みなさんこんにちは!
日本ヒューレット・パッカード株式会社(HPE)の橘孝祐(たちばなこうすけ)です。
前回は vSphere 構成を組むうえでのハードウェア要件として意外な注意ポイントである「ブートデバイス」についてご紹介しました。
今回は vSAN 7.0 の HPE サーバー対応状況と認定構成である vSAN ReadyNode 構成の紹介、そしてファームウェアやドライバのチェック方法についてご紹介いたします。
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第1回 VMware vSphere 7待ちに待った メジャーアップデート速報!【HPE】
第2回 vSphere 7.0 時代のESXiブートデバイスの選び方【HPE】
第3回 vSAN はファームウェアとドライバのチェックを忘れずに!!【HPE】
■ vSAN 7.0 対応 HPE ハードウェア
vSAN には、VMware 社から認証されている vSAN ReadyNode 構成と、認証 Component を組み合わせる Build Your Own 構成があります。
ここでは、vSAN ReadyNode 構成をメインにご紹介します。HPE では、vSAN 7.0 に対応した多数の vSAN ReadyNode 構成を展開しており、7/6時点で171件もの構成が認定されています。
対応サーバーの種類としては、汎用的なラックマウントサーバーで Intel 製 CPU 搭載の HPE ProLiant DL360 / 380 Gen10 を始め、高集約型の HPE Apollo シリーズ、AMD 製 CPU 搭載の HPE ProLiant DL325 Gen10/Gen10 Plus や DL385 Gen10/Gen10 Plus にも数多くの構成が認定されています。
どのような構成が vSAN ReadyNode 認定されているかは、以下の手順で確認することができます。
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- HCL サイトにアクセスhttps://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php?deviceCategory=vsan
- “リリースタイプ” として ESXi 7.0 (vSAN 7.0)、 “ベンダー”に Hewlett Packard Enterprise を選択して検索
- vSAN 7.0 対応の HPE vSAN ReadyNode 構成がリストで出力されるため、要求スペックに合わせたモデルを選択
図1. vSAN ReadyNodeのHCLサイト
また、vSAN ReadyNode 構成はルールに従ってカスタマイズすることが可能です。
必ずしも希望スペック要件が vSAN ReadyNode 構成にぴったり当てはまるとは限りらないため、下記 vSAN ReadyNode 構成のカスタマイズルールに従ってコンポーネントを変更することで、よりお客様環境にマッチした vSAN 環境を提供することが可能です。
vSAN ReadyNode 構成カスタマイズ ルール(VMware KB)
https://kb.vmware.com/s/article/52084?lang=ja
図2. vSAN ReadyNode のカスタマイズルール
図2は URL 先の VMware KB をまとめたものになりますが、アレイコントローラー以外は基本的に変更可能となります。ただし、変更可能なコンポーネントにも注意点があり、より上位のモデルにすることが必要となります。
例:HPE 1.6TB 12G SAS MU SFF SC DS SSD → HPE 1.6TB 12G SAS WI SFF SC DS SSD
上の例では MU → WI とパフォーマンスクラスが上がっているため変更が可能になります。
■ vSAN ReadyNode のチェックポイント ーコンポーネントのファームウェアー
vSAN ReadyNode ではアレイコントローラーとディスク(HDD・SSD・NVMe)に関して適切なファームウェアを使用する必要があります。今回は、各コンポーネントの適切なファームウェアの検索方法をご紹介いたします。
ファームウェア確認が必要なコンポーネントに関しては、先ほどの vSAN ReadyNode と類似した個別の HCL サイトから検索することができます。
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- vSAN 認証コンポーネントの HCL サイトにアクセスhttps://www.vmware.com/resources/compatibility/search.php?deviceCategory=vsan
- “検索対象”、 “バージョンタイプ”、 “ベンダー”等を指定して検索
- “検索結果”をクリックし、ファームウェア要件を確認
図3. vSAN 認定コンポーネントの HCL サイトキャプチャ①
図4. vSAN 認定コンポーネントの HCL サイトキャプチャ②
キーワードに “モデル名”や “型番”を入れて検索することも可能です。ディスクの場合はファームウェアの最小要件が書かれており、これより新しいファームウェアであれば OK となります。
例:最小要件 → HPD1 , 現在のファームウェア → HPD4 はOK
図5. vSAN 認定コンポーネントの HCL サイトキャプチャ③
アレイコントローラーの場合はファームウェアバージョンが決まっている点に注意します。ファームウェアだけでなく、対象となるデバイスドライバも確認することが重要です。
今回は vSAN 7.0 対応 vSAN ReadyNode 構成、そしてファームウェアの確認方法についてご紹介しました。
次回は、今回の続きとして HDD / SSD やアレイコントローラーといったコンポーネントのファームウェアをHPEサーバーに適用する方法、そして新機能である vLCM についてご紹介する予定です。
次回のブログ更新をお楽しみに!
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橘 孝祐(Tachibana Kousuke)
日本ヒューレット・パッカード株式会社(HPE)でHPE ProLiant Server シリーズを中心とするサーバー製品を担当。主に VMware 仮想化ソリューションと組み合わせたプリセールス活動に従事。