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vSphere 5.5 の新機能紹介 ネットワーク2 (トラフィックのフィルタリングとマーキング)

このBlogは、製品出荷前バイナリ及びマニュアルをベースに記載しています。出来る限り正確な情報をお伝えするよう努めておりますが、実際に製品に搭載される機能や表示と異なる可能性があります。あらかじめご了承の上ご利用下さい。
今回は先日発表されましたVMware vSphere 5.5 で追加されたネットワークの新機能のなかから、トラフィックのフィルタリングとマーキングの概要をご紹介します。vSphere 5.5 では、分散仮想スイッチ(vDS)のポートグループレベルでトラフィックのフィルタリングとマーキング機能を実装します。フィルタリング機能は、物理スイッチのアクセスコントロールリスト(ACL)に相当するものとなり、パケットヘッダに基づいてトラフィックをコントロールしセキュリティを確保します。マーキング機能は、重要なトラフィックにタグ付けを行い、付与されたタグをもとに物理ネットワーク上でトラフィックを優先制御することで、End-to-End でサービス品質を確保します。

■特徴
・分散仮想スイッチ(vDS)のポートグループ単位で設定を行います。
・対象となるトラフィックを、MACアドレス、IPアドレス/プロトコルタイプ/ポート番号 、システムトラフィックから指定します。
・入力または出力、あるいはその両方をフィルタリング対象として選択します。
・マーキングでは、Differentiated Service Code Point (DSCP)、及び802.1p Class of Service (CoS)で定義されたタグを付与できます。
・仮想マシンにより近いポイントとなる分散仮想スイッチでフィルタリング及びマーキングを行うことで、End-to-End でのセキュリティとサービス品質を確保します。

なお、VXLAN 環境で付与されたDSCP タグは、オリジナルのIPヘッダからVXLAN でカプセル化した際に付加されるIPヘッダにコピーされるため、物理ネットワーク上でタグを認識し優先制御を実施することが可能です。

下記のキャプチャから、両方のIPヘッダ内にDSCP タグがセットされていることが確認できます。

■設定
「ネットワーク」で適用する「ポートグループ」を選択し、「管理」-「設定」-「ポリシー」画面で、「編集」を選択します。ポートグループの設定画面で、「トラフィックのフィルタリングとマーキング」を選択します。ステータスを有効にし、ルールを追加します。

フィルタリングを実施する場合は、「許可」もしくは「ドロップ」を選択します。マーキングを行う場合は、「タグ」を選択します。

タグを選択した場合、CoS もしくは、DSCP の値をセットします。

フィルタリングもしくはマーキングの対象となるトラフィックを指定します。

システムトラフィック、MACアドレス、IPアドレスの詳細を定義します。システムトラフィックでは、あらかじめ定義されたトラフィックを選択します。

以上、vSphere 5.5 のトラフィックのフィルタリングとマーキングの概要をご紹介いたしました。