歴史的な変化により、ユニファイド・コミュニケーション(UC)は、私たちの働き方、暮らし方、学び方の最前線に登場して、最早使っていない方はいらっしゃらないのではないかな?と思います。企業にとっては、従業員同士の生産性とコラボレーションを可能にしていますし。大学のような環境では、学生が直接授業に出席できない場合でも、自宅からしっかりとした教育を受け続けることができるようになりました。ヘルスケアでは、ユニファイド・コミュニケーションは、医師が患者とのつながりを維持し、より良い治療結果を得られるよう支援しています。
ユニファイド・コミュニケーションの重要性を考えると、Zoomのような主要アプリケーションの最高のパフォーマンスと可用性を保証することが、これまで以上に重要になっているかと思います。
パフォーマンスには可視性とコントロールが必要です
素晴らしいZoom体験を保証するためには何が必要でしょうか?それは、可視化とコントロールから始まります。従来、オンサイト・ユーザーの場合、企業はルーター、ワイヤレス・コントローラー、その他のデバイスを通じてZoomのパフォーマンスとアプリケーションの使用状況を可視化していました。これにより、IT組織はZoom のトラフィックを調査および分類し、パフォーマンスが最適になるように対策を取ることができるのです。
しかし、今日の企業ユーザーの多くは、モデムや安価なルーターなどのコンシューマーグレードの機器を使用して、自宅から接続しています。このようなユーザーは、家庭内の他のユーザーとインターネット帯域幅を共有している可能性がありますので、IT 部門は使用状況を限定的にしか把握できません。このような自宅から接続しているユーザーの場合、ユーザーがZoomをどのように使用しているか、良好なパフォーマンスを得ているかどうかを詳細に把握することは困難になるかと思います。何か問題が発生した場合、パフォーマンスの低下は、コンシューマー・グレードのWi-Fiの問題、インターネット接続の問題、アプリケーション自体の問題など、あらゆるものが原因となっている可能性があり、絞り込むのは困難です。
このようなユース・ケースの場合、問題の原因を特定できるというプロアクティブな観点はおろか、リアクティブな観点からも IT部門は対策をとりようがないのが現状です。問題を抱えたユーザーから不満は出ないかもしれませんが、だからといって生産性が最大化されるわけではありません。理想としては、企業のIT部門は、ユーザーがパフォーマンスの低下を経験しているかどうかを把握し、手を差し伸べて問題を助言し、改善策を提案する能力を持つことが重要になってきます。
プロアクティブな洞察のための統合
VMware SD-WAN™とVMware Edge Network Intelligence™は、場所やデバイスに関係なく、ユーザーの Zoom体験を向上させます。ユーザーが自宅から接続している場合、VMware Edge Network Intelligence™は、デバイスの無線状態、インターネットの安定性、ゲートウェイの接続性、およびパフォーマンスに影響を与えるその他の要因のステータスを追跡し、デバイスからの洞察を提供します。デスクトップからクラウドまで、VMware Edge Network Intelligence™は、ユーザーのコラボレーション・エクスペリエンスに影響を与える可能性のある根本的なネットワーク状況をエンドツーエンドで評価します。
また、Zoom アプリケーション自体も、クライアントデバイスのZoomユーザーエクスペリエンスに関する詳細を提供します。これら 2 つのデータソースがVMware Edge Network Intelligence™プラットフォームに供給され、ビッグデータ解析が行われることで、企業の IT 部門は、場所、デバイス、使用されているクライアントOS などに応じて、企業全体のユーザー エクスペリエンスのベースラインを決定するために必要な可視性と完全なコンテキストを得ることができます。
企業の IT チームは、リモート・ユーザーに対しても定期的にネットワークを変更します。在宅勤務者に VMware SD-WANデバイスを提供したり、拠点にインターネット帯域幅を追加したりします。このような変更によって、ユーザーのパフォーマンスと可用性が実際に向上したことをどのように証明できるでしょうか。VMware Edge Network Intelligence™があれば、一度ベースラインを学習すれば、管理者は変更前と変更後のネットワークの状態を簡単に確認できます。
リアクティブ・マネジメントからプロアクティブ・マネジメントへ
可視性を高めることは、トラブルシューティングを迅速化し、アップタイムを改善する上で必要不可欠です。しかし最終的には、企業のITチームはよりプロアクティブになり、ビジネスプロセスに影響を与える前に問題を食い止めたいと思うでしょう。
よりプロアクティブな方法に移行するために、IT部門はいくつかの重要な問題を検討する必要があります。
- 何度も問題を起こしているパフォーマンスの悪いクライアントデバイスを事前に洗い出すにはどうすればよいか?
- 最もパフォーマンスの悪いサービス・プロバイダーはどこか?
- パフォーマンスの悪いサイトはどこか?
- Zoomを使用しているユーザーのOSの種類で最も悪いものは何か?
このような問題やその他の問題を事前に把握することで、企業のIT部門はユーザーに積極的に働きかけ、ユーザーが不満を漏らす前に問題を解決することができます。
最後に、組織は問題を関連付け、根本原因を特定し、ユーザーが遭遇している問題がIT部門が対処している実際の問題であることを確認する必要があります。例えば、Wi-FiがユーザーのZoom体験の悪さの根本原因である場合、そのユーザーにインターネット帯域幅を増やしても問題は解決しないでしょう。同様に、インターネット帯域幅が問題である場合、ユーザーに優れたノートパソコンやその他のデバイスを購入しても、体験は改善されません。
Zoomにアクセスする様々なクライアントデバイスの問題の根本原因を知ることは非常に重要です。そのためには、複数のソースからデータを取得することが不可欠です。Zoomアプリケーションは、エンド・クライアントのアプリケーション・エクスペリエンスを可視化します。その他のデータ・ソースは、デバイスの無線状態、デバイスの健全性、インターネットの安定性、ゲートウェイの安定性などについての洞察を与えてくれます。
VMware Edge Network Intelligence™の優れた点は、これらのデータ・ソースをすべて取得し、環境内のエンド・クライアント・デバイスを全てまとめ、問題に関して最も関連性の高い項目を自動的に検討し、問題の根本原因を特定してから、問題の緩和・解決方法に関する推奨を提案・実行ができるということです。
プライバシーとセキュリティ
ユーザと組織にとって、プライバシーとセキュリティは最重要事項であるため、ユーザのエンドポイント・デバイスを把握することは、侵入を最小限に抑える必要があります。VMware Edge Network Intelligence™は、CPU 使用率、バッテリ残量、Wi-Fi アダプタの種類など、デバイスに関する基本的な統計情報のみを収集します。
クライアント・アプリケーション・インターフェースの例
本ソリューションは、無線信号強度、信号対ノイズ比、ユーザーの無線速度、信号レベル、ローカル・ゲートウェイへの接続性に関するデータも収集します。事前に設定されたインターネット経由のターゲット宛先リストと、ユーザーのVPN経由のターゲット宛先リストに対してテストを実行し、インターネットの安定性、ゲートウェイの安定性、VPNの安定性が維持されていることを確認します。このプロセスを通じて、VMware Edge Network Intelligence™は、ユーザが実際に何をしているかという情報までは見ることはできませんので、各ユーザーのプライバシーを守ることができます。
クライアント・アプリケーション自体はシンプルかつ直感的で、デバイスとその接続性に関するデータを収集し、その情報をVMware Edge Network Intelligence™プラットフォームに送り返します。
問題の根本的な原因を特定するために、このソリューションはこれらすべての変数を詳しく調べます。たとえば、以下のスクリーンショットに示すように、ユーザーが Zoomのパフォーマンスが低下した場合、Zoomアプリケーションの観点からは、音声フレームのジッターが高いことが原因であるように見えます。
この例では、VMware Edge Network Intelligenceは、音声フレームジッターの高さをクライアント側のWi-Fi信号対雑音比(SNR)の低さと関連付けることができます。これは、最終的にアプリケーションパフォーマンスの問題となる無線根本原因です。
VMware Edge Network Intelligence™がZoomの問題を根本から解決
VMware Edge Network Intelligence™は、Zoom APIデータと同様にクライアントデバイスからワイヤレスデータを取得し、それらを自動的に相関させて分析します。Zoom APIは、ジッター、ロス、レイテンシー、ビットレート、解像度など、Zoomのユーザーエクスペリエンスに関する膨大な情報を VMware Edge Network Intelligence™に提供します。 この分析に基づいて、VMware Edge Network Intelligence™は、ユーザーが Zoomの問題を経験しており、その根本的な原因はインターネットやアプリケーションなどの要素ではなく、無線環境にあると判断することが出来ました。この種のデータは、ユーザーがヘルプデスクに連絡する前にトラブルシューティングを行いたい場合にも活用できます。
補完し合う2つのソリューション
VMware Edge Network Intelligence™はVMware SD-WAN™に統合されています。両者は連携し、データを組み合わせて、誰が問題を抱えているのか、なぜ問題を抱えているのか、そしてどのように問題を解決するのかを明らかにします。
しかし、Zoomのパフォーマンスをより良く可視化するために SD-WANアーキテクチャは必要ありません。VMware Edge Network Intelligence™プラットフォームは、SD-WAN環境がなくても、従業員の Zoomエクスペリエンスに関する洞察を構築するために、ZoomクラウドからAPIで情報を取得することができます。
VMware Edge Network Intelligence™がVMware SD-WANで強化されると、企業は問題を解決する方法についてより多くの情報を得ることができます。さらに、VMware SD-WAN™は、問題に対応して Zoom アプリケーションのパフォーマンスをアクティブに優先順位付けし、最適化するためのアクションを取ることができます。 物理的なVMware SD-WAN™を全てのユーザーに配布することは必ずしも現実的ではないかと思います。配布する際には、最も頻繁に問題が発生するユーザーを確認し、それらのサイトに配布することを検討されると良いでしょう。VMware Edge Network Intelligence™とVMware SD-WAN™は、適切なアプローチにより、ユニファイドコミュニケーションへの投資価値を最大限に引き出し、ますます増加するリモートワーカーをより効果的にサポートすることができます。