SD-WAN VMware SASE VMware SD-WAN

VMware Edge Network Intelligence ご紹介ブログ  パート1:AIOpsを利用してSD-WANを最大限に活用しましょう!

パート1:SD-WANのデータをより良く活用しましょう!

*こちらのブログは、VMware Edge Network Intelligence™(ENI)がSD-WANにおいてどのようにAIOpsを提供し、IT部門がクライアント・デバイスのエクスペリエンスとクライアントの行動に関するより良い洞察をどのように得ることができるかを紹介する4回シリーズの1回目です。ENIは単独でもお使いいただけますが、VMware SD-WAN™のソフトウェアに組み込まれておりますので、VMware SD-WAN™を購入されているお客様はちょっとした設定変更により、すぐに使えるようになるソリューションになります。是非一度お試しいただけると幸いです。

AIOpsは企業が大量のSD-WANデータを理解するのを助けることが出来るのです

SD-WAN はネットワークのアクティビティ、分散アプリケーションの使用状況、アプリケーションのパフォーマンスに関する膨大な量のデータを生成します。適切なツールがあれば、このデータは実用的な情報の潜在的な宝の山です。あなたの会社がネットワークへの全体的なアプローチの一部としてVMware SD-WAN™で AIOps をどのように使用できるかを詳しく見てみましょう。

VMware SASE™のコンポーネントの一つであるVMware SD-WAN™では、毎日約100億件のアプリケーションフロー情報が生成され、SD-WANネットワークを通過し、VMware SASE Orchestratorsによって収集されます。このデータには、ネットワーク全体のアプリケーション・パフォーマンスに関する貴重な情報が含まれています。これらのフローでは、各アプリケーション、そのアプリケーションを使用する各デバイス、およびそれらのデバイスのエクスペリエンスを見ることができます。

自動化とビッグデータのメリットとは

生データでは、探索し、視覚化することはできるかと思いますが、実用的な洞察を得るために手作業で分析することは難しいのではないかと思います。システムに入ってくるデータの規模が大きいため、手作業で行うのは現実的ではありません。VMware SD-WAN™の顧客一人が生データを手作業で調査したとしても、可能な洞察は限られます。そして、この巨大なデータセットのもう一つの利点は、シングルユーザーから国際企業まで、あらゆる垂直市場にわたる多くの顧客からのトラフィックを網羅していることです。データは世界中から、さまざまなタイプのネットワークからもたらされています。アナリティクス・プラットフォームは、匿名化されたそれらのデータとそのコンテキストに注目し、インテリジェントな方法で分析して有意義な利益を提供することで、貴重な洞察を得ることができます。

VMware SD-WAN™は複数の視点からデータを収集します。これにより、同じアプリケーションフローをSD-WAN Edge、SD-WAN Gateway、または SD-WAN Hubの視点から見ることができます。適切な分析により、クライアント LAN、企業 WAN、インターネット、データセンターLAN間の欠陥セグメントを特定することができます。これは、ネットワークの問題を洞察するためのデータ分析の方法です。

複雑なSD-WANインフラの管理には新しいアプローチが必要です

VMware Edge Network Intelligence: ベンダーにとらわれない AIOps ソリューション

AWSやAzureなどのクラウドベースのIaaS(Infrastructure as-a-Service)プロバイダーや、SalesforceやMicrosoft 365などのサードパーティの SaaS(Software as-a-Service)アプリケーションが参入するにつれ、現代のネットワークは複雑さを増し続けています。SD-WAN は、ラップトップや携帯電話などのエンドユーザーデバイスや、POS や医療機器などの IoT デバイスなど、異機種デバイスとアプリケーションの相互接続を支援します。

問題を特定し、パターンを特定する

このような環境では、アプリケーションに問題が発生した場合、企業のIT部門は多くのデータポイントを把握する必要があります。

  • 問題はアプリケーションにアクセスするデバイスに関連しているのか?
  • 問題はどこにあるのか?
  • キャンパスや支店で起きていることなのか?
  • ネットワークに問題があるのか?
  • データ・センターやクラウド、あるいはアプリケーション自体に問題があるのか?
  • アプリケーション・パフォーマンスに影響を与えるハイレベルなパターンを見極めることも重要です。例えば、サービスプロバイダーが定期的な停止を経験しているのか、それともローカル IT スタッフが修正できる企業のネットワークに障害があるのか?

ネットワークデータをうまく分析するには、コンテキストと、複雑なSD-WANネットワーク上でアプリケーションがどのように実行されているかを理解することが必要です。ネットワークデータ分析は、アプリケーションの採用と使用の傾向に関する貴重な一般的知識も提供することが出来ます。

自動的に「普通」を学習する

SD-WAN インフラストラクチャが生成する大量のデータを理解するには、機械学習による自動化された AIOps プロセスが鍵となります。VMware Edge Network Intelligence™は、データを使用してネットワーク・アクティビティとアプリケーション・パフォーマンス・レベルのベースライン(正常な状態)を自動的に決定することから始めます。

例えば、

  • Microsoft 365 の通常のユーザーエクスペリエンスとは何か?
  • 接続に失敗するデバイスの通常の割合は?
  • 特定の企業における通常のユーザー数は?

ネットワーク・アクティビティは、各企業およびブランチ・サイトの通常の営業時間とタイムゾーンに基づいて変化するため、ベースラインには時間とネットワーク・アクティビティも組み込む必要があります。システムはまた、各企業の WAN リンクのタイプ(衛星、セルラー、MPLS など)や業種(例えば、病院ネットワークと小売ネットワークは大きく異なります)ごとの基準も学習します。重要なことは、VMware Edge Network Intelligence™が、手作業による非効率なプロセスではなく、これらのタスクを自動的に実行することです。最終的に、このベースライン情報は、各ユーザーの典型的なアプリケーション・エクスペリエンスを決定するのに役立ちます。

ベースラインと基準値を自動的に設定します

VMware Edge Network Intelligence™プラットフォームは、データ分析にベイズ機械学習アプローチを採用しています。このシステムは、ネットワーク上の各デバイスの時系列アプリケーション・パフォーマンス・データを分析し、サービス・プロバイダー、WANリンク、業種などの他の要因と組み合わせます。企業ネットワークのベースラインが確立されると、次のステップでは、特定のベースラインの劣化のしきい値を決定します。

従来、レガシー・エンタープライズ・ネットワークの管理者は、パフォーマンスのしきい値を手動で設定していました。これには時間がかかり、多くの推測作業が必要で、過剰なアラートにつながる可能性があります。VMware Edge Network Intelligence™は、AIOps を活用してこのプロセスを自動化し、潜在的な問題をネットワーク・エンジニアに警告します。アラートが表示されないから問題がないのかな?という疑問を持つ必要はもうありません。機械学習ルーチンは、障害の根本原因を検出する能力を提供し、修正・改善方法が機能した(または機能しなかった)ことを示す証拠を提供することができます。

根本的な原因とその解決方法を提案します

さまざまな視点からアプリケーション・パフォーマンスを分析することによって得られる洞察は、AIOpsが問題の場所を特定するのに十分なデータをもたらします。VMware Edge Network Intelligence™は、スタイルの解析を使用して相関する症状を特定し、障害の可能性が高い場所を特定することができます。支店のWANリンクが悪いのでしょうか。あるいは、問題はデータセンター、アプリケーション自体、あるいはWANにあるのかもしれません。最終的には、複数の視点からのアプリケーション・フロー・データを使用して、システムが自動的に状況を把握します。

以下のスクリーンショットに例を示します。VMware Edge Network Intelligence™は、Microsoft 365のパフォーマンスが低下しているクライアントが異常に多いことを自動的に検出しました。スクリーンショットの左下は、VMware Edge Network Intelligence™がこの組織のチケットシステム(Servicenow)と統合されていることを示しています。その結果、最も可能性の高い根本的原因はWi-Fiの不良であることが判明しました。

上記スクリーンショット例では、通常のベースラインに対するアプリケーションのパフォーマンス、修正方法が提案されています。

AIOpsは、ネットワークの変更が本当にうまくいったかどうかを判断するのに役立ちます

VMware Edge Network Intelligence™は、機械学習を使用してエンタープライズ・ネットワークのベースラインとパフォーマンスのしきい値を決定するため、ネットワークに対する設定、アーキテクチャ、またはデバイスの変更の有効性を追跡するのにも役立ちます。通常のベースラインが確立されると、ネットワークの変更がネットワーク・パフォーマンスにプラスの影響を与えたか、マイナスの影響を与えたか、または全く影響を与えなかったかを簡単に判断できます。

ネットワークの変更を実施し、ベースラインを更新し、前後のパフォーマンス・データを分析することで、より正確な結果を把握することができます。これは、ネットワーク・エンジニアが不確かなレポートや不完全な手動分析に頼っていた従来のモデルよりも優れたアプローチです。最終的に、VMware Edge Network Intelligence™の自動化された AIOps アプローチは、あらゆる構成変更の効果について、より客観的なビューを提供します。

VMware Edge Network Intelligence™のデータ分析により、SD-WANプラットフォームが提供する ROI を、最初の実装とその後の設定変更の両方で、真に示すことができます。それは、単にベースラインを学習し、パフォーマンスの偏差を特定し、IT スタッフに警告するだけではありません。VMware Edge Network Intelligence™により、企業の IT 部門はネットワーク環境についてプロアクティブになり、問題が発生する前に修正し、問題が発生する可能性のある場所を予測して事前に対処できるようになります。

プロアクティブなネットワーク管理のための履歴データの分析

VMware Edge Network Intelligence™の機械学習アルゴリズムを使用して、過去のネットワークデータを分析することで、一般的に問題が発生する場所とその影響に関するモデルを作成できます。このプラットフォームは、ネットワーク変更の効果について、企業のITチームに推奨と予測を行います。例えば、このプラットフォームは、データセンターでホストされているアプリケーションを優先的に利用することで、ネットワーク経由でアプリケーションを使用しているデバイスのクライアント・エクスペリエンスが向上すると予測するかもしれません。この予測は履歴分析に基づいており、さまざまな使用シナリオにおいて、この特定のアプリケーションのエクスペリエンスを指摘することができます。機械学習ルーチンはこの履歴データをクラスタリングし、類似性を踏まえてデータを集約することができます。共通の問題を特定することで、プラットフォームのレコメンデーション・エンジンが駆動します。VMware Edge Network Intelligence™は、この分析に顧客全体のデータを使用し、すべての顧客から学ぶことが各顧客に利益をもたらすことをコンセプトとしています。

SD-WANにおけるAIOpsの時代が到来しています

AIOps は SD-WAN の実装に不可欠な要素になりつつあります。機械学習のパワーは、企業があらゆるネットワークで日々生成される膨大な量のデータを理解するのに役立ちます。予測的洞察により、ネットワークエンジニアはより高いネットワークパフォーマンスを確保しやすくなり、エンドユーザーとIoTデバイスはより高い生産性を得ることができます。