皆様こんにちは。VMwareの進藤と申します。

昨年の VMworld では NSX の正式発表で大変盛り上がりましたが、今年の VMworld でもNSX 関係は大いに盛り上がっていました。基調講演では 、 マイクロ セグメンテーションによるデータセンタ ネットワークのセキュリティ向上のためにNSXを採用するケースが急激に増えており、キラーアプリケーション化している事が取り上げられていました。今年も50 以上の NSX 関連 Break Out セッションが開催され、NSX のハンズオンラボは昨年に引き続き今年も最も人気のあるハンズオンラボとなり、その関心度の高さを示す結果となっていました。

また、今回NSX 6.1 の新機能の発表もあり、Edgeルータでの等コストマルチパス(ECMP)ルーティングのサポート、DHCP Relayのサポート、vCloud Automation Center (vCAC) 6.1とのより密な統合、などが発表になりました。
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今年のNSX関連の Breakoutセッションは、 NSX入門からルーティング、ファイヤーウォールなどの各種機能のDeep Dive、ユースケース紹介、3rdパーティ製品との連携、運用&トラブルシュート、さまざまなデモ、技術者認定資格、今後のNSXの方向性まで、非常に広範囲に渡っていましたのが印象的でした。

50以上あるセッションを一人で回るのは不可能でしたので、以下、私が参加したセッションのうちいくつかを簡単にご紹介したいと思います。

NET 1589 Reference Design for SDDC with NSX & vSphere

こちらのセッションは vSphere環境でNSXを使う際の設計上のベストプラクティスとリファレンスデザインについての解説をしてくれるセッションでした。NSXをvSphere環境で使う際の設計上の考慮点について、これまでさまざまなお客様でNSXを導入した際の経験から得られた知見を元に、どのようにNSXを適用すべきかを解説してくれていました。具体的にはNSX Edgeをどのように配置すべきか、論理ルーティングのトポロジー、典型的な企業ネットワークとクラウドのようなマルチテナント環境でのトポロジー設計の違い、分散ファイヤーウォールを使ったマイクロ セグメンテーションの実現方法など、それぞれのシナリオにおいて最も適切と思われる設計指針を示してくれていました。もちろん実際にはお客様の要件に応じて 設計を変更する必要があるかもしれませんが、このようなリファレンスデザインが示されれば、 よりスムーズなNSXの設計とデプロイメントにつながるので大きな意義があると思います。

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 NET1674 Advanced Topics & Future Directions in Network Virtualization with NSX

MPLSの父の一人とされているBruce Davieが、今後のNSXで取り組んで行く幾つかの方向性について熱く語りました。大きなトラフィックフローと小さなトラフィックフロー(ElephantフローとMiceフローとも呼ばれます)を区別し、適切な処理をすることによるネットワークの最適化手法とその効果 、Geneveを含む 各種トンネル 方式 、次世代ネットワークで必要となるサービス・チェイニング、マルチサイトにおけるネットワークの仮想化、MPLSとNSXの連携、など幅広いトピックをカバーしていました。1,000人ほどの会場がほぼ満席という状態で、人気のほどを伺わせるセッションでした。
image003NET1949 VMware NSX for Docker, Containers & Mesos

こちらのセッションでは、vSphere、NSX、VSAN、OpenStackといったSDDC環境基盤上に、DockerとApache Mesosを使って伸縮性のある(elasticな)アプリケーション環境を実現するデモンストレーションを行っていました。今回のデモでは、 VoIPソフトウェアであるMarathonでコールを受け、その発信元の 電話番号をDatabaseに蓄え、後にその番号に対してSMSでメッセージを送るというアプリケーションをSDDC環境上に用意してありましたが、この環境はコール数に応じて MarathonとDatabaseがDockerでelasticに生成され、負荷に柔軟に追従できるようになっていました。実際に会場の参加者から電話をかけてもらい、このアプリケーションがコール数によって動的に伸縮するのをお見せするともに、その場でこのアプリケーションのコードを書き換え、Dockerの機動性を利用してその場で新しいアプリケーションをデプロイしてみせる、といった俊敏性も見せていました 。Dockerの各インスタンスはNSXが提供するセキュリティで保護されており、物理ネットワークに全く触る事なく、このようなアプリケーションを柔軟かつ俊敏に利用できるSDDC環境に会場からは拍手が湧いていました。
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■来年にむけて
例年にも増してVMworld 2014では新しい発表がてんこ盛りでした。おかげさまで非常に多くの方に足を運んでいただく事ができ、大盛況のうちにイベントを終える事ができました。来年のVMworldでも、さらに進化をした ヴイエムウェアを皆さんに見ていただく事ができると思いますので、是非VMworld 2015にも足を運んでいただければと思います。また、11月5〜6日に東京で行うvForumもございますので、そちらでもお会いできる事を楽しみにしております。

■ご注意
VMworld 2014速報ブログシリーズでは、USで開催されているVMworld 2014について現地から速報でお届けしています。

発表時点での予定情報であり、本ブログに記載されている製品仕様やロードマップは将来予告無く変更になる可能性があります。