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VCIが語る!今、学ぶべきホットな仮想化テクノロジー!- vSAN Deploy & Manage(前編)

こんにちは、Dell EMC教育部の坂井  大和です。

VCIが語る!今、学ぶべきホットな仮想化テクノロジー! – vSAN Deploy & Manage  シリーズ前編、
さっそく進めてまいります。

前編:そもそもvSANとは何か?

この点については、”VMware vSphere ESXi”に組み込まれた次世代の仮想ストレージ製品という表現が
最もわかりやすいと言えます。
まずvSANの話に入る前に、物理ストレージのイメージについてサマライズしたいと思います。

 

これらを見てみると、物理ストレージの導入には多くのチャレンジがあると言えます。
いずれの項目も、金銭的、時間的、人的リソースがある一定必要だと言えます。

ポイント:SANそのものはとても素晴らしいソリューションであるが、事前準備もその分重要で
あるということ

 

ここで、あえて”なぜここまでのチャレンジをしてSAN”を選ぶ必要があるのか?を考えてみると、
どうでしょうか?
大容量がほしいから?スナップショット機能?レプリケーションができるから?暗号化?

人によって答えは様々分かれてくると思います。
私坂井としては、いつもこの問いかけに対し”共有LUN”を持つため、物理ストレージが必要とされて
きたと説明をします。私は過去にエンタープライズのテクニカルサポートエンジニアとして、お客様の
環境をサポートしてきたのですが、その当時のレガシーな製品に”PowerVault 220S”という製品があり
ました。この製品はSCSI接続が出来る共有ストレージでしたが、今では当たり前のスナップショットも
この製品にはありませんでした。

 

ではなぜ、共有LUNが必要なのか?
それはフェイルオーバー環境の実装のためです。エンタープライズの世界では常にダウンタイムを如何に
して排除するか、が大変重要です。

 

一見当たり前のように思えますが、裏を返せば”共有LUNが用意出来てしまえば、物理ストレージで
なくても良い”といえるのでは無いでしょうか?
vSANはまさに、”物理ストレージを無くして、共有LUNを用意できるソフトウェアストレージ製品”です。
現在市場では、Software Defined Storage、と呼ばれているカテゴリですね!

vSANというストレージ製品は、物理的には”ESXiがインストールされたサーバー”と”ESXiホストを相互
接続するスイッチ”によって構成されるシステムです。

 

ここで最も強調したいのは、物理ストレージとは別の選択肢としてSDSという選択肢が市場に登場
したということで、ユーザー目線で言えば選択肢が増えた
ということです。


ここでよくあるvSANについての質問を一部紹介いたします。

Q:vSANってフェイルオーバー環境作れるの?
A:はい、vSphere HAとの連携が可能であるため、障害に対し仮想マシンを自動的に即座にフェイル
オーバーが可能です。

 

Q:vSANってスナップショットは取れるの?
A:はい、vSphereが標準的に持つスナップショット機能を利用可能です。

 

Q:vSANってレプリケーションは出来るの?
A:はい、”vSphere Replication”と連携をすることで仮想マシン単位でのレプリケーションが可能です。

 

Q:vSANってストレージの圧縮や重複排除は出来るの?
A:はい、vSANは”重複排除と圧縮”機能があります。
詳細はこちら

 

Q:vSANは従来のSANと比べてコストは安くなるの?
A:もちろん比較対象のSANストレージやサーバーの価格次第ではありますが、一般的な市場の価格で
概算しても、イニシャルコストが安くつくケースは多いと思います。
しかし、誤解をしていはいけないのはどんなシステムも必要に応じたサイジングです。
また本番稼働後のワークロード次第ではシステムの増設も必要になります。コストだけを優先した
システムは安定稼働出来ないケースもあります。
その点vSANは、ディスクキャパシティ単位での増設(スケールアップ)も、コンピュートノードの増設
(スケールアウト)も可能です。


 

今回の記事では”なるほど、vSANはこれまでのSANと同じようなことができるんだな”とご理解を
いただければOKです。

次回、後編では”従来のSANと同じような性質のvSANなら、なぜトレーニングが必要なのか?”に
ついて説明いたします。