みなさん、こんにちは。VMwareでパートナー様を担当させて頂いてますSEの北村です。
今回は Cloud Infrastructure Blog に次の3つをTIPs として投稿したいと思います。
1. vSphere Replication の数の制限について
2. vSphere Replication と Site Recovery Manager を共に使用する場合の構成について
3. vSphere 5.x と 6.x の Products Offering の KB (Knowledge Base) 紹介
では、それぞれについて記載していきます。
1. vSphere Replication の数の制限について
vSphere Replication は、ハイパーバイザー ベースで仮想マシンのレプリケーションを行う vCenter Server の拡張機能です。ストレージ・アレイ・ベースのレプリケーションを代替する機能なため、弊社の Disaster Recovery ソリューションである、Site Recovery Manager と共に使用するケースが多いですが、vSphere Replication を使用してれ保護 (レプリケーション) できる仮想マシンの数には制限 (上限) がある事はご存知でしょうか?
Operational Limits for vSphere Replication 6.x (2102453)
上記のKBでその数の制限 (上限) について説明しています。KBの中には以下の表があり、この表から、1台の vCenter Server 環境で最大 2,000台の仮想マシンを保護することができ、その際に必要となる vSphere Replication Appliance は1台、vSphere Replication Server が9台である事がわかります。つまり、1台の vSphere Replication Appliance と、9台の vSphere Replication Server が、それぞれ 200台の仮想マシンの保護を担う事で、合計 2,000 台の仮想マシンの保護を可能としています。
では、vSphere Replication Appliance と vSphere Replication Server ですが、何が違うのでしょうか?
vSphere Replication Appliance には、以下の 2つの役割があります。
- vSphere Replication Management Server:vCenter Server や vSphere Replication Server の構成と管理
- vSphere Replication Server:データの受信と書き込み
vSphere Replicationを使用する環境に最初に展開される Appliance は①と②の機能を有しており、200台を超える仮想マシンを保護したい環境に追加で展開される Appliance は②の機能のみ有しているという違いがあります。そして、①と②の機能を有している Appliance を vSphere Replication Appliance、②の機能のみを有している Appliance を vSphere Replication Server と呼びます。
2. vSphere Replication と Site Recovery Manager を共に使用する場合の構成について
では、Site Recovery Manager と共に使用する場合、vSphere Replication Appliance とvSphere Replication Server は、保護サイトと災害対策サイトのそれぞれにどのように配置する事になるでしょうか?
- まず、保護サイトと災害対策サイトの双方に vSphere Replication Appliance を展開します。
- 次に、保護対象の仮想マシンの数が 200 台以上の場合、災害対策サイトに、200 台の仮想マシン毎に vSphere Replication Server を展開します。
- 保護サイトから災害対策サイトへの片方向のレプリケーション構成の場合、受信側となる災害対策サイトだけにvSphere Replication Server を展開すればいいとなりますが、Site Recovery Manager と共に使用している DR (Disaster Recovery) システムとして考慮するならば、サイト・フェイルオーバ後のサイト・フェイルバックまでを想定した Appliance の配置をしておくのが一般的と言えますので、保護サイトと災害対策サイトの両サイトに同じ台数の vSphere Replication Server を展開しておく事を弊社としては推奨しています。
- 尚、当然ですが、保護サイトと災害対策サイトが双方向のレプリケーション構成の場合は、両サイトに必要な数 (仮想マシン数に応じた) だけの vSphere Replication Server を展開する事になります。
例えば、500台の仮想マシンを vSphere Replication と Site Recovery Manager を使用して、片方向のレプリケーション構成としたDRシステムの場合、保護サイトと災害対策サイトに、それぞれ、1台の vSphere Replication Appliance と、2台の vSphere Replication Server を配置する、と言う事になりますので、図にすると以下のようなイメージになります。
3. vSphere 5.x と 6.x の Products Offering の KB (Knowledge Base) 紹介
皆さん、以下の KB はご存知でしょうか?
vSphere 5.x の各エディション (一部、キット) で提供されているる機能:
vSphere 6.x の各エディション (一部、キット) で提供されているる機能:
これらの KB は、それぞれ vSphere で利用可能な機能を一覧表にしていますが、“ある機能が、vSphere の、どのバージョン、どのエディション (一部、キット)” で利用できるのか、という事が解るようになっています。
ではどんな時に役に立つのかと言うと、例えば、次のような疑問を持った場合に上記の KB 参照する事で疑問を解決できます。
- Storage vMotion はどのバージョンのどのエディション (キット) でサポートされている機能なのか?
- vSphere Replication はどのバージョンのどのエディション (キット) でサポートされている機能なのか?
- vSphere Fault Tolerance どのバージョンのどのエディション (キット) でサポートされている機能なのか?
KBから上記の 1 から 3 の答えは、それぞれ以下である事が解ります。
vSphere 5.x の場合;
- vSphere 5.0 の Enterprise、Enterprise Plus と、vSphere 5.1 以降の Standard、Enterprise、Enterprise Plus でサポートされる機能です。
- vSphere 5.1 以降の Essentials Plus と、vSphere 5.0 以降の Standard、Enterprise、Enterprise Plus でサポートされる機能です。
- vSphere 5.0 の Enterprise、Enterprise Plus と、vSphere 5.1 以降の Standard、Enterprise、Enterprise Plus でサポートされる機能です。
vSphere 6.0 の場合;
- vSphere 6.0 の Standard、Enterprise、Enterprise Plus でサポートされる機能です。
- vSphere 6.0 の Essentials Plus、Standard、Enterprise、Enterprise Plus でサポートされる機能です。
- vSphere 6.0 の Standard、Enterprise、Enterprise Plus でサポートされる機能で、サポートされる vCPU の数がエディションによって異なるので注意が必要です (Standard と Enterprise の場合は 最大で 2 vCPU、Enterprise Plus は最大で 4 vCPU の vCPU を搭載した仮想マシンを Fault Tolerance 化する事が出来ます)。
注) “Product offerings for vSphere 6.x (2109507)” と “vSphere 6.x の各エディションにおける機能一覧 (2111426)” に vSphere 6.5 に関する情報の追記を関係部門に依頼中 (2017年4月28日 (金) の時点)。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今回は以上となります。またの機会をお楽しみに。