ご存知の方も多いと思いますが、中堅・中小企業のお客様向けの新しいストレージ ソリューションである VMware vSphere Storage Appliance (VSA) が vSphere 5.0 から利用可能になっています。先日、VSA がより使いやすくなる変更点が1つ発表されましたので、本日のエントリではそちらを紹介したいと思います。
内部ストレージを利用して共有ストレージを作り出す
まず、VSA をご存じない方も多いと思いますので、VSA を簡単に紹介します。
vSphere HA や vMotion のような vSphere のコア技術を利用するためには共有ストレージの利用が前提になりますが、中堅・中小企業のお客様にとっては、外部ストレージ装置の導入が負担になる場合があります。 その理由としては、装置の設定などストレージの専門知識を新たに習得しなければならないという点や、ストレージ装置購入に伴うコストの増加が挙げられます。
VSA は、専門知識やコストの面からストレージの導入を困難と考えている中堅・中小企業のお客様に適した製品です。VSA を用いると、サーバの内部ストレージを利用して共有ストレージを作り出すことができます。これにより、外部ストレージ装置が無くても、vSphere HA や vMotion などを利用して仮想化のベネフィットを引き出すことができるようになります。
VSA を利用されるお客様は、2 つか 3 つの新しくインストールされた ESXi 5.0 ホストが必要になります。各ホストには、インストーラによって VSA の仮想アプライアンスが自動的にデプロイされます。これらのアプライアンスが各ホストに共有ストレージ (NFS データストア)を提供します。
RAID 10 に加え、RAID 5 & 6 を新たにサポート
すべての VSA のデータは、 2 つのレベルでデータが保護されています。その 1 つがサーバのローカル RAID で、ディスク障害からの保護を実現しています。
今回改善が行われたのは、このローカル RAID の部分です。ローカルストレージは RAID 10 構成のみがサポートされていたのですが、その要件が緩和されました。現在では、RAID 10 に加えて、RAID 5 と RAID 6 構成がサポートされています。
これにより、より多くのストレージ容量を共有ストレージ(NFS データストア)として利用できるようになりました。この改善は、VSA の多くの潜在顧客からの機能リクエストでした。
なお、もう 1 つの保護は、サーバ間でのネットワーク ミラーリングで、ノード障害からの保護を実現します。VSA は、ローカル ストレージを 2 つのボリュームに分割することで、データのレプリケーションと冗長性を管理しています。そして、複製されたボリュームを NFS ボリュームとして、VSA クラスタ上に存在する全ての ESXi ホストからアクセスできるようにします。これらはインストーラにより自動的に行われます。
VSA の管理は、VSA Manager から行います。VSA Manager は、vCenter Server 5.0 のエクステンションであり vCenter Server マシンにインストールすることができます。VSA Manager が有効化されると、vSphere Client から VSA Manager のタブが見えます。VSA Manager は VSA クラスタをデプロイし、その後監視する際に使われます。
製品にご興味のある方は、ウェブサイトから製品の詳細をお確かめください。今すぐ試用版を 60 日間無料でお試しいただくこともできます。