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「早い!簡単!コンパクト!」だけじゃない! EVO:RAIL の隠れた魅力をご紹介

「みなさんこんにちは。
VMware EVO:RAIL は、EVO:RAIL 認定パートナーを通じ、ハードウェア、ソフトウェア、およびサポートが提供されます。今回は EVO:RAIL 認定パートナーであるネットワンシステムズの川満 雄樹様より、EVO:RAIL の具体的な利点や国内事例をご紹介いただきます。それでは川満様、よろしくお願いいたします。」

こんにちは。ネットワンシステムズの川満です。
EVO:RAIL というキーワードを聞いたとき、おそらく多くの方は「 15 分で簡単にvSphere をセットアップ」、「初心者でも簡単な仮想マシンの運用」、「外部ストレージ不要のコンパクトなアプライアンス」などの「早い!簡単!コンパクト!」な特徴を思い浮かべると思います。
前回の「電源投入から 15分で仮想マシンを立ち上げ! EVO:RAIL 最新情報」で紹介されているように、発表から10 ヶ月が経過し、EVO:RAIL もバージョン 1.2 がリリースされ、アプライアンス拡張数も 8 アプライアンス( 32 ノード)へとサポートされる上限数が広がりました。
ネットワンシステムズは昨年より、いち早く VMware EVO:RAIL の日本国内での取り扱いを開始し、EVO:RAIL システムの評価検証と、多くのソリューションとの連携検証を実施してきました。
今回は評価検証で実証した EVO:RAIL の利点のうち、今まであまり紹介されていなかった運用に直接関わってくる「EVO:RAIL のバージョンアップ方法」「 EVO:RAIL の拡張方法」と、 EVO:RAIL を活用頂いているお客様の導入事例をご紹介します。

・EVO:RAIL のバージョンアップ

通常の vSphere のバージョンアップは、 vCenter Server と連携した Update Manager を利用するか、各 ESXi 、 vCenter のソフトウェアを個別で入手し、それぞれのコンポーネント毎に CLI 、 GUI を駆使してバージョンアップ作業を実施する必要があり、非常に技術力と運用負荷が要求される作業でした。
EVO:RAIL の大きな特徴として、 EVO:RAIL rapid Deployment, Configuration & Management (以下、 EVO:RAIL DCM )と呼ばれるソフトウェア( EVO:RAIL Engine )が15分での簡単セットアップと、仮想化初心者でも操作しやすい簡単インターフェースを提供しています。
EVO:RAIL DCM は、「よりシンプルに仮想化基盤を利用する」という全く新しいコンセプトの管理ツールとして EVO:RAIL に組み込まれていますが、ソフトウェアバージョンアップもこの EVO:RAIL DCM を利用して簡単に適用する事が出来ます。
・EVO:RAIL 更新ソフトウェアの入手方法は?
01_MyVmware
既にお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、最近 My VMware のソフトウェアダウンロードページに「 EVO:RAIL 」カテゴリが追加されました。
EVO:RAIL の更新ソフトウェアは他の VMware 製品と同じく、 My VMware から入手できますが、一つ異なるポイントがあります。
EVO:RAILの場合、中心となるEVO:RAIL Engineのソフトウェアバージョンに合わせて ESXi、vCenter Server Appliance (vCSA) 、 Log Insight も動作互換確認済みのバージョンが掲載され、入手可能な事です。

  • EVO:RAIL <X.Y.Z> Offline Bundle : ESXi にインストールする EVO:RAIL Engine のエージェントです。 ZIP形式で提供され、解凍すると「 vmware-marvin-X.Y.Z-<Build No>.vib 」という名称の ESXi 用ソフトウェアが含まれています。
  • EVO:RAIL <X.Y.Z> Appliance RPM : vCSA にインストールする EVO:RAIL Engine のコアソフトウェアです。 RPM 形式で提供されます。
  • ESXi <Version> Offline Bundle : EVO:RAIL のバージョン毎に動作互換確認済みの ESXi 用アップデートファイルが提供されています。  ZIP 形式で提供されます。
  • VMware vCenter Server <Version> Appliance : EVO:RAIL のバージョン毎に動作互換確認済みの vCSA 用アップデートファイルが提供されています。  ZIP 形式で提供されます。
  • vRealize Log Insight Upgrade Bundle : EVO:RAIL のバージョン毎に動作互換確認済みの Log Insight 用アップデートファイルが提供されています。  PAK 形式で提供されます。

・バージョンアップの実施

バージョンアップは EVO:RAIL DCM で行います。
ダウンロードしたアップデート用のパッチファイルを EVO:RAIL システムにアップロードすると次の様なチェックボックス形式の更新画面が表示されます。
02_VerUp
ITインフラ管理者の操作は「ファイルのアップロード」→「チェックボックスのOn」→「更新ボタンのクリック」の 3 ステップのみで EVO:RAIL のバージョンアップは完了します。
03_VerUp
バージョンアップの間、各 ESXi ホストの再起動が必要な場合には、自動的に稼働する仮想マシンを別ホストへオンライン移行( vMotion )しながらホストのバージョンアップが実施されます。
そのため、仮想マシンを利用するユーザーのシステムに影響を与える事なく、サービスをオンラインのままEVO:RAIL アプライアンスのメンテナンスは自動で行われます。
弊社にて実際にバージョンアップの所要時間を検証したところ、全 ESXi サーバを順にバージョンアップ・再起動、及び vCSA のバージョンアップが行われ、 1 アプライアンス全体の更新は約1時間で完了しました。
一連の作業は、最初の更新ボタンをクリックしてからは自動バージョンアップとなるため非常に簡単で、仮想化環境のバージョン管理という IT インフラ管理者にとって非常に負担の大きい運用も、 EVO:RAIL を利用する事で大幅な負荷低減が可能なると考えられます。

・EVO:RAIL のアプライアンス追加・拡張

EVO:RAIL にはこのようなバージョンアップだけでなく、アプライアンスの追加作業、故障した ESXi ホスト・パーツの交換作業も EVO:RAIL DCM が簡単なインターフェースを提供しています。
EVO:RAIL を導入する事で初回の 15 分セットアップだけでなく、導入後の運用においても 10 分弱でのアプライアンス追加、そして故障したホスト・パーツの交換作業が可能になります。
実際に EVO:RAIL を拡張する場合はどのような作業をするか、簡単にご紹介します。
まず、既存の EVO:RAIL システムが接続された 10G ネットワークスイッチに追加の EVO:RAIL アプライアンスを接続し、電源を投入します。
すると、 EVO:RAIL Engine が追加のアプライアンスからの信号を検知し、 EVO:RAIL DCM の画面上に追加アプライアンスの検出と「 EVO:RAIL アプライアンスの追加」ボタンを表示します。
04_追加アプライアンス検出_1
ITインフラ管理者が行うアプライアンスの拡張操作は、「 EVO:RAIL アプライアンスの追加」ボタンを押し、次の画面で各 ESXi ホストに割り当てる管理ネットワークの IP アドレスを指定し、パスワードを入力するだけです。
※ IP アドレスは既存ホストの各管理ネットワークと同一 L2 ネットワークで指定します。
05_追加アプライアンス拡張
簡単すぎるかと思いますが、アプライアンスの追加作業で IT インフラ管理者の操作は以上です。
「アプライアンスの追加」ボタンを押してから所要時間約 5 分で、 vCenter Server Appliance に追加のESXi ホストが登録され、 VSAN データストアを含めてオンラインで拡張されます。
06_追加アプライアンス拡張後
もちろん、アプライアンスの拡張後は上の画面の様に、 EVO:RAIL DCM にアイコンが追加され、統合された管理が提供されます。

・EVO:RAIL の国内事例のご紹介

日本国内でいち早く EVO:RAIL を利用したシステムを導入したお客様の事例をご紹介します。

・福岡ひびき信用金庫様
福岡ひびき信用金庫様が取り組む仮想基盤上で稼働する業務系システムの災害対策サイトの構築。それを実現したのがコンパクトな 2U サイズの垂直統合製品「 EVO:RAIL 」でした。
福岡ひびき信用金庫様が抱えていたITインフラの課題、

  • 災害対策サイトを構築するうえでコストと手間
  • 外部ストレージ不要の遠隔地の DR システム自体の管理負荷の削減
  • 既存の vSphere 製品との親和性

これらを解決するために EVO:RAIL を災害対策サイトのシステム基盤に導入しました。
Hibiki_case_1
その効果は、

  • 運用管理コストを 10 分の 1 に削減
  • IT 初心者からベテランまでが使いこなせるシンプルなアプライアンスで少人数のチームで DR サイトが構築可能に
  • 災害発生時のいざという時は 2U のアプライアンスなので物理的な移動も可能に

等々、 3 番目は今までにないユニークな運用想定ですが、従来型のシステム基盤では実現が難しかった「可搬性」というものも EVO:RAIL では可能になるのかもしれません。
Hibiki_case_2
より詳細な事例情報、 PDF 資料のダウンロードは以下のURLを参照ください。
http://www.netone.co.jp/report/case/case_20150402.html

・朝日インタラクティブ様
ZDnet Japan や CNET Japan などの多くのオンラインメディア系 Web サイトを展開・運営する朝日インタラクティブ様は、高さわずか 2U (約 8.9cm )の「 EVO:RAIL 」 1 台の仮想環境上に既存のシステム、運営 Web メディアの約50台の物理サーバや社内業務システムを集約しました。
朝日インタラクティブ様が抱えていた IT システムの課題は以下のような点でした。

  •  毎年発生する既存サーバの保守、更新コストと、少人数体制の運用負荷削減
  • データセンターのハウジングコスト削減
  •  運営 Web メディアの可用性の向上

朝日インタラクティブ様においても、多くの企業のITインフラ管理者の課題でもある運用負荷と TCO を削減し、効率の良いシステム導入で高い ROI を得る事が命題でした。
asahi_1
今回、朝日インタラクティブ様では EVO:RAIL の導入により以下の効果を上げる事が出来ました。

  • ハウジングコストやサーバ保守コストからなる運用コストを 50% 削減
  • EVO:RAIL DCM の簡易な操作性で運用担当者の負荷を大きく軽減
  • 非常に高い稼働率が求められる運営 Web メディアの可用性を向上
  • 新規サービスの試験環境を迅速・簡単に準備可能

より詳細な事例情報、 PDF 資料のダウンロードは以下の URL を参照ください。
http://www.netone.co.jp/report/case/case_20150430.html

・おわりに

仮想化の基本でもあるサーバ仮想化統合は物理サーバから仮想サーバへの移行だけではなく、数年前に導入したシステム基盤上で稼働する仮想サーバのリプレイスでも需要が増えています。
数年前と比較して数倍に高性能化し、かつハイパーコンバージドと呼ばれる新しい形態の仮想化基盤を活用する事で、より効率的な統合が可能になりました。
従来システム基盤からのリプレイスをご検討の方は、ぜひ EVO:RAIL の活用を検討して頂ければと思います。
ネットワンシステムズでは、仮想デスクトップをはじめ、様々なソリューションを EVO:RAIL と組みあわせた評価検証を行い、お客様に最適なシステムをご提案しております。
詳しくは以下のサイトで最新の EVO:RAIL 情報をご覧いただき、ご不明点は弊社までお問い合わせください。
http://evo.netone.co.jp/