Horizon

Horizon View環境でWEBカメラ、オーディデバイスのリアルタイム処理を可能にするReal-Time Audio-Video(RTAV)機能。

VMware Horizon View(View)環境では、アクセス端末側に接続されたwebカメラやヘッドセット等のデバイスを、USBリダイレクト機能を用いてリモートの仮想デスクトップ上で利用する事が可能です。
View 5.2以上のバージョンではこのUSBリダイレクト機能に加え、新たにReal-Time Audio-Video(RTAV)機能も利用する事が可能になりました。
本投稿ではこのRTAV機能について説明します。

Real-Time Audio-Video(RTAV)とは

RTAVはアクセス端末側のWebカメラやAudio-inのデバイスをリモートの仮想デスクトップ上にリダイレクトさせ仮想デスクトップ上で利用する事を可能にします。
Audio-out、すなわちリモートの仮想デスクトップ側で再生された音声データは従来からVMware Horizon Viewの標準機能を用い、手元のAudio-outデバイスで高音質で聞くことが可能でしたのでその機能がそのまま利用可能です。
VMware Horizon ViewとRTAVを利用すれば、手元のデバイスを使いながら仮想デスクトップ上でSkype,Webex,Google Hangoutsなどのビデオ会議システムを利用する事がが可能になります。

RTAVの仕組み

RTAVに対応した仮想デスクトップ上には、
イメージングデバイスとしてVMware Virtual Webcam
Audio-inデバイスとしてVMware Virtual Microphone
Audio-outデバイスとしてVMware Virtual Audioがあらかじめインストールされています。
WS000089
WS000090
仮想デスクトップ上で動作している電話会議などのアプリケーションはこの3つのデバイスを利用して動作します。
アクセス端末側のWebカメラで撮影された画像、入力されたAudio-inの音声データはアクセス端末側でエンコードされ、それぞれリモートの仮想デスクトップ上のVMware Virtual Webcam、VMware Virtual Microphoneへと送られます。
仮想デスクトップ上のVMware Virtual Webcam、VMware Virtual Microphoneは受信したデータをデコードして利用します。仮想デスクトップ上のアプリケーションからは通常のWebカメラ、Audio-inデバイスとして利用可能です。
仮想デスクトップ上で再生された音声データはVMware Viewが持つAudio-outリダイレクト機能を利用してアクセス端末側のAudio-outデバイスへ送信され、アクセス端末側で再生されます。
各データは暗号化機能を持つセキュアなPCoIPプロトコルを利用して高速に送受信され、WindowsのGPOを用いて利用帯域の制御設定が可能です。
以下にまとめます。

  1. アクセス端末に接続されたWebカメラ、Audio-inデバイスからのデータを一度アクセス端末側でエンコードしてからリモートの仮想デスクトップ側のデバイスへ送信する。
  2. 仮想デスクトップ側の仮想デバイスは受信したデータをデコードし利用する。アプリケーション側からは通常のWebカメラ、Audio-inデバイスとして利用できる。
  3. 暗号化機能を持つセキュアなPCoIPプロトコルを用いて高速にデータをやりとりする。WindowsのGPOを用いて利用帯域の制御設定が可能。

RTAVは上記の仕組みを用い利用帯域を削減し、さらにUSBリダイレクト以上のリアルタイム性を実現しています。
RTAV図

RTAVのシステム要件

Horizon View Server
VMware Horizon View 5.2以降
仮想デスクトップOS
Windows XP SP3(32ビット)
Windows Vista(32ビット)
Windows 7(32ビットまたは64ビット)
Windows 8/8.1(32ビットまたは64ビット)
Windows Server 2008 R2
仮想デスクトップ上のHorizon View Agent
VMware Horizon View Agent 5.2以降
VMware Horizon View 5.2 Feature Pack 2以降
アクセス端末上のクライアントソフトウェア
Windows版VMware Horizon View Client 5.4以降
Linux版VMware Horizon View Client 2.2以降
Mac OS X版Horizon View Client 2.3以降
対応通信プロトコル
PCoIP
その他詳細要件とインストールについて
以下ドキュメントをご査収ください。
http://www.vmware.com/jp/support/support-resources/pubs/view_pubs/

まとめ

RTAVの機能により、リモートの仮想デスクトップ上で利用するコミュニケーションツールがより使いやすくなりました。
既にHorizon View 5.2以降の環境をお持ちの方は仮想デスクトップ上にView 5.2 Feature Pack2以降をインストール、
アクセス端末側のクライアントバージョンを必要に応じてUPDATEしていただければすぐにお試し頂けます。
「RTAVの機能をテストしたいけど、実際にビデオ会議やWEB会議アプリケーションをインストールしたり、設定したりするのが大変そうだなあ」と思われた方、朗報です。
RTAVの機能がどのようなものか簡単に体感するためのインストール不要のアプリケーションが、VMwareのこちらのblogで紹介されています。
まだお使いになられた事がない方は、是非このblogで紹介されているインストール不要のツールも使って文字通りリアルタイムな体験をしてみてください。