本 blog は VMware Storage and Availability Business Unit の Cormac Hogan Blog の翻訳になります。 VSAN をより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。
このブログを開いた時点でVSANをよく理解している方々は、仮想マシンをデプロイすると、VSANデータストア上ではオブジェクトのセットとしてデプロイされ、従来のようにデータストアにデプロイされるようなファイルのセットではないことをご存知でしょう。VSANのオブジェクトには、仮想マシンのホームネームスペース、VMDK、そしてVMスワップが含まれます。VMスワップは、仮想マシンがパワーオンされている時にのみ存在しますが、VSAN上では常に100%のオブジェクトスペースが予約されてプロビジョニングされます。このことで容量を大量に消費することになり、課題となっていました。例えば、8GBメモリの仮想マシンを100台デプロイすると、800GBのディスク容量がVMスワップとしてプロビジョニングされます。これは、仮想マシンがリソース起因の問題を発生させないために予約された容量です。
VSAN 6.2からは、VMスワップの領域をシンプロビジョニングのようにデプロイ出来るようになりました。
注意点として、この設定はVSANクラスター内の全てのESXiホスト上で SwapThickPrivisionDisabled を有効にする設定が必要です。この設定はデフォルトでは無効になっています。
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[root@esxi-a-pref:~] esxcfg-advcfg -g /VSAN/SwapThickProvisionDisabled Value of SwapThickProvisionDisabled is 0 |
有効化するには:
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[root@esxi-a-pref:~] esxcfg-advcfg -s 1 /VSAN/SwapThickProvisionDisabled Value of SwapThickProvisionDisabled is 1 |
今、VSANデータストア上の仮想マシンがパワーオンされた時、それらのVMスワップオブジェクトがシンプロビジョニングされます。すなわち、100%のオブジェクトスペースリザベーションポリシーはもう実装されません。
VSAN 6.2の容量ビューのスクリーンショットをいくつか掲載します。デフォルト設定状態でVMスワップを持つ仮想マシン、そして仮想マシンの電源をオフし、全てのホストに対して SwapThickPrivisionDisabled を有効化した後に、再度電源をオンしました。
最初のスクリーンショットは、オブジェクトタイプ毎のグループによる容量ビューです。約10台の仮想マシンが、合計でスワップスペースを84.09GB消費しています。これは、デフォルトオブジェクトスペースリザベーション100%を使用しています。
次に、仮想マシンをパワーオフし、 SwapThickPrivisionDisabled の設定をESXiホストに対して変更をかけました。予想される通り、VSANデータストア上でスペースを消費しているVMスワップオブジェクトはありません。
最後に、パラメーターの設定された仮想マシンを再度パワーオンします。スワップオブジェクトがデフォルト状態とは大きく異なり、容量を88MBしか消費していないことを確認することができるでしょう。
この新機能により、VSAN利用時における容量消費をかなり抑えることが可能になります。抑えられる容量は、いくつの仮想マシンをデプロイするか、またどの程度大きいVMスワップスペースか(本質的に仮想マシンにアサインされた予約されていないメモリーのサイズ)に依存します。
原文:VSAN 6.2 Part 5 – New Sparse VM Swap Object
VMware Storage and Availability Business Unitの シニアスタッフエンジニアCormac Horganの個人ブログを翻訳したものになります。VSANの詳細に関しては弊社マニュアル 、KBをご確認ください。また本記事は VSAN 6.2ベースに記載しております。予めご了承ください。