今週バルセロナで開催されている VMworld Europe 2015 にて、クラウド管理プラットフォームのコア製品である VMware vRealize Automation の最新版 7.0 が発表されました。
vRealize Automation は、様々な IT サービスをユーザがセルフサービスで利用するための仕組みを提供する製品で、IaaS だけでなく、アプリケーション展開の自動化、さらにはワークフローによるカスタムサービスなど、IT 部門が提供するサービスの多くをこの自動化プラットフォームに載せることができるようになっています。
本エントリでは、vRealize Automation 7.0 の主な新機能/機能強化について説明します。
統合サービスブループリント
vRealize Automation 7.0 の新機能の中で、もっともお伝えしたいものが「統合サービスブループリント」機能です。統合サービスブループリントでは、仮想マシンだけでなく、ネットワークやセキュリティ、そして OS やミドルウェアなど、さまざまなコンポーネントを使ってアプリケーション システムのテンプレートを作ることができます。
しかもこのテンプレートは、デザイン キャンバス上でのドラッグ アンド ドロップなど、マウスのシンプルな操作で直感的に作っていくことができます。3 層構成アプリケーションを、ネットワーク・セキュリティ構成も含めて、ボタン 1 つでデプロイするテンプレートを組むことも容易です。ライセンスチェックや課金システム登録などシステム構成時に必要な処理も、ワークフローとしてこのテンプレートの中に取り込めます。
NSX との高度なインテグレーション
vRealize Automation 7.0 では、ネットワーク仮想化プラットフォーム VMware NSX と更に緊密な統合が図られており、アプリケーションのニーズに合わせて、仮想ネットワークや仮想ロードバランサー、分散ファイアウォールなどを動的に構成することができます。これにより、ネットワーク・セキュリティの設定作業がほぼ自動化されるため、プロビジョニングに必要な時間が大きく短縮されます。
Blueprint as Code
エンタープライズの IT 部門では GUI での操作が一般的に好まれますが、開発者のカルチャーを持つ DevOps チームは、コードとしてインフラの構成を管理することを好みます。このような DevOps チームのニーズに応えるために、vRealize Automation 7.0 の統合サービスブループリントは、可読性のあるテキストファイルとしてブループリントをインポート/エクスポートすることができるようになっています。
拡張性の強化
vRealize Automation 7.0 は、外部のツールを呼び出したり既存システムと統合したりする拡張性をいままでよりもシンプルにしながら機能強化しています。たとえば、新機能 Event Broker では、拡張処理を行うイベントの条件と、その際に実行するワークフローを柔軟に定義できるため、拡張処理を容易に追加できます。また、vRealize Automation 7.0 では API も強化されており、API を通して拡張処理を記述することが前よりも容易になっています。
また、vSphere だけでなく vCloud Air や AWS などにも対応しているため、ハイブリッドクラウド環境のテンプレートを作成することもできます。
シンプルになったセットアップ
vRealize Automation 7.0 では、セットアップから起動までの時間を大きく短縮しています。新しいインストール ウィザードはシステムを正確にかつ素早く構成することを可能にします。アーキテクチャも、認証とシングルサインオンのコンポーネントを含むなどシンプル化されているため、今までの 1/6 の時間でセットアップを終えることができます。
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関連エントリ: vRealize Automation 7.0 – Accelerating Time to Value