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VSANにおける SSDの役割

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。
最新のVSAN 6.2では「ハイブリッド」と「オールフラッシュ」2つの方式のがありますが、本記事はハイブリッド方式の記事となります。
★SSDにおける役割
VSAN 内における SSD は、リードキャッシュとライトバッファとして作用します。これは VSAN データストア上で実行される仮想マシンのパフォーマンスが向上させます。
VSAN はストレージ市場における SSD と HDD を備えた”ハイブリッド”ストレージと比較されますが、パフォーマンス向上だけでなく、キャパシティのスケールアウトも特徴として兼ね備えています。それでは VSANにおけるリードキャッシュとライトバッファについて話を進めていきましょう。
★リードキャッシュ★
リードキャッシュは、頻繁にアクセスするディスクブロックのリストを保持します。これは、キャッシュヒット時に、I/Oリード遅延を削減することができます。
VSAN において興味深いのは、アプリケーションが読み取られている実際のブロックが、仮想マシンが実行されているESXiホストにないかもしれない、ということです。
言いかえると、仮想マシン自体はあるESXiホスト上で動いておりますが、その仮想マシンのストレージオブジェクトは、それとは異なるESXiホスト上にあってもよい、ということです。
ストレージオブジェクトが異なる ESXi 上に分散している際、該当するブロックが VSAN クラスタ内の別 ESXi ホストのリードキャッシュにあるかどうか探します。キャッシュミスがある場合、データは HDD から直接取り出されます。
VSAN はリードキャッシュがヒットしやすいように常に同じレプリカを読み取るようにします。つまり、クラスタ内どこか1つのノードでキャッシュされます。キャッシュスペースは比較的高価ですので、このメカニズムがキャッシュ利用効率を最適化してます。
★ライトバッファリング★
ライトキャッシュは、不揮発性ライトバッファとして動作します。アプリケーションからの書き込みは、SSDに書き込まれた際 ACKを返します。 もちろんこの動きは書き込み時の遅延予防となります。
SSDに書き込むので、 ハード障害時に備えて VSAN クラスタ内のどこかにデータコピーがある必要があります。
ポリシーによって、VSANに展開される仮想マシンはコピーを持たせることができます。これは、ライトキャッシュコンテンツも含みます。
アプリケーションによって書き込みが開始されると、”オーナー”であるホストのライトキャッシュに書き込むのと同時に、レプリカのあるリモートホストのライト キャッシュにも書き込まれます。
書き込まれたキャッシュデータは、他のホストでもコピーを保持しているので、ホスト障害が起きた際も安心です。その後、SSDに書き込まれたキャッシュデータは、一定の間隔で、HDDにデステージされます。
他のフラッシュソリューションと同様、VSANは可能な限り最高のパフォーマンスを提供します。
原文:The role of the SSD
VMware Storage and Availability Business Unitの シニアスタッフエンジニアCormac Horganの個人ブログを翻訳したものになります。VSANの詳細に関しては弊社マニュアル 、KBをご確認ください。また本記事は VSAN 5.5ベースに記載しております。予めご了承ください