皆様こんにちは。VMwareの金と申します。
本稿では、VMware vSphere及び、VMware vCenter Operations Managerの新機能、及び将来のロードマップにおいて追加予定の機能に関してVMworld 2014で入手した旬な情報をご紹介してまいります。
- vSphere に関して
vSphere は、もはや説明する必要がないくらい広く普及しているサーバ仮想化製品です。VMware が強力に推進する Software-Defined Data Centerにおいても根幹を担う非常に重要なポジションに位置づけれております。VMworld 2014では、次期vSphereで提供予定の下記機能が紹介されました。
【可用性に関するエンハンスメント】
- vCenter Server間を跨いだvMotion の実行
- Long-Distance vMotion の実現※ 往復100ms の遅延をターゲット
- レイテンシー・センシティブなアプリのvMotionサポート※ 通信業界のネットワークサービスや、金融トレーディングアプリなど
- FT (Fault Tolerance)のマルチプロセッサ対応 (4 vCPU)
- ホストとストレージ間の接続障害(APD / PDL) 発生時、VMを HA で再起動※ APD (All Path Down):ホストのFCパス全断などの状況※ PDL (Permanent Device Loss):LUNストレージグループからホストが除外
【vCloud Director 機能の vSphereへの追加】
- Content Library※ テンプレート、OVF、vApp 、ISOイメージを複数vCenter / vCD間で共有
- 仮想データセンターとポリシーベース管理
【vCenter で新しいプラットフォームサービスの採用】
- Platform Service Controller (PSC)※ PSC にはSSO機能に加え、ライセンス、CA、サービス登録機能などが追加されvCloud Suiteの各コンポーネントから共有される 。
どれも注目すべき機能ですが、やはり、会場で一番注目度が高かったのでは FT のマルチプロセッサ対応でしょうか。もちろんデモで動作確認させていただきました!
なお、既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、vSphere 次期バージョンのベータ版は下記サイトからお試しいただくことが可能です。まだの方は是非この機会に次世代のvSphereをいち早く試してみませんか!?
http://www.vmware.com/go/vspherebetaq2
- VMware vCenter Operations Manager に関して
vCenter Operations Manager は最近では vSphere with Operations Management (通称vSOM)でもお馴染みかと思いますが、VMwareの仮想環境の健全性監視、キャパシティー管理などの機能を提供する非常に強力な管理ツールです。以下、vCenter Operation Managerのダッシュボード画面のスナップショットになります。
画面左から仮想環境における
- 健全性:いますぐ対処すべき問題があるか
- リスク:近い将来対応すべき問題があるか (キャパシティー不足など)
- 効率 :最適化の余地があるか
を表しており、仮想環境全体を俯瞰して監視することが可能となります。
VMworld 2014では、これらのお馴染みの機能に加え、本来この製品のあるべき姿、つまりVMware が推進する Software-Defined Data Centerにおける包括的なマネージメントツールとしての位置づけが強調されていました。
vCenter Operations Manager はSDDCやクラウド環境をはじめとして、AWSなど他社のパブリッククラウド、さらにはBig Data 解析アプリをはじめとしたVM上で動作する様々なアプリケーションまでを単一のコンソールで監視、管理することを目的とした非常に野心的な製品です。
以降VMworld 2014のセッションで紹介された、vCenter Operations の拡張機能をいくつか紹介いたします。下記は、ネットワーク仮想化を実現するNSX環境をvCenter Operations Managerで監視するためのアドオン・パッケージ、Operations Management Pack for NSXの紹介スライドです。(セッション中にカメラで写真を撮ったのですが少し曲がっていてすみません…)
こちらのアドオンを利用することで、通常のNSX管理ツールの機能に加えて
- 各NSXコンポーネントの健全性ステータスの監視
- 物理と仮想ネットワークのトポロジーマッピングの表示
- サーバ、ストレージ、ネットワークにまたがる問題の相互関係性
など、管理に役立つさまざまな情報が可視化され管理者に提供されます。
vCenter Operations ManagerではNSX以外にも、ストレージを監視するアドオン、クラウドを監視するアドオンなど、様々なアドオン・パッケージをはじめ、物理、仮想環境の構成管理、OSやアプリケーションの健全性管理を実現する様々な管理製品と連携することができ、クラウド・インフラ全体を包括的に管理することが可能です。
また、vCenter Operations Managerよりさらに詳細な分析を希望されるお客様には、先日発表されたvRealize Operations InsightやvRealize Cloud Management Suiteという新たなパッケージをご選択いただきますと、vCenter Operations Managerに加え、リアルタイムでのログ管理およびログ分析機能を提供するLog Insight をご利用いただくことも可能です。
以下、Log Insight と vCenter Operations Managerの連携を紹介するスライドになります。まず、Log Insightによるログ解析結果からストレージ障害が発生したことがLog Insightの画面を通してユーザに通知されます。
さらに、次回この障害が発生した場合には、vCenter Operations Manager に通知することも可能です。(以下スライド)
- 明日の予告
明日以降もBreakout Sessionの他のトピックを公開予定ですので、是非お楽しみに!
- ご注意
VMworld 2014速報ブログシリーズでは、USで開催されているVMworld 2014について現地から速報でお届けしています。発表時点での予定情報であり、本ブログに記載されている製品仕様やロードマップは将来予告無く変更になる可能性があります。