皆様こんにちは。TAM の米本です。
マルチクラウド・ハイブリッドクラウドの時代となり、新旧オンプレミスのシステムからネイティブクラウド基盤システムまで様々なシステムを同時にご利用中という方々も多いのではないでしょうか。
今回は VMware Aria Operations の「コスト」機能を利用したシステム全体の利用コスト可視化についてご紹介させていただきます。
◼︎はじめに: Aria Operations について
Aria Operations は VMware vCenter を補完する仮想基盤の監視・分析ツールであり、仮想基盤の統合的な可視化を行い運用高度化の手助けをします。
本製品は以前 vRealize Operations Manager と呼ばれており、こちらの方が馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません。
以前の TAM Blog でも取り上げておりますので、ぜひ併せてこちらの記事もご参照ください。
・[TAM Blog] vRealize Operations Manager(vROps)を活用しよう 〜メトリックの時系列データ確認編〜
◼︎ Aria Operations の「コスト」機能
さて、ここからは Aria Operations のコスト機能に関してご紹介させていただきます。
Aria Operations ではオンプレミスの VMware 仮想基盤からネイティブクラウド基盤のシステムまでコスト計算がサポートされており、これらに関連する全体的なコストが発生する仕組みを追跡することができます。
この機能を用いることでマルチクラウド・ハイブリッドクラウド環境における総所有コスト、節約されたコストなどを可視化することが可能です。
本機能において対象となるクラウド基盤のアカウントは下記の通りです。
・ VMware Cloud on AWS
・ Azure VMware Solution
・ Amazon Web Services
・ Microsoft Azure
・ Google Cloud
「コスト」機能では、 VMware 仮想基盤コストの重要な発生元を下記のように「コストドライバ」として区分しています。
・ サーバ ハードウェア: 従来型
・ サーバ ハードウェア:ハイパーコンバージド
・ ストレージ
・ ライセンス
・ アプリケーション
・ メンテナンス
・ 人件費
・ ネットワーク
・ 設備
・ 追加コスト
Aria Operations ではこれらコストドライバの詳細を構成し、
その利用状況を追跡することで総所有コストや仮想マシン毎のコスト等の推移を分析することができます。
各コストドライバは「構成」メニュー内の「コストドライバ」から設定できますので「コスト」機能をご利用の際はご確認ください。
下記は「人件費」「設備」コストドライバの例となります。
◼︎「コスト」機能の利用方法
「コスト」機能は Aria Operations の「計画」から利用することができます。
「コストの概要」からはキャパシティ/コストドライバ/データセンター別、リソース/データセンター別にそれぞれ総所有コスト・予想される節約の状況を確認することができ、 VMware 仮想基盤以外のクラウド基盤についても確認をすることができます。
またこの概要画面からは各種ダッシュボードにも遷移することができ、グループ毎・仮想マシン毎等さらに詳細なデータをご確認いただけます。
なお画面例では通貨が米ドル表示となっておりますが、もちろん日本円での表示が可能です。
(初回の通貨設定時に確定した通貨から後々変更することはできませんのでご注意ください)
「コスト分析」からは、総コストに対してどの仮想マシンが最もコストがかかっているか?過剰なコストのかかっている仮想マシンが存在するのか?等、色々な切り口からの分析・レポートの作成( PDF のエクスポート)を実施することができます。
現状の確認では「コストの概要」、詳細情報の精査では「コスト分析」と使い分けていただくことでシステム全体のコストを様々に可視化することが可能です。
◼︎おわりに
Aria Operations の「コスト」機能を用いたシステム全体の利用コスト可視化についてご紹介させていただきました。
本機能は基盤運用時に発生するコストを把握する上での強力なツールとなりますので、ぜひご利用いただければと思います。
また Aria Operations は本機能にとどまらず数多くの運用支援機能がございます。
本投稿を含めた Aria Operations の活用、運用の高度化に関してご不明点やご相談事項がございましたら担当 TAM までご連絡ください。