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月別アーカイブ: 2016年3月

Horizon 環境を Upgradeしてみよう

みなさま、初めまして。SEの兒玉(Kodama)です。

先日Horizon 7 がアナウンスされましたが、既存で Horizon (旧称  Horizon View )環境をお持ちのお客様はそろそろ新しいバージョンへのUpgradeもご検討されているのではないでしょうか。Upgrade後機能やパフォーマンスが向上していることもあります。例えば Horizon 6から、View 環境で公開デスクトップや公開アプリケーションも使え、利便性も大幅に向上しております。

Horizon 環境のUpgradeに関しては、View アップグレードガイドをみていただくことになります。ですが、vSphereの Upgrade と比べUpgrade対象コンポーネントも多く、実際どこから手をつけていいのか…とお困りのユーザさま、パートナーさまもいらっしゃいます。(前職で、実際わたしがそうでした…。)本記事では、この Upgrade マニュアルを読む前準備として、お役立ていただければと考えております。

※本記事の例では View 5.0 → View 6.2へのUpgrade(vCenter Server / ESXi / View Composer / Connection Server /View Agent)を前提にしております。

どこからUpgradeすればよいのか?

Horizon 環境をUpgradeするには
vCenter Server→ View Composer→ View Connection Server → View Agent → ESXi の順番でUpgradeしていきます。本例は View 5.0 から View 6.2 へのメジャーバージョンをまたいだUpgradeになりますので、少し注意が必要です。

View  アップグレード 6.2のマニュアルには下記のような記載があります。

〜マニュアル抜粋〜

Horizon 6 バージョン 6.2 へのアップグレードでは、次に示す旧バージョンの View コンポーネントがサポートされます。

■Horizon View 5.1 の最新メンテナンス リリース (5.1.3)
■Horizon View 5.2
■Horizon View 5.3 の最新メンテナンス リリース (5.3.4)

ということで…一旦 View 6.2と互換性のあるバージョンを経由する必要がありますので、 View 5.0 → 5.3.4 → 6.2という手順でUpgradeしていきます。経由バージョンをView 5.3.4 とした理由としては、 View 5 系の最新バージョンということで選択しています。

(作業時間/停止時間を考慮すると、一旦 View 5.3.4 でしばらく運用後 view 6.2 へ Upgradeすることも考えられますね。)

今回Upgradeする View 環境として以下の環境を想定してみました。

-vSphere基盤(ESXi 5.0 u3/vCenter Server 5.0 u3)
-View系(View Connection Server 5.0.0 /View Composer 5.0.0/ View Agent 5.0)

それぞれの役割については新卒ブログをご参照ください。

図1
図1 今回UpgradeするView基盤

コンポーネント間の互換性を確認しよう

Upgradeする際は、各コンポーネントのバージョン互換性をVMware Product Interoperability Matrixesで確認します。特にこちら3点の互換性を事前に確認しておくとよいでしょう。

-View Connection Server と vCenter Server
-vCenter Server と ESXi
-View Connection Server と View Agent

本記事では表1のように互換性をとりながらUpgradeしていきます。

表1:各コンポーネント Upgrade中のバージョン

対象製品 Upgrade前 経由するバージョン Upgrade後
ESXi 5.0 u3 6.0 u1
vCenter Server 5.0 u3 5.5. u3 6.0 u1
View Composer 5.0.0 5.3.4 6.2.1
View Connection Server 5.0.0 5.3.4 6.2.1
View Agent (Desktop) 5.0.0 5.3.4 6.2.1

ではUpgrade作業の流れを説明します。フェーズを2つにわけて進めていきます。

第1フェーズ:View 5.0.0 → View 5.3.4
第2フェーズ:View 5.3.4 → view 6.2.1

第1フェーズ: View 5.0.0 → View 5.3.4

1-1 vCenter ServerをUpgrade

ESXi 5.0 u3
vCenter Server 5.5 u3
View Connection Server 5.0.0
View Composer 5.0.0
View Agent 5.0.0

この1-1では vCenter Server 5.5.u3と View Connection Server 5.0.0の 互換性はありませんのですぐに1-2の作業 View Connection Serverと View Composerをあげます。

1-2 View 関連のUpgrade

ESXi 5.0 u3
vCenter Server 5.5 u3
View Connection Server 5.3.4
View Composer 5.3.4

View Agent 5.3.4

ここではView ComposerからUpgradeしていきます。この段階で、vCenter ServerとView Connection Serverの互換性がとれましたね。1-2 が終わった頃…作業時間もそこそこ長くなっているはずなので、ひとまず作業を中断して VDIのサービスを再開します。View 5.3.4 → View 6.2.1へのUpgrade作業(第2フェーズ)は、また作業できる時間をみながら実施してもよいでしょう。第2フェーズまでの間にView AgentのUpgradeは は順々に実施していくと、サービス停止の時間も短くできますね。

※1-2時点のESXi 5.0u3については vCenter Server 5.5 u3 / View 5.3.4と互換性があります。また次のフェーズで実施する vCenter Server 6.0u1と View 6.2.1とも互換性がありますので、フェーズ1ではESXiのupgradeは実施していません。

第2フェーズ: View 5.3.4 → View 6.2.1

第1フェーズと同様に vCenter Serverを6.0 U1へ View 関連を6.2.1へUpgradeします。

2-1 vCenter ServerのUpgrade

ESXi 5.0 u3
vCenter Server 6.0 u1
View Connection Server 5.3.4
View Composer 5.3.4
View Agent 5.3.4

2-2 View 関連のUpgrade

ESXi 5.0 u3
vCenter Server 6.0 u1
View Connection Server 6.2.1
View Composer 6.2.1

View Agent 5.3.4

2-3 ESXiのUpgrade

ESXiのUpgradeについては vCenter 5.5 u3でも vCenter 6.0 u1でも互換性がありますので、最後に残しておきました。DRSの機能を使いながら実施すると楽ですね〜

ESXi 6.0 u1
vCenter Server 6.0 u1
View Connection Server 5.3.4
View Composer 5.3.4
View Agent 6.2.1

1-2と同様に View AgentをUpgradeします。

まとめ

本例はシンプルな構成例ですが、View環境の簡単なUpgradeの手順をご紹介させてもらいました。View 5.x → View 6.x へのメジャーバージョンアップは、作業時間もそれなりかかってしまいますが、フェーズを分けることによって、停止時間を最小限にしてみました。また各コンポーネントの互換性確認が少し複雑ですが、ぜひ本記事が View 環境のUpgrade作業にお役に立てれば幸いです。

旧来の VMware Viewという製品名は Horizonに統一されました。本記事においてはマニュアル中の名称に沿って記載しております。あらかじめご了承ください。

VMware SE 兒玉伊佐央 (Kodama Isao)
(共同執筆 VMware SE 中村朝之)

新卒 2 年目 SE が贈る 仮想デスクトップのキソ!・ 第 3.5 回 ~ View Composer の仕組み ~

新卒 2 年目 SE が贈る 仮想デスクトップのキソ!・ 第 3.5 回 ~ View Composer の仕組み ~
はじめに
皆さんお久しぶりです!新卒 2 年目 VMware SE 野田です。3回目の記事でリンククローンについて少しふれましたが、リンククローンについてもう少し説明してほしい!とご要望が多かったため、リンククローン方式を使う場合のコンポーネントである ” View Composer ” の仕組みについてもう少し踏み込んでご紹介します。
それでは、仮想デスクトップの作成・再構成の仕組みからご紹介します。

プールの概念
第 3 章でも述べましたが、仮想デスクトップはプールと呼ばれる単位で管理します。各プールは「割り当て方式」と「仮想マシンの作成方式」の組み合わせによる、 4 通りの方法がありました。
EUC9_1
-図 1. 仮想デスクトップの作成パターン
その中でも、 View Composer の機能を用いた “ リンククローン方式 ” は仮想デスクトップの展開において、管理者の運用負荷を大幅に減らし、さらにストレージコストを最大限に抑えることができる方式です。

リンククローンの機能を提供する View Composer
EUC9_2
-図 2. View の構成図:リンクククローンは View Composer で提供される機能
図 2 は View を構成する全体像で、その中でも指で指し示してある View Composer がリンククローンの機能が使えるところです。つまり、リンククローン方式を使うのであれば View Composer が必須になります。リンククローン方式で得られるメリットは下記のようなものがあります。

◯ OS アップデートやパッチを素早く更新
◯セキュリティの向上
◯ストレージコストの大幅な削減

では、リンククローンはどのような仕組みで動いているのでしょうか。よく使われる機能が再構成とリフレッシュです。再構成とリフレッシュの説明をする前に、まずはリンククローン方式で作成される仮想マシンの仕組みについてご紹介します。

リンククローン方式による仮想マシンの作成
EUC9_3
-図 3. リンククローン方式でストレージコストが削減できる仕組み
フルクローン方式とは、名前からもご想像がつく通り、仮想マシンの完全な複製を作成することです。図 3 のように 9 台の仮想マシンを展開する場合、完全な複製を作成するので仮想マシン 9 台分のストレージの容量を消費します。では、リンククローン方式ではどうでしょうか。実は、リンククローン方式を使うと、レプリカ VM とその差分データの容量しか発生しないのでストレージの消費容量を大幅に抑えることができます。では、その仕組についてご説明します。

再構成の仕組み
リンククローンの機能で再構成というものがあります。これは仮想デスクトップのレプリカ VM を入れ替える機能です。例えば、現在展開している全ての仮想デスクトップにパッチの更新や OS の変更などを適用したい場合に使います。わかりやすく言うと、 OS にパッチを当てるときなどでは、マスター VM にパッチを当てた後、スナップショットを取得して、そのマスター VM を基に再構成を行うことで、展開した仮想デスクトップ全てがパッチを当てた後の状態になります。このように第 3 回の記事の仮想デスクトップの作成方法のところでもご紹介した、パッチ管理の簡素化、迅速な仮想デスクトップの構成変更が行えます。
EUC9_4
-図 4. 再構成時のディスクの使われ方
では、再構成を行った時、 vSphere 側ではどのような動きをしているのでしょうか。

EUC9_5
-図 5. 再構成時の vSphere 側の動き
図 5 のように再構成を開始すると、「 マスター VM のイメージ + スナップショット 」 = レプリカ VM が作成されます。そしてこのレプリカ VM が読み取り専用の仮想マシン ( レプリカ VM を共有利用するイメージ ) となって、複数の仮想マシンが展開されます。 vSphere 側から見ると仕組みが理解しやすいですね。容量に関しても、レプリカ VM と展開された仮想マシンの差分ディスクの容量しかかからないため、ストレージ容量の消費が抑えられます。
では次に、リンククローンの機能でリフレッシュと呼ばれる機能の説明です。

リフレッシュの仕組み
リンククローン方式で作成されたデスクトップは、ユーザーが操作する度に、その情報が差分ディスクに保存され、ディスクサイズがどんどん大ききなっていきます。このどんどん蓄積されていく差分ディスクの容量をリフレッシュで初期状態に戻します。つまり差分ディスクの拡大防止を行いストレージコストを抑えます。
EUC9_6
-図 6. 更新によって変わる差分ディスク容量
この機能、実はセキュリティを高める意味でも使われている機能です。ある一定期間に蓄積されたデータが更新によって全デスクトップ分きれいに削除されてデスクトップ展開時の初期状態に戻すことができます。よって定期的に更新をかけることで、セキュリティを高めた運用が可能です。

おわりに
View Composer の仕組みについて理解できたでしょうか。仮想デスクトップを展開する場合、このリンククローン方式を使うことによって運用管理が簡素化され、セキュリティも高めることができます。さらにリンククローン方式ではストレージコストも削減することができます。仮想デスクトップを作成する際はぜひリンククローン方式で作成してみてください!

新卒2年目社員が贈る 仮想デスクトップのキソ!
第1回 仮想デスクトップと Horizon 6 ( with View)
第2回 仮想デスクトップの基本構成
第3回 プール作成と割り当て
第3.5回 View Composer の仕組み
第4回 接続方法と接続元端末
第5回 公開アプリケーションのキソ
第5.5回 ThinAppによるアプリケーション仮想化のキソ
第6回 スケールアウト対応
第7回 完結編、仮想デスクトップと関連ソリューション総まとめ
第 8.1 回 App Volumes を使ってみよう その1
第 8.2 回 App Volumes を使ってみよう その2