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vSAN Cormac Blog 〜VASAの役割〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VASA と VSAN

VASA (よく “ヴァーサ”と発音してます) とは、vSphere 5.0 で紹介されている vSphere Storage API の拡張版で、 “vSphere Storage API for Storage Awareness ” の頭文字をとっています。 VASA はストレージの管理性を高める機能として vCenter の Plug-in もしくはストレージベンダーが提供するプロバイダー経由で vCenter に統合されています。
補足1 〜 VASA の由来〜
vMotionで仮想マシンがホスト間を移動できるように、 VMDK もStorage vMotion で ストレージを柔軟に行き来できるようになっています。ところが配置しているストレージを変更することによって、パフォーマンスや保護レベル等、いわゆるストレージのサービスレベルが異なることも考えられます。あらかじめこの VASA 経由で LUN や Volume の情報( 例:RAIDレベルだったり、スピンドルの情報など)を vCenter でも把握し、仮想マシンのサービスレベルに応じた配置を適切にできるようにします。
この VASA の仕組みを使ってストレージの情報を吸い上げますが、vCenterとストレージが会話する際、ストレージプロバイダ (VASA プロバイダとも呼ばれます) が必要になります。
このストレージプロバイダはストレージコントローラ上かホスト側 ( アプライアンスとして提供する場合もあります)に存在しています。 VSAN の場合も VASAの仕組みを利用しており、ストレージプロバイダはESXiホスト上に配置されています。
VASA が出た vSphere 5.0時代は、 1 LUN または Datastore に対して1つのストレージ情報 ( =  capability )を扱うことができましたが。vsanDatastoreの場合、複数のストレージ情報(capability)を定義することができます。(図1)

図1
VSAN がリリースされた当初、可用性周り、プロビジョニングとパフォーマンンスについて vCenter上でみることができましたが VSAN 6.2 ではさらにこのストレージ情報(capability)の種類が増えています。

ストレージプロバイダの確認

VSAN のストレージプロバイダを確認するには、vSphere Web Clientで確認できます。 vCenter Serverに[Manage]タブを選択し、[Storage Providers]を選択します。( 図2 )
ESXi ホストと VSAN クラスタを示しています。すべての ESXi ホストはストレージプロバイダを持っています、1 ESXi ホストがアクティブ状態になり、残りの ESXi ホストはスタンバイ状態です。
Storage Provider
(図2)
補足2  〜仮想マシン単位でサービスレベルを設定〜
VSAN の特徴として、仮想マシン単位でポリシーを定義できます。
一般的なストレージの場合、事前にRAIDを作成、LUNを切っていき、その上にそのRAIDにあった仮想マシンを乗せていく流れですが、VSANの場合、VASAの仕組みを使って、vsanDatastoreをその仮想マシン単位にあった形態で使用することができるのです。

原文:The role of VASA
VSAN Cormac Blog 日本語版 Index