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明解Virtual Volumes! 仮想環境におけるこれからのストレージ管理

みなさま、こんにちは。
お客様の情報システム部門を訪問すると、非常に多くの方が仮想環境のストレージ管理に以下のような課題を抱えています。
「ストレージの性能管理が困難」
「ストレージの専任管理者が不在」
「ストレージと仮想マシンの紐付けが困難」
今回はそのような課題を解決する、FUJITSU Storage ETERNUS DX による Virtual Volumes について、富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 稲木貴光様に執筆いただきましたので、ご紹介いたします。
( 富士通様には先行して弊社英語版 Blog にも Virtual Volumes について執筆いただいています )
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富士通株式会社 稲木貴光様

はじめに

2015年2月に VMware vSphere 6.0 がリリースされ、半年以上が経ちました。vSphere 6.0 でサポートされた数多くの新機能に魅力を感じ、導入を検討されている方も多いと思います。
その新機能の中でも VMware vSphere Virtual Volumes ( 以降、VVOL ) は、これまでの ESXi のブロックストレージ管理の枠組みを打ち破る画期的な機能です。ストレージ装置の機能をフルに活かすことができることに加え、Software-Defined Storage として高度にインテグレートされています。
その VVOL が生まれてきた背景やメリットについては、既にポストされた VMware 岡野様の記事に詳しく紹介されています。ここで解説されているとおり、VVOLを使うには対応したストレージ装置を使う必要があり、VVOL で使えるストレージの機能 ( ストレージのケーパビリティ ) は、ベンダーによって様々です。
富士通も、VMware のパートナーとして、この VVOL にいち早く対応したベンダーのひとつです。
ここでは、VVOL をサポートした FUJITSU Storage ETERNUS DX を元に、VVOL の良さ、そしてETERNUS DX が提供するストレージのケーパビリティを簡単にご紹介させていただきます。
最後に、VVOL の実践的な使い方について、あるユースケースを元にわかりやすく説明したマンガをご紹介させていただこうと思います。きっと、これまでのストレージ管理の課題に共感していただけるとともに、VVOL による新しいストレージ管理のアドバンテージを理解していただけるものと思います。

ストレージ装置側でのボリューム作成は不要

これまでのブロックストレージでは、ストレージ装置の専用コンソールからボリューム ( LUN ) を作成しておき、それを VMFS でフォーマットしてデータストアとして認識させる必要がありました。ボリュームが必要になる度に、ストレージ装置のコンソールと vCenter Server の画面を行ったり来たりして行うこの作業は煩雑で、ストレージ装置の知識も必要でした。
VVOL では、その都度ボリュームを作るという作業は必要ありません。ストレージコンテナ ( ETERNUS DX では仮想ストレージプールといいます ) を導入時に作っておくだけで、あとは仮想マシンの作成時に、必要に応じて適切なボリュームが自動的に切り出され、仮想ディスクとして割り当てられるのです。
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仮想マシン単位のボリューム運用

ストレージ装置が持つ豊富な機能 ( QoS: Quality of Service や Tiering ( 自動階層制御 ) 、ハードアシストを使った高速なコピーなど ) は、ボリューム ( LUN ) 単位に行われることがほとんどです。このため、1VMFS に1仮想マシンを配置していた、なんて方も多いのではないでしょうか。
VVOL は、このボリューム ( LUN ) と仮想ディスクを1対1に対応づける技術です。ですから、VVOL を使えば仮想ディスク単位で、つまり仮想マシン単位で、ストレージの豊富な機能が利用可能になるわけです。
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FUJITSU Storage ETERNUS DX のケーパビリティ

VVOL は、仮想ディスクを通してストレージの豊富な機能が使えるようになる技術でもあります。ですからストレージベンダーの特徴が出せる機能である、とも言えるでしょう。
FUJITSU Storage ETERNUS DX では、以下のようなケーパビリティを提供しています。

  • 自動階層制御
  • QoS 自動化
  • データ暗号化
  • 高速キャッシュ
  • バックアップ、リストア

これらのケーパビリティは、それぞれを組み合わせて使うことが可能です。また、各ケーパビリティにはさらに詳細な設定をすることも可能です。これらにより、サービスレベルに応じたストレージポリシーを定義することができます。
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ファイルレベルのリストアも可能

FUJITSU Storage ETERNUS DX で提供しているケーパビリティのひとつであるバックアップ、リストアは、ハードアシストによる高速コピーの機能を使って実現されています。そして、単にハードの機能をケーパビリティとして提供しているだけにとどまらず、富士通ならではの機能も提供しています。

  • バックアップのスケジュール設定
  • スナップショットバックアップの世代数設定
  • スナップショットバックアップとクローンバックアップの同時作成
  • 仮想マシンのリストアとファイルレベルのリストア

特にリストアの機能は、仮想マシン単位のリストアだけでなく、ファイル単位でもリストアができます。仮想マシンを止めずに、必要なファイルだけを復元することも可能です。
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VVOL の効果を、ユースケースを通して楽しく理解

ここでは、仮想環境におけるよくある課題と、その解決となる VVOL の具体的な適用シーンを、マンガでご紹介したいと思います。
ご紹介するのは、とあるシステム会社の営業マンの門田先輩と情くん。二人はお客様システムの課題解決のため、コンビで東奔西走しています。さて、お客様のストレージ管理の課題とは?!門田先輩と情くんは、その課題を VVOL でどのように解決したのでしょう。
つづきは、こちらをどうぞ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。VVOL はこれまでの ESXi のブロックストレージ管理にあった課題を解決し、ストレージ装置が持つ豊富な機能を享受でき、なおかつ Software-Defined Storage としてvSphere に高度にインテグレートされたすばらしい機能です。そして、実際に使ってみると、おどろくほど簡単です。
ぜひ VVOL を使ってみてください。

もっと詳しくという方は

より詳しい情報を富士通のサイトでご紹介していますので、ぜひお越しください。
http://storage-system.fujitsu.com/jp/partners/vmware/vvol/
また、以下より、実際の動作のデモ動画がご覧いただけます。