Home > Blogs > VMware Japan End-User Computing Blog > タグ別アーカイブ: IoT

タグ別アーカイブ: IoT

AirWatch コラム 〜Vuzix スマートグラスとAirWatchの連携〜

AirWatch コラム 〜Vuzix スマートグラスとAirWatchの連携〜

皆様、こんにちは。

2016年10月4日(米国時間)にVMware Inc.が発表した「スマートグラス対応のVMware AirWatch統合ソリューション」の内容についてご紹介させて頂きます。

VMwareが考えている統合エンドポイント管理(Unified Endpoint Management:UEM)ソリューションの管理対象としてウェアラブルデバイスが含まれ、スマートグラスも管理できるように支援することを発表し、合わせてAPX Labs社、Atheer社、Intel社、ODG社、Vuzix社の5社と協業も発表しました。

ニュースリリース(日本語訳)

VMware拡張現実(AR)と複合現実(MR)の両体験の管理を可能にする業界初、スマートグラス対応のVMware AirWatch統合ソリューションを発表

日本においては、スマートグラスのトレンドはまだ先だと思っておりましたが、最近先進的なお客さまやパートナーさまの中では、採用を検討されているようなケースが増えてきております。スマートグラスを企業の業務で活用する上での目的は、生産性およびサービスクォリティの向上や特別なスキルを持った方のナレッジシェアの活用など上げられます。また、ハンドフリーになることで、様々な業務の効率性を上げる事が出来ます。例えば、これまで紙ベースやタブレットのマニュアルを参照しながら作業していた事が、スマートグラスに表示させる事で場所や状況にとらわれず作業を行う事が出来ます。ある米国のアナリストの発表では、「2025年に1400万人以上の米国人労働者がスマートグラスを使用し、2025年までに300億ドル以上をスマートグラスのハードウェアに費やすことになります。」という予想もありました。今後のスマートグラスの市場の盛り上がりを期待してみてはいかがでしょうか?

さて今回は、協業を発表した5社の中で、Vuzix社のスマートグラスで動作確認した内容を皆さんにご紹介させて頂きます。

まず、Vuzix社のスマートグラスですが、AR(Augmented Reality : 拡張現実)の技術を利用しております。ARは、現実空間に付加情報を表示させ、現実世界を拡張する技術で、皆さんの身近なところでは、ポケモンGOの中で使われている技術だといえば分かりやすいと思います。

Vuzix社はこちら

では、スマートグラスが企業の業務の中でどのように活用されるかのユースケースを考えてみましょう。ユースケースは、業種業界問わず利用する事が出来ると考えられております。

ユースケースの例

  • 機械メンテナンス
  • リモート作業支援(工場、データセンター、など)
  • 物流等で物品のピッキングや仕分け作業
  • 水道・ガスでの点検
  • 保険 事故現場の検証立会いのリモート支援
  • 金融店舗での接客対応(窓口業務の簡素化)
  • リモート店舗販売支援
  • 医療業界や教育期間で、MR(Mixed Reality:複合現実)を活用した研修

様々なユースケースが想定される中で、スマートグラスを企業で利用していく上で次の事を考慮する必要があります。

  • スマートグラスからの企業ネットワークへの直接アクセスが発生するため、エンドポイントとしての管理が必要になる
  • スマートグラスではアプリをどのように利用していくか?が成功の秘訣となり、社内の様々な基幹システムや業務システムへアクセスし連携して動作させる事が予想される
  • 社給デバイスとして管理区分されることが見込まれるため、IT部門でのアセット管理やキッティング義務が発生することも予測される

私も、Vuzix社のカンファレンスの中でスマートグラスを活用したアプリケーション開発のベンダー様と会話しましたが、セキュリティ面での懸念からスマートグラスの管理の必要性と、スマートグラスの操作は小さなモニタから細かな設定を行う事は困難であるため、キッティングや管理の簡素化が必要であるという意見を多く頂きました。

そこでVMwareでは、これらの考慮点をAirWatchの技術によって解決し、次の機能を提供致します。

  • シンプルなキッティング方法の提供
    1. 専用インストールパッケージ(ステージングパッケージ)によるAirWatchへの加入
    2. ユーザ・パスワードなしでのシンプルな加入プロセス
  • リモート管理の提供
    1. プロファイルによる構成管理
    2. アプリケーションの配信・アップデート・削除

これらの機能の提供により、スマートグラスを活用する上で必要な運用をシンプルにする事やAirWatchが元々持っている高いセキュリティを担保する事が可能となります。

それでは、動作確認について実際の内容をご紹介いたします。

(本ドキュメントでの手順は、AirWatchをご存知の方を前提としており、一部作業を省略している部分がございますので、予めご了承ください。また、本内容のベースは、myAirwatchサイトにあるVMware AirWatch Integration with Smart Glassesドキュメントとなります。)

 環境

  • Vuzix M100 (Firmware Version : 2.7/Android OS 4.0.4ベース)

01

事前準備

AirWatchにスマートグラスを加入するための組織グループを作成し、事前設定を行う必要があります。以下、作業はすべて、作成した組織グループでの設定となります。

組織グループ:Smart Group

グループID: SmartG

1, 自動加入の為に加入規約を無効にする

グループと設定>すべての設定>デバイスとユーザー>全般>加入>利用規約より”加入利用規約への同意を必須とする”のチェックボックスを外す(チェックがついている場合は、オーバライドして外す)

02

2, 自動加入の為のすべてのプロンプト処理を無効にする

同様にグループと設定>すべての設定>デバイスとユーザー>全般>加入>プロンプト表示(オプション)より、すべてのチェックボックスを外す(チェックがついている場合は、オーバライドして外す)

03

3, 通知サービスをAirWatch Cloud Message(AWCM)に変更する

グループと設定>すべての設定>デバイスとユーザー>Android>エージェント設定から、“AWCM を C2DM/GCM の代わりにプッシュ通知サービスとして使用”を有効に選択(無効の場合は、オーバライドして外す)

04

4, 侵害対策検知を無効化する

グループと設定>すべての設定>アプリ>設定とポリシー>セキュティポリシーから”侵害対策”を無効に選択(有効の場合は、オーバライドして外す)

05

APFファイルの入手

APFファイルは、AirWatchへシンプルな加入を行う為のファイルで、以下に内容が含まれております。

  • AirWatch MDM Agent
  • Vuzixサービスアプリケーション(機能拡張の為に、拡張APIが含まれたアプリケーション)
  • 加入に必要なスクリプト

Vuzix スマートグラス用APFファイル(AirWatchAgent_<version番号>.apf)は、myAirwatchから入手する事が出来ます。

APFファイルをAirWatchコンソールへのアップロード

APFファイルをAirWatchコンソールへのアップロードには、“カスタマー“タイプの組織グループから行う必要があります。AirWatch SaaSで準備された環境の最上位(ルート)の組織グループタイプは“カスタマー“タイプの為、通常はルートからのアップロードを行います。

アップロードプロセスは、デバイス>代理加入セットアップとプロビジョニング>コンポーネント>エージェントパッケージから行います。

1, 上位の”エージェントパッケージの追加”を選択

2,  “Android”を選択

3, “アップロード”からファイルを指定

4, “保存”を選択

06

リストから確認

07

加入ユーザーの作成

事前準備と同様に作業は、作成した組織グループ(今回は組織グループ:Smart Group , グループID: SmartGとして構成)の階層で設定を行ってください。

アカウント>ユーザー>リスト表示から、”追加”から”ユーザーの追加”を選択し、必要項目を入れて”保存”を選択

08

Wi-Fiプロファイルの作成

AirWatchに加入する場合、Wi-Fiの設定を行いネットワーク疎通の後、加入処理を行う必要があります。AirWatchの自動加入には、予めWi-Fiプロファイルを準備し、加入プロセスに含める事が出来ます。

設定は、デバイス>代理加入セットアップとプロビジョニング>コンポーネント>プロファイルから行います。

1, 上位の”プロファイルの追加”を選択

2, “Android”を選択

3, 全般から”名前”を任意に指定

4, “プロファイルスコープ”を”両方”に指定 *”両方”に指定する事で、加入後も利用可能となります。

09

5,  Wi-Fiから”SSID”、”セキュティタイプ”および”パスワード”を入力

6, ”アクティブなネットワークとして設定 ”にチェックをつけて保存する

10

ステージングパッケージの作成

ステージングパッケージとは、デバイスにサイドロードするためのパッケージです。このステージングパッケージをAirWatchコンソールから作成する事で、スクリプトのキックを1回行うだけで、AirWatchに加入させる事が出来ます。

ステージングパッケージには、以下が含まれています。

  • AirWatch MDM Agent
  • Vuzixサービスアプリケーション
  • 加入に必要なスクリプト
  • 加入に必要な構成パラメータ

設定は、デバイス>代理加入セットアップとプロビジョニング>代理セットアップから行います。

1, 上位の”代理セットアップを追加する”を選択

2, “Android”を選択

3, “名前”は任意

4, 所有者は、事前準備で作成した組織グループの“Smart Glasses”を選択

5, 全般より、“加入ユーザー”および“パスワード”は、先程作成したユーザー情報を入れる

6, .“エージェント“は、apfファイルのアップロードしたファイルの選択

11

7, マニュフェストより、”追加”から先程作成した、Wi-Fiプロファイルを指定し、アクションとして“プロファイルのインストールする”を選択し、保存する。

12

8, マニュフェストに追加され、ステージングパッケージを保存する

13

ステージングパッケージのダウンロードと構成

ステージングパッケージのダウンロードは、デバイス>代理加入セットアップとプロビジョニング>代理セットアップから、対象のステージングパッケージを選択し、右側の▼をクリックすると、“ステージングをサイドロード”を選択します。

14

加入する組織グループを選択し、“ダウンロード“を選択するとダウンロードが開始されます。

ダウンロードされたファイルは、Zipで圧縮されていますので、解凍してください。

Zip解凍後のフォルダ構造

親フォルダ     SideLoadStaging_<ステージングパッケージ名>_<グループID>

/Advancestaging/Job.bin                                    Wi-Fiプロファイルの情報

/Agent /AirWatchAgent.apk                               AirWatch Agent

/Agent /autoenroll.bat                                        Windows用加入スクリプト

/Agent/autoenroll.sh                                          Mac用加入スクリプト

/Agent/VuzixOEMService.apk                           Vuzixサービスアプリケーション

/Enrollment/credentials.bin                              加入情報

スクリプトの修正

Windowsの場合「autoenroll.bat」、Macの場合「autoenroll.sh」のファイルを修正

2行目に”.vuzix”と追加 *アプリパッケージ名が正しくありません。

com.airwatch.admin.awoem/com.airwatch.admin.awoem.PlatformOEMActivity → com.airwatch.admin.awoem.vuzix/com.airwatch.admin.awoem.PlatformOEMActivity

加入処理

加入プロセスは、次の通りとなります。

15

1, スクリプト起動の前に、M100をサイドロードする為のPC/Macへ接続

2, ターミナルを起動(Macの場合) *Android Debug Bridge(adb)がセットアップされている事が前提

3, デバイスが認識しているか確認

$adb devices

List of devices attached

M001001A3F  device          ←デバイスが認識

4, スクリプトをキック

/ SideLoadStaging_<ステージングパッケージ名>_<グループID>/Agentより

$./autoenroll.sh

以下、スクリプトの結果です。

[100%] /data/local/tmp/VuzixOEMService.apk

pkg: /data/local/tmp/VuzixOEMService.apk

Success

rm failed for -f, No such file or directory

Starting: Intent { act=android.intent.action.MAIN cmp=com.airwatch.admin.awoem.vuzix/.PlatformOEMActivity (has extras) }

[100%] /data/local/tmp/AirWatchAgent.apk

pkg: /data/local/tmp/AirWatchAgent.apk

Success

rm failed for -f, No such file or directory

Starting: Intent { act=android.intent.action.MAIN cmp=com.airwatch.androidagent/com.airwatch.agent.ui.activity.SplashActivity (has extras) }

[100%] sdcard/./credentials.bin

Broadcasting: Intent { act=com.airwatch.agent.action.IMPORT_CREDENTIAL_XML (has extras) }

Broadcast completed: result=0

[100%] sdcard/./job.bin

Broadcasting: Intent { act=com.airwatch.agent.action.IMPORT_JOB_XML (has extras) }

Broadcast completed: result=0

Broadcasting: Intent { act=com.airwatch.agent.action.AUTO_ENROLL }

Broadcast completed: result=0

加入の確認

デバイス>リスト表示から参照

デバイスの詳細は、ドリルダウンで可能

16

スマートグラスの画面より、Agent: AirWatch Agent およびAWアイコン:Vuzixサービスアプリケーションがインストールされます。(M100デバイスのコンソールから確認)

17

AirWatch Agent起動(M100デバイスのコンソールから確認)

18

加入後は、スマートグラス用に開発されたアプリケーションやデバイスプロファイルの配信をネットワーク経由で行う事で、運用をシンプルにする事が出来ます。なお、アプリケーションのインストールは、サイレントインストールが可能です。

 19

アプリケーションをAirWatchへ登録

アプリケーションはapkファイルを準備。今回は、Vuzix社よりリモート作業支援を行う為のサンプルアプリでWebRTCを登録します。

アプリとブック>アプリケーション>リスト>社内から”アプリケーションの追加”を選択

1, “アップロード”からファイルを指定

2, “保存”を選択

3, アプリがアップロードされたら、”続き”を選択

4, アプリ情報を必要に応じて追加ください。

20

5. アプリのアイコンを必要に応じて、変更出来ます。

21

6, “保存して割り当て“を選択

7,  割り当ての追加を行い、割り当てグループを指定します。

プッシュモード 自動:自動で配信  /  オンデマンド:任意のタイミングで配信

*本記事では、オンデマンドを選択

22

8, 最後に、”保存して公開”を選択

アプリケーションの配信

M100デバイスのアプリより、先程割り当てしたWebRTCアプリがリストされます。右にあるボタンをクリックする事で、アプリケーションをサイレントインストールする事が出来ます。

23

WebRTCアプリがインストールされた事、M100デバイスのコンソールから確認

24

動作確認出来た項目

  • デバイスワイプおよびエンタープライズワイプ
  • Agentへのメッセージ通知
  • アプリケーションのインストール・アップデート・削除
  • プロファイル(Wi-Fi設定)
  • 通知サービスをAirWatch Cloud Message(AWCM)での運用

*様々なプロファイルに構成管理が出来ますが、スマートグラスの特性上、各設定のユースケースが想像できなかった為、詳細機能確認は行っておりません。

まとめ

今回、Vuzix社のスマートグラスをAirWatchでどのように管理出来るか確認させて頂きました。スマートグラスのユースケースや製品の特性を考慮すると、少なくともデバイス管理の必要性があると皆様もご理解出来たのではと思われます。AirWatchはマルチデバイス・マルチOSをサポートし、管理に必要な様々な機能を提供する事が出来るので、重要な位置づけになるでしょう。

また、冒頭で記載した、統合エンドポイント管理(Unified Endpoint Management:UEM)は、IoTデバイス領域も含まれており、今後のAirWatchの技術の拡張がIoTを含めた様々なデバイスを管理できるようになる事を期待したいと思います。皆様も是非、スマートグラスを含めた様々なデバイスの今後の動向をウォッチしてみてはいかがでしょうか?

本ブログの内容は情報提供のみを目的としたもので、VMwareとしての正式な見解ではありません。また、モバイル製品の特性上、アップデート等が早い為、記載内容の動作・仕様が予告なく変更される事があります。最新の情報は、myAirwatchポータルサイトよりマニュアルをご参照ください。 myAirwatchへこちら