Horizon

[Horizon 7.5 新機能] DaaSとは一味違う!? Horizon 7 on VMware Cloud on AWSとは

皆様こんにちは。今回のEUC Blogでは、5月のVMware Horizon 7.5リリース時に簡単に紹介させていただきましたVMware Cloud on AWS上でのHorizon 7サポートについて、改めてその特徴と機能そしてユースケースなどをまじえながらお届けさせていただきたいと思います。
提供モデルの違いについて
AWSクラウド上へSDDCを拡張できるVMware Cloud on AWS上においてHorizon 7展開のサポートが海外リージョンでは開始されたことは既にお伝えした通りですが、AWS米国東部・西部および欧州2拠点に加え、待望の日本リージョン開設も今年の後半を予定とさせていただいております。多くの方がご存知のようにこれまでにもVMwareからはHorizon Cloud として、IBM Cloud上もしくはMicrosoft Azure上のインフラをDaaSとして利用可能にするサービスを提供しておりました。
これらのサービスとの比較にて大きなポイントとなるのは、その提供モデルの違いがあげられます。従来のHorizon Cloudサービスは、VMwareが運用・提供するマネージドインフラを利用するかMicrosoftが提供する既存Azureインフラを利用するかの違いはありますが、ともにHorizonインフラ自体についてはVMwareがホストするサービスとしての提供となります。
一方Horizon 7 on VMC on AWSでは、Horizon 7ソフトウェアスタック自体のインストールから構成/設定および運用まで、管理者自身がおこなう必要がありますが、それらはオンプレミスへのHorizon 7インフラの展開と同一となるものです。つまりオンプレミスのHorizon 7の運用に慣れていれば、これまでに培った既存のスキルセットやツール群、制御性や管理性といった使い勝手も含めた運用上の一貫性を維持しつつ、そのままクラウドインフラストラクチャの特長のひとつであるリソースの柔軟な消費を実現することが出来てしまいます。
VMware Cloud on AWS上でのHorizon 7ユースケース
ではどのような利用が想定されているのでしょうか?以下の通り様々なユースケースがありますが、主だったものをいくつか紹介してゆきたいと思います。
データセンターの拡張
オンプレミス環境にてHorizon環境を利用している場合、管理者にとって悩ましいのはリソース不足にともなう拡張を行う際に要するコストと時間の問題です。ただでさえこのようなハードウェアリソースの調達には、ベンダー選定から購入そして構築作業まで一般的には数週間から数カ月にわたるリードタイムを考える必要があり、ましてや設置先となるデータセンター自体の電力・空調・設置場所そのものなどのキャパシティー不足がある際には、より長い時間とコストを要することは言うまでもありません。VMware Cloud on AWS環境上のHorizonであれば、IaaSサービスならではの迅速性により、必要となるHorizonインフラ用のITリソース確保を圧倒的なスピード感にて実現できます。
一過性なデスクトップおよびアプリ環境の提供
プロジェクト期間といった単位やアウトソーシングによる外部委託を行う際のような一時的なデスクトップおよびアプリ環境の提供基盤として、VMware Cloud on AWSを利用することができます。なによりオンプレミス環境では一般的には3~5年間の運用を視野に入れた保守サービスを含めた購入を実施する必要がありますが、VMC on AWSであればクラウド上のリソースならではでのライフサイクル管理が可能となり、例えば使わなくなったリソースは柔軟に開放することが出来ます。
オンプレミス環境へのBCP/DR対策
BCP(事業継続計画)/DR(災害復旧)実現の一環として、メインサイトとは別にリモートサイトを構築しておくというのは、デスクトップおよびアプリケーション仮想化の分野においても非常に重要になることは言うまでもありません。これまでオンプレミスHorizonのサイトレベルでのディザスタ リカバリ用環境の準備となると、そのリソース受け入れに新たなデータセンターの準備から必要となっておりましたが、新たな選択肢としてVMC on AWSを選ぶことが出来ます。また副次的なメリットとしては、Horizonの新しいサブスクリプションライセンスを購入しメインサイトで利用していた場合には、災害発生時の切り替えの際に当該ライセンスがVMware Cloud上でそのまま利用可能となります。
上記以外のユースケースの例としては、「インターネット分離」目的のためオンプレミスのHorizon環境とは分けてインターネットアクセス用の公開アプリケーション環境をVMC上に構築する、といった用途や接続先ごとにオンプレミスとVMC on AWSを使い分けるなどの使い方も考えられると思います。
ハイブリッド環境の管理を容易にするクラウド ポッド アーキテクチャ
Horizon 7 on VMC on AWSを特徴づける点として、オンプレミスデータセンターとクラウドデータセンター両者をまたがった、ハイブリッド環境でのHorizonの運用管理の実現があげられます。またハイブリッドクラウド運用を可能とするため、従来からオンプレミス環境で提供されてきたクラウド ポッド アーキテクチャ(CPA)構成をサポートしています。
CPAではHorizon Administrator毎に作成するローカル資格に代わり、複数ポッドにわたるグローバル資格を作成することにより、複数のデスクトップおよびアプリケーションに対してユーザーもしくはグループに資格を付与することが出来ます。つまりオンプレミスおよびVMC on AWSを問わず、複数拠点のデータセンターもまたがってポッド連携を構成し、ユーザーとデスクトップのグローバルなマッピングを定義することが出来ます。これにより複数拠点間において各ユーザーに最適なポッドへの接続の管理や、万が一の災害対策にも対応できるようになるのです。
Horizon 7 on VMCの主な機能
次に現時点で最新バージョンであるHorizon 7.5とVMware Cloud on AWSの組み合わせにおける機能サポート状況について確認しておきたいと思います。
こちらの最新スナップショットをご確認ください。
まだ一部の機能サポートにとどまっておりますが、今後Horizon製品の新バージョンリリースに合わせ、VMC on AWS上にて利用可能となるHorizonの機能も続々と追加されてゆく予定となっています。
いかがでしたでしょうか?オンプレミス vSphere ベースのサーバーワークロード移行をVMC on AWSに本格検討中であるユーザーにとっても、Horizon 7製品の稼働サポートが加わったことは十分に魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。次回以降はより詳細な情報を発信していく予定にしていますのでご期待ください。