この記事はベン・ヘイル(Ben Hale)とリタ・マナチ(Rita Manachi)が共同で執筆したブログの翻訳版です。
VMware は VMware Tanzu Application Platform のリリースとともに、豊富で複雑なクラウドネイティブ エコシステムが拡大し、ハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境が増え続ける中でますます複雑化する開発者環境の課題解決に向けて取り組んでいます。しかし、インフラ領域をリードする企業である VMware が優れた開発者環境というものを本当に理解しているのか、懐疑的な見方があるのも無理はありません。そこで、VMware こそがより良い開発者環境を実現できると自負する、3 つの理由を紹介します。
Spring
2022 年にリリース 20 周年を迎える Spring は、この 20 年間で最も普及したオープンソースの Java フレームワークであり、企業の Java 環境を根底から変えました。それまで、企業のアプリケーション開発において Java が優位になっていくうちに、依存関係、コードの受け渡し、構成要件などが大きな負荷となり、サービスの開発環境が悪化していました。Java の利便性を上回るほど複雑化が進んだことで、開発者からは反発も起きていました。しかし Spring Framework の登場により、このような状況は一変します。Spring を 2002 年にリリースするにあたって開発チームが目指したのは、依存性注入(DI; Dependency Injection)と制御の反転(IoC; Inversion of Control)の原則に基づき、より優れた開発者環境を作り出すことでした。この原則は現在も、いわゆるアプリケーション対応プラットフォームの必須要件となっています。これによりエンタープライズ Java アプリケーションの開発環境は様変わりし、企業の開発者に最も利用されるフレームワークとなりました。現在では数百万人が Spring を利用しています。Spring Boot は 最も人気のあるエンタープライズ Java フレームワークとして広く認知され、前年比 2 桁の成長を続けており、Spring Initializr は毎年数百万件ものプロジェクト開始時に利用されています。
調査レポート「2021 State of Spring Survey」によると、調査対象者の 61% が Spring Boot を主要な(または唯一の)開発プラットフォームと回答し、Spring の影響力が他の Java プラットフォームより大きいと回答した人は 90% に達しています。一方、Spring の開発チームはイノベーションを継続し、マイクロサービスやサーバーレスなどのモダン アーキテクチャに加え、GraphQL やリアクティブ プログラミングにもサポートを拡大しています。Spring の管理者である VMware は、Spring そのものと数百万人の開発者から得た 20 年分の学びを取り込んでカスタマイズしたプラットフォームを構築し、優れた開発者環境を実現しています。
VMware Tanzu Labs
1989 年に設立された Pivotal Labs(現 VMware Tanzu Labs)は、アジャイル開発およびエクストリーム プログラミング(XP)の最前線をリードする組織です。Tanzu Labs は、ペアプログラミング、テスト駆動開発、ドメイン駆動設計、DevOps など、モダン アプリケーション開発の実践方法や方法論の普及に貢献してきました。また、世界有数の大企業と協業してビジネス クリティカル アプリケーションの構築とモダナイゼーションに取り組み、耐障害性に優れたソフトウェアを構築するためのアジャイルな方法論の適用と実践について、数千人の開発者に指導を行ってきました。VMware はこのような取り組みを通じて企業のソフトウェア開発者の皆様と共に働く中で、理想の働き方や満足度向上、生産性低下の要因などをじかに体感し、企業の開発者チームへの共感力を培ってきました。
Tanzu Labs が支援した Hyundai AutoEver の事例では、ソフトウェアの構築およびリリース方法をはじめに再定義することにより、自動車メーカーとしてのあり方を再定義しています。
プラットフォームの設計
クラウド コンピューティングによって中央の IT 部門が担う役割が一変し、中核となる IT 機能も大きな転換期を迎えています。IT 部門は自身の存在価値を示しながら、安定性やガバナンス、セキュリティに取り組む保守業務にとどまらず、開発者や他のビジネス部門などの社内ユーザーにもサービスを提供する役割へと変化しなくてはならないというプレッシャーにさらされています。そのため、マインドセットの転換とともに、プラットフォーム チームを中心に新しい組織構造を立ち上げるという抜本的な変革が必要となります。従来のインフラ/運用担当者たちは、数十年前に VMware がパラダイム シフトを起こしたテクノロジーを活用してキャリアを築いてきました。彼らが次のフェーズで VMware に期待しているのは、プラットフォーム設計の考え方を中心に据え、最終的には社内開発チームに貢献できるようになることです。つまり、プラットフォームを製品のように扱う必要があるのです。
Tanzu Labs は、アプリケーション開発チームとの数十年にわたる協業から学んだことを活かして、プラットフォーム チームの支援を行い、チームが自らの役割を定義し、優れた開発者環境を提供するための基盤となる製品マインドセットを構築できるようにします。
より優れた開発者環境の実現に向けた取り組みに参加しませんか?VMware が開催する SpringOne Tour イベントがお近くの都市で行われるかチェックしてみてください。また、Spring のリリース 20 周年を記念して米国サンフランシスコで開催する SpringOne へのご登録もお待ちしております。