VMware EUC ブログ第一回の続きです。
前回のブログでは、今日現在、市場で起こっているトレンド、そしてそのトレンドに対して取られているアプローチについてお話をしました。 また、現在取られているアプローチは、様々な課題を抱えており、Vmwareは、これらの課題を解決するためには、全く新しいアプローチが必要であると考えているところまでお話をしました。 それでは、VMwareの考える新しいアプローチとは何でしょうか。 VMware EUCの製品戦略をご紹介します。
まず最初に、VMwareでは、EUCには以下の4つのコンポーネントがあると考えています。
- デスクトップ: ユーザが利用するPC環境
- データ: ユーザが利用(作成、閲覧)するデータ
- アプリケーション: ユーザが利用したい(させたい)様々なアプリケーション
- デバイス: 上記にアクセスするデバイス
上記4つのコンポーネントをベースに、VMwareのアプローチをもう少し詳しく見ていきます。
- Transform: 従来、PCにデスクトップやデータ、アプリケーションは紐付いています。 つまり、物理的なデバイスにしばれれて、とても管理しずらいものでした。これをソフトウェア的に分離して、柔軟な管理が可能なプラットフォームへと変革します。 また今日、アプリケーションは様々な場所に存在しています。 あなたのPCの中だったり、クラウド上のどこかだったりです。 これら、様々な場所に存在するアプリケーションをアプリケーション カタログとして統合します。 このことで、デスクトップ、データ、アプリケーションをITサービスとして再定義することができるのです。
- Broker: 「Broker」には、2つの目的があります。 まず1つ目は、「Transform」でITサービスとして再定義したデスクトップ、データ、アプリケーションを集中管理することによって、よりセキュアでシンプルな管理を実現することです。 2つ目は、これらのITサービスをエンドユーザにポリシーベースで配信することです。 ここで言うポリシーベースでの配信とは、ユーザの属性(例えばID、所属する部門/部署、職位/職責など)によって最適なITサービスを提供することを言います。 従来、クライアント環境は、デバイス中心の管理が主流でしたが、本来あるべき姿は、デバイスを利用するユーザ中心に管理すべきでした。 ユーザによって、使用するアプリケーションやアクセスするデータは違います。 VMwareは、ユーザ中心の管理を実現することにより、そのユーザに最適なサービスを提供することを実現しているのです。
- Delivery: 「Transform」で再定義したITサービスは、最終的にエンドユーザの利用する様々なデバイスに配信されます。 VMware EUC ソリューションでは、デバイスの違いを理解して適切なアプリケーションを配信するなど、インテリジェントな配信が可能になっています。
これらのVMware EUC のビジョンを具現化したのがVMware Horizon Suiteです。
VMware Horizon Suite は、複数の製品から構成されています。 以下、簡単にそれぞれの製品を紹介します。
- VMware Horizon View: VMwareの仮想デスクトップ ソリューションです。 以前は、VMware Viewと呼ばれていた製品です。某リサーチ会社さんの最新の調査によると、お陰さまで日本でNo.1のシェアをいただいています。
- VMware Horizon Mirage: 元々、物理PCのWindows イメージを階層型に集中管理できる製品でしたが、最新のバージョンでは、仮想デスクトップのイメージ管理もできるように進化しています。 この製品の特徴は、Windows イメージを論理的に階層型に管理できることです。 これにより、例えば、OSをWindows XPからWindows 7へ移行する際、ユーザのデータやプロファイルに影響を与えることなく、OSのみの移行が可能になります。 VDIを導入したとしても、物理PCは結構な割合で残るのが現実かと思います。 Mirageによって、仮想デスクトップと物理PC双方のWindows イメージを集中管理できるようになるのです。
- VMware Horizon Workspace: マルチデバイスから業務に必要なアプリケーション、データ、そして仮想デスクトップにシングルサインオン(SSO)でアクセスできるポータルを提供します。 したがって、デバイスの種類や場所に囚われずに、いつでも、どこからでも業務に必要なリソースにアクセスすることが可能になります。
- VMware ThinApp: 本来、アプリケーションとOSは深く紐づいていますが、アプリケーションを仮想化することによって、OSのバージョンから独立したアプリケーションを実現できます。 例えば、Windows XP上で稼動していたアプリケーションを、変更を加えることなく、Windows 7上で稼動させたり、バージョンの違う同一のアプリケーションを同じOS上で稼動させたりすることが可能になります。
- VMware vCenter Operations Manager for Horizon View (V4V): 仮想デスクトップの環境は、様々な構成要素から成り立っています。 特に大規模環境では、日々のモニタリングとトラブルの際に迅速に対応できることが必須です。 V4Vは、既存のVMware vCenter Operations Managerを利用することにより、Viewの環境だけではなく、仮想化基盤も含め事細かにモニタリングできます。 また、トラブルが発生した際には、どのコンポーネントにトラブルが発生しているのかを的確に指摘してくれます。 V4Vによって、日々のVDIの管理、運用が非常に簡素化されるとともに、トラブルにも迅速に対応できるのです。
以上、VMware End User Computing のビジョン、そしてそのビジョンを具現化したHorizon Suiteをご紹介しました。 次回以降は、各製品やテクノロジーに関して、もっと深く紹介していきたいと考えています。 ぜひ、楽しみにお待ちください。