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VMware Aria Automation をサブスクリプションで利用する際の課金カウントについて

VMware のクラウド管理製品である VMware Aria(旧 vRealize)シリーズでは、2020 年からサブスクリプション形式ライセンスのご提供を開始しました。サブスクリプション形式のライセンスでは、変化の激しい昨今のクラウド管理に合わせてお客様環境での柔軟な導入や利用を可能とするため、利用量に応じた課金を実施しています。

そこで、あらかじめ購入いただいたライセンス量の範囲内で適切に弊社製品をご利用いただき、意図しない超過料金の発生を防ぐためにも、弊社製品がどのように利用量をカウントしているのか、理解を深めていただく一助になりましたら幸いです。

(本記事は、Tom Gillaspy による ブログ の抄訳に加筆したものです。)

 


 

はじめに

お客様が VMware 製品をサブスクリプションで導入し、利用するようになると、各製品が課金対象となるリソースをどのようにカウントしているかを理解することがますます重要になります。

本記事では、VMware Aria Automation(旧 vRealize Automation)でのカウント方法についてご紹介します。

 

何をカウントするのか?

Aria Automation はマルチクラウド管理に対応した自動化プラットフォームであることから、ネイティブパブリッククラウド(NPC)と VMware Cloud の 2 種類の環境を考慮する必要があります。

NPC のリソースには、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azure のネイティブリソースが含まれます。

VMware Cloud のリソースには、オンプレミスと VMware SDDC ソリューションの両方が含まれます。後者は VMC on AWS、Azure VMware Solution(AVS)、Google Cloud VMware Engine(GCVE)、Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)が該当します。

各タイプのリソースは類似のものではありますが、カウント方法に若干違いがあります。

 

NPC のリソースは、OSI(Operating System Instance)としてカウントされます。本記事の投稿時点では、課金対象となる NPC リソースは仮想マシン(VM)だけです。1 台の VM は 1 つの OSI としてカウントされます。

※補足:「VM」には AWS では EC2 インスタンス、Azure では Azure VM、GCP では Compute Engine インスタンス が該当します。

 

vSphere リソースの場合は、ライセンスやカウント方法を考慮する必要があります。Aria Automation を Aria Universal Suite(旧 vRealize Cloud Universal)ライセンスで使用する場合と、スタンドアロンで使用する場合では、vSphere リソースのカウント方法に違いがあるためです。

Aria Automation を Aria Universal Suite などのバンドルの一部として購入する場合、vSphere リソースは CPU の物理コア単位でカウントされます。

一方で、Aria Automation を単体で購入する場合は NPC リソースと同様に、各 VM は OSI として見なされます。VM のサイズは関係なく、各 VM は 1 つの OSI としてカウントされます。

 

本記事の投稿時点では、課金対象となるリソースは、Aria Automation によりデプロイされた、または Aria Automation にオンボードされた VM のみです。デプロイまたはオンボードされたリソースは、そのリソースが実行されているかどうか(VM の電源状態がオンまたはオフ)にかかわらず、課金対象としてカウントされます。

※補足:「オンボード」とは Aria Automation を介在しない別の方法(例:vCenter からデプロイした、など)でデプロイされた VM を Aria Automation の管理配下にインポートする操作を指します。
(ご参考:Cloud Assembly でのオンボーディング プランについて

 

なお、Aria Automation 上で発見されたリソース(オンボードされていないリソース)と不明状態のリソースは、課金対象にはなりません。

また、課金対象となるリソース数を削減するために、オンボードリソースの登録を解除する Day 2 アクションがあります。
(ご参考:Cloud Assembly 環境で実行できるアクション – 登録解除

 

NPC リソースのカウント方法

すべての NPC について、課金対象となるリソースは容易にカウントできます。Aria Automation の Web ユーザインタフェースにアクセスして、Assembler(旧 Cloud Assembly)のメニューを開き、[Resources(リソース)] にある [Virtual Machines(仮想マシン)] を選択して、フィルターアイコン(次の画像でハイライトされている部分)をクリックします。

 

表示されたフィルターメニューの [Cloud Types(クラウド タイプ)] で任意の NPC を選択し、[Resource Origin(リソース オリジン)] で [Deployed] および [Onboarded] を選択します。なお、[Deployed] や [Onboarded] に該当するリソースがない場合、これらのオプションは [Resource Origin] に表示されません。

フィルタした結果として表示された VM が Aria Automation の課金対象としてカウントされ得るものとなります。

なお、上記の例では、1 つの OSI としてのみカウントされ、Missing(不明)状態のリソースは課金対象にカウントされないことに注意してください。

 

vSphere リソースのカウント方法

前述のとおり、vSphere の請求可能リソースをカウントする場合、Aria Automation の購入方法を考慮する必要があります。

Aria Automation をバンドルの一部として購入した場合、vSphere の請求対象になるリソースは Cloud Zone(クラウドゾーン)を見ることで確認できます。なお、この確認方法を実施するには Aria Automation と VMware Aria Operations(旧 vRealize Operations)の統合を構成する必要があります。
(ご参考:vRealize Operations Cloud との統合

請求対象となる使用量をカウントするには、vSphere の Cloud Zone(クラウド ゾーン) を選択し、[Insights(情報)] タブをクリックします。使用量は次の画像のように CPU タイルに表示されるコア数です。請求可能な総数をカウントするには、VM がプロビジョニングされているすべての Cloud Zone を考慮する必要があります。

※補足:Aria Operations との統合が構成されていない環境ではこの画面は表示されません。

 

Aria Automation スタンドアロン用の VM を数値化するには、NPC VM と同じ手順で行います。

Aria Automation Assembler の [Resources(リソース)] にある [Virtual Machines(仮想マシン)] を選択し、フィルターアイコンをクリックします。

Graphical user interface, applicationDescription automatically generated

 

[Cloud Types(クラウド タイプ)] で [vSphere] を、[Resource Origin(リソース オリジン)] で [Deployed] および [Onboarded] を選択します。[Deployed] や [Onboarded] に該当するリソースがない場合、これらのオプションは表示されません。

Graphical user interface, text, application, emailDescription automatically generated

フィルタした結果として表示された VM が Aria Automation の課金対象としてカウントされ得るものとなります。

 


 

ご参考情報

Aria Automation の Free Trial

  • ハンズオン ラボ(Hands-On Labs)
    • ハンズオン ラボのカタログ一覧ページで「Aria Automation」と検索して Aria Automation のハンズオンカタログをお探しいただけます。
    • こちらでは、オンデマンドに払い出されるクローズドな環境を Web ブラウザ経由でご利用いただき、オンプレミス版の Aria Automation をお試しいただけます。
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    • 製品紹介ページの「無償の製品評価をリクエスト」ボタンから、Aria Automation の製品評価をリクエストしていただけます。
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