能を紹介しましょう。
迅速なプロビジョニングオプション:
VMware がパッケージ化し保証するオープンソースのデータベーステンプレート( PostgreSQL と MySQL )によりデータベースインスタンスを迅速に立ち上げることができます。 CPU 、メモリ、ストレージの構成をあらかじめ設定しておくことも、アプリケーションのニーズに合わせてリソースをカスタマイズすることも可能です。 また、バックアップ、レプリケーション、メンテナンスウィンドウなど、さまざまな設定を数回のクリックで簡単に行うことができます。
オペレーションの自動化 :
セキュリティパッチやバージョンアップ、証明書の管理などの一般的なルーチンワークはすべて自動化できます。インフラの管理を担当するITオペレータには、OS やインフラの監視機能を提供します。データチームには、パッチやアップデート、リードレプリカ、テンプレート管理、フェイルオーバーなどの機能を提供します。
広範なモニタリング:
CPU、メモリ、ネットワーク、ローカルとクラウドのストレージの使用率などの指標や、データベースと基盤となるインフラの健全性を可視化するためのアラームや通知の管理など、データベースと基盤となるローカルおよびクラウドリソースの両方を可視化します。ダッシュボードでは、システムの健全性、ESXi ホストの健全性、ローカルストレージやクラウドストレージの可用性などのキャパシティメトリクスを確認することができます。また、各データベースには、使用状況やパフォーマンスに関する情報を表示する拡張モニタリングダッシュボードが用意されています。
データベースのデプロイを簡単に
ユーザーがデータベースを要求すると、エージェントは VMware が管理するリポジトリからテンプレートをダウンロードしてプロビジョニングを行います(コントロールプレーンとリソースマネージャのファイルも信頼できるリポジトリからダウンロードされます)。ユーザーは、必要に応じて単一のインスタンス、クラスタ、または複数のクラスタを作成することができます。また、同じデータベースの異なるバージョンを実行したり、複数のデータベースエンジンを同時に実行したりすることもできます(現在は MySQL と Postgres をサポートしています)。また、データベースを特定の vSphere クラスタに割り当てることも、規模や機能が異なる複数のクラスタに割り当てることもできます。
Data Management for VMware Tanzuのアーキテクチャ
また、テンプレートごとに自動アップデートやOSおよびデータベースのセキュリティパッチのオプションも用意されています。これらのオプションは、データベース作成時に選択することも、事後に選択することも可能です。手動やスクリプトによるアップグレードとは異なり、自動アップグレードでは、データベースにパッチが適用されていない状態が発生することはありません。また、ポイント&クリック方式のデータ保護設定を有効にすると、クラウドやローカルでのバックアップが自動的に行われます。可用性の高いクラスター構成も同様に簡単です。
さらにこれらの機能は、使いやすいグラフィカルユーザーインターフェースや、OpenAPI に対応した API を使ってプログラムで利用することもできます。vSphere 6.7、vSphere 7.0 のインフラ、Postgres v10.X、v11.X、v12.X、MySQL v8.Xの データベースに対応しています。
Data Management for Tanzuは、データベースのライフサイクルの下位レベルの詳細を自動化します。
便利な vSphere 上の DBaaS をお試しください
Tanzu DMSは、VMware Tanzu Network および VMware Customer Connect からダウンロードできます。VMware Tanzu Data ポートフォリオの詳細については、VMware Tanzu Data Services をご覧いただくか、 VMware の担当者にお問い合わせください。