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タグ別アーカイブ: 自動化

vCloud Automation Center 概要 ~IT部門に求められること~

IT部門に求められる代表的な要件はいつの時代も変わりません。すなわち、1)投資、運用の「コスト削減」、2) ITサービスの「俊敏性」と「柔軟性」の向上、3) 耐障害性、事業継続、ガバナンスといった「リスク管理」です。

特にITサービスの俊敏性といった面を見ると、まずインフラの提供に数日から数週間、その後のアプリケーションの提供に更に数週間から数ヶ月かかっているのがこれまで一般的でした。

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インフラの面だけを見ると、仮想化によるサーバー統合で、投資コスト削減、ならびに提供までの時間短縮による俊敏性向上はある程度は実現されますが、ITサービス全体で見ると、まだまだ人の手を介することが多く、サービス提供が遅い、運用コストが高い、標準化されていない、といった課題があります。

そこで更なるコスト削減やインフラ管理の効率化のため、プライベートクラウドを構築し、自動化を促進されているお客様も多いのではないでしょうか。

ただ、一言に自動化といっても、実施しなければならないことは以下に示す通り非常に多くあります。

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IT部門ではこれらを考慮し、既存のインフラ、ツールを利用しつつ、様々なユーザーのニーズに対応しなくてはなりません。

 

vCoud Automation Center (vCAC)は、これまで運用担当者による操作、現場で開発したスクリプト、そして機器やアプリケーション毎にバラバラに提供されている各種ツールを使用して実施していたこれら処理を自動化し、「サービスとしてITを提供」する事を可能にします。

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vCACの主な機能は以下の通りです。

  1. カタログからのインフラ/アプリケーション/カスタムサービスの展開および自動化
    • 標準化されたITサービスの展開
    • ユーザーへの迅速なサービス提供の実現
    • 自動化によるオペレーションミス、コンフィグレーションエラーの削減
    • 構築時に都度対応していたネットワーク/ストレージ/アプリケーションチームとの連携不要
  2. 複数のハイパーバイザー、クラウドコントローラ、および物理サーバを管理可能
    • vSphere、vCloud Director etc …
    • Hyper-V、KVM、Xen、Amazon etc …
  3. 新しいITサービス(XaaS)をウィザードから数分で作成し、即時ユーザーへ展開 (ストレージ/バックアップ/デスクトップなど)
  4. IT部門のガバナンスを効かせたクラウドサービスのライフサイクル管理機能を実装
    • 承認/回収/コスト等の承認ワークフロー機能を提供
    • 運用の集約による運用管理工数、コストの削減

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本ブログでは、vCACでできることをピックアップし、全4回に分けてご紹介していきます。

次回以降は以下の内容を予定しています。
2回目:vCACでできること (1) ~プロビジョニング~
3回目:vCACでできること (2) ~申請・承認~
4回目:vCACインストール概要

 

vCenter Orchestratorを使ってみる(2)

プライベートクラウド実現に向けた自動化のニーズ

みなさん、こんにちは。

Orchestrator に関する 4 回目になります。過去の記事を確認したい方は下記のリンクよりご確認ください。

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1 回目はこちら

2 回目はこちら

3 回目はこちら

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今回は、Orchestrator の統合化ということで Orchestrator を使って Active Directory 上のユーザーやグループを操作する場合を例をご紹介します。

今回は単純に Orchestrator から Active Directory 上にコンピュータを登録・削除するという非常に単純な方法をご紹介しますが、他のシステムと連携することでたとえば、[バーチャルマシンを複製] -> [Active Directory へ登録] や [バーチャルマシンを削除] -> [Active Directory 上のコンピュータオブジェクトの削除] 等といった運用上の作業を自動化することが可能になります。

なお、本画面はインターネット上で公開されているハンズオンラボ環境で実施しております。皆様ご自身で検証環境を作ることなく同様の操作を実施することが可能です。是非、本ブログの操作および Orchestrator のその他の機能を触ってみてください。

ハンズオンラボへのログイン操作方法は下記 URL をご確認ください。

登録方法 : http://blogs.vmware.com/jp-cim/2013/12/hol.html

今回、ご紹介する環境は ハンズオン ID : “HOL-SDC-1307 – vCloud Automation Solutions” 上で実施しておりますので、皆様も同様の動作を環境を構築することなくご確認いただくことが可能です。

1. Active Directory 上のコンピュータアカウントの作成

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1-1. ハンズオン環境にログインして、デスクチップ上の Orchestrator 管理画面を開きます。

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1-2. ログイン画面が表示されたら、[password] 欄に “vcoadmin” と入力して、[Login] ボタンをクリックします。

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1-3. Orchestrator 管理画面にログインできたら、左ペインの “Workflow” タブをクリックします。その後、[admin@vcac-w8-01a] – [Library] – [Microsoft] – [Active Directory] – [Computer] と順番にクリックします。

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1-4. “Create a computer in a group” を右クリックして、”Start workflow” をクリックします。

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1-5. [Parent group for the new computer] 欄の “Not set” をクリックします。

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1-6. [Filter:] 欄に “Computers” と入力し、”Computers” を選択し、[Select] ボタンをクリックします。

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1-7. [Name for the new computer] 欄に “VCOocks” と入力し、[Submit] ボタンをクリックします。(“VCOrocks” はコンピュータ名です。適宜、変更して入力していただくことも可能です)

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1-8. ワークフローが完了したら、右上の最小化ボタンで Orchestrator 画面を最小化します。

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1-9. デスクトップ上の “Active Directory” 管理画面をクリックして、開きます。

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1-10. “Active Directory” 管理画面が表示されたら、左ペインより [corp.local] – [Computers] と順番にクリックします。手順3 – 7 で追加した “VCOocks” コンピュータが作成されていることが確認できます(もし、違う名前でコンピュータを登録されている場合、異なる名前のコンピュータ名が表示されます)。

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1-11. コンピュータオブジェクトが追加できたことを確認できたら、右上のバツボタンで “Active Directory” の管理画面を終了します。

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2. Active Directory 上のコンピュータアカウントの削除

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2-1. 最小化している Orchestrator の画面を開きます。(Orchestrator 管理画面を閉じている場合は再度、起動・ログインします)

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2-2. 左ペインの “Workflow” タブをクリックします。その後、[admin@vcac-w8-01a] – [Library] – [Microsoft] – [Active Directory] – [Computer] と順番にクリックします。

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2-3. “Destroy a computer” を右クリックして、”Start workflow” をクリックします。

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2-4. [Computer to destroy] 欄の “Not Set” をクリックします。

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2-5. [Filter:] 欄に “VCO” と入力し、”VCOocks” を検索できたら選択し、[Select] ボタンをクリックします。(異なるコンピュータを登録した場合は異なる名前のコンピュータを検索して選択します)

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2-6. [Computer to destroy] 欄に “VCOrocks” が選択できたら、[Submit] ボタンをクリックします。

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2-7. ワークフローが終了したことを確認し、画面右上の最小化ボタンをクリックします。

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2-8. デスクトップ上の “Active Directory” 管理画面をダブルクリックして、管理画面を開きます。

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2-9. 左ペインの [corp.local] – [Computer] をクリックして、登録されていた “VCOocks” コンピュータオブジェクトが削除されていることを確認します。

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いかがでしたでしょうか。無事、コンピュータアカウントの追加と削除が行えましたでしょうか。

今回は単純な Active Directory のコンピュータオブジェクトの追加・削除ですが、vCenter や他のシステム (PowerShell や ssh はもちろん、REST や SOAP 等) と連携してワークフローを作成することにより多くのメリットを受け取ることが出来ます。

是非、身の回りの毎日・毎週・毎月行っている業務を思い出して、日々の繰り返し業務を自動化できるかを考えてみてください。

次回は最終回で、以下の内容を予定しています。

5回目:vCloud Automation Centerとのインテグレーション

vCenter Orchestratorを使ってみる(1)

Orchestrator の第3回目です。
今回は、vCenter Orchestrator を実際に操作してみたいと思います。

第2回でご説明致しました通り、OrchestratorはvCenterのライセンスに含まれますので、追加のライセンスコストは不要です。よって、vCenterのライセンスをお持ちの方であればすぐにお使い頂くことが可能です。かつ、Windows環境であればOrchestratorはインストール済みですので、サービスを起動して頂ければすぐに使える状態にあります。

以降は、OrchestratorがインストールされているWindows環境を想定した手順をご説明していきます。

・Orchestratorの構成

まずは、”VMware vCenter Orchestrator Configuration”、”VMware vCenter Orchestrator Server”という2つのサービスを起動します。

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スタートメニューから、「すべてのプログラム」-「VMware」を選択して、”vCenter Orchestrator Home Page”を開きます。Orchestrator Serverを構成するために、Orchestrator Configurationをクリックします。

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以下のデフォルトの情報でログインします。
Username  :vmware
Password  :vmware

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初めてのログイン直後にパスワードの変更を求められるので、新しいパスワードを入力して下さい。
左ペインからネットワークを選択し、IPアドレスのドロップダウンボックスからOrchestratorのIPアドレスを選択し、”Apply changes”ボタンを押下します。

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左ペインからAuthenticationを選択します。
Windows環境では、Authentication ModeはSSOになっています。(SSO以外の認証方法としてLDAPを設定することができますが、Windows環境では特にSSOから変更する必要はないかと思います。)

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左ペインからLicensesを選択します。
“Use vCenter Server license”を選択し、vCenterの”Host”、および適切なユーザ名/パスワードを入力して下さい。

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左ペインからStartup Optionsを選択します。
Authenticationの変更等を行った際には、vCOサーバを再起動して下さい。

ここまでが、Orchestratorを使用する前準備です。

 

・vCenter Orchestrator Clientからの操作

スタートメニューから「すべてのプログラム」-「VMware」を選択して、” vCenter Orchestrator Client”を選択します。Windows環境の標準はSSOですので、SSOで認証が受けられるユーザにてログインして下さい。

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ログイン後、Workflowsタブを選択すると、事前に構築されたワークフローのライブラリ一覧を確認することができます。vCenterに対する処理のライブラリだけでなく、SSHやSQL等のプラグインによって提供されるライブラリも確認することができます。

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今回は、vCenterに対して事前定義されたワークフローを実行してみたいと思います。

「Library」-「vCenter」-「Virtual Machine management」-「Snapshot」配下にある仮想マシンに対するSnapshot処理のワークフローを使用します。
「Create snapshots of all virtual machines in a resource pool」を選択して右クリックし、「Start Workflow」を選択します。これにより、特定のリソースプール配下に存在する全てのVMに対して一括してスナップショットを作成することが可能となります。

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「Not Set」をクリックします。

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test1、test2が所属するTest-RPを選択します。選択後に「Submit」を押下することで、test1、test2の2台のVMに対してSnapshotが作成されることを確認してみましょう。

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次に、「Remove snapshots of a  given size」を選択することで、ある一定以上にSnapshotのサイズが大きくなったVMを対象にして、Snapshotを削除することが可能となります。
Snapshotのサイズが大きくなることによるシステムに与える影響は非常に大きいですが、Orchestratorの基本機能を使うことによりvSphere環境を安定的に稼働させることが可能となります。

以下は、Snapshotサイズが100MBを超えた際に、Snapshotを自動的に削除する設定を行った例です。

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また、スケジュールタスクとしてWorkflowを保存することも可能です。
これによって、定期的にSnapshotサイズをOrchestratorに監視させることで、Snapshot運用時のリスクを最小化することが可能となります。以下は、「Recurrence」を「Every Day」に設定していますので、一日一回Snapshotサイズをチェックするワークフローの構成例となります。

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・Workflowの実体

事前定義されたWorkflowを選択してSchemaタブを選択すると、そのWorkflow内で実際に行なわれる処理の流れを確認することができます。

以下は、Snapshotを作成するだけの単純な処理となりますので非常にシンプルですが、より複雑なWorkflowの構成になっている処理もありますので、参照してみて下さい。

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また、createSnapshotをダブルクリックすると、その処理のコードの内容を確認することもできます。実際にSnapshotを作成するためのJavascriptのコードを確認することができるので、何かJavascriptを使って自動化する既存の仕組みなどがあるようであれば、参考になるかと思います。

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ここまでは、事前定義された2つのワークフローを使用することで、自動化できるSnapshot関連の処理について見て来ました。今回はご紹介できておりませんが、事前定義されたワークフローを複数組み合わせることで、より複雑な処理をOrchestratorによって自動化することが可能です。クラウドの実現に向けた自動化の要件を満たす最適なツールですので、是非一度触ってみて頂ければと思います。

次回以降は以下の内容を予定しています。

4回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(2)
5回目:vCloud Automation Centerとのインテグレーション

 

アーカイブ
1回目:プライベートクラウド実現に向けた自動化のニーズ 
2回目:vCenter Orchestratorのアーキテクチャ

 

vCenter Orchestratorのアーキテクチャ

みなさん、こんにちは。

前回に引き続き Orchestrator に関する 2 回目になります。

今まで仮想化環境の自動化はどう行っていますか。 Power CLI 等個別でスクリプトを作り込んでいたのではないでしょうか。個別でスクリプトを作り込む場合、例えば、データベースへの接続や Active Directory への接続等全てを作り込む必要があるので、非常に工数が必要な作業だと思います。

Orchestrator を使うことにより、個別カスタマイズを極力減らして、自動化の恩恵を受けることできます。

Orchestrator の注目度の高さは弊社のブログの PowerCLI のスレッド数と Orchestrator のスレッド数が比べてみると最近、非常に注目度が高いことがわかると思います。

VMware コミュニティへの新規スレッド数 [PowerCLI VS Orchestrator]

vCO-graph

[出所 URL]
http://technodrone.blogspot.com/2014/01/vcenter-orchestrator-finally-gaining.html

 

上記グラフからもわかる通り Orchestrator は利用者数が伸びており、コミュニティでのやり取りも活発になっています。もし、Orchestrator で探している情報があれば、是非、Orchestrator ブログもチェックしてみてください。

 

VMware Orchestrator Blog (英語)
http://blogs.vmware.com/orchestrator/

また、Orchestrator は既存の PowerCLI を実行することもできるので既存のPowerCLI も無駄にすることなく利用できます。

では、Orchestrator のアーキテクチャに関して以下の項目に沿ってご紹介させていただきます。

 

  1. 利用環境の種類に関して
  2. アーキテクチャ(概要)
  3. プラグイン
  4. ライセンス
  5. 保守

 

利用環境の種類に関して

まずは、Orchestrator の環境をどのように準備するかに関して説明します。

Orchestrator ですが、以下のとおり、Windows 版とアプライアンス版の 2 つが用意されています。

 

  1. Windows 版
  2. アプライアンス版

 

[Windows 版]
Windows 上に vCenter を Simple  Install することにより Orchestrator も自動的にインストールされます。

Windows 版の vCenter をインストールを行った人は既に多くいるかと思いますが、その方々は既に Orchestrator のインストールも完了していることになります。

但し、Orchestrator のサービスは標準では自動的に起動しませんので、利用する際にはサービス (VMware vCenter Orchestrator Configuration / VMware vCenter Orchestrator Server) を手動で起動 (もしくは、自動的に起動するように設定変更) する必要があります。

vCO-service-status

[アプライアンス版]
アプライアンス版に関しては、下記の VMware のダウンロードサイトから ova ファイルをダウンロード・展開することにより利用することができます。

 

https://my.vmware.com/jp/web/vmware/details?productId=352&downloadGroup=VCL-VCOVA_550

vCO-Download

OVA ファイルは Windows 環境を用意することなく非常に簡単に展開することが可能です。

 

アーキテクチャ(概要)

 

vCenter Orchestrator のアーキテクチャの概要に関して示します。

vCO-Architecture

Orchestrator 自身はワークフローの制御を行い、他のシステムとの連携はプラグインで行う形になっています。

その為、Orchestrator 側でのワークフローの作成は連携するシステムが異なっても同一の手順でワークフローを作成することが出来ます。異なるシステムと連携する際には利用するプラグインを変えるだけで利用することができます。

専用の管理画面からシンプルな操作性を実現しておりますので、ワークフローを作成する際には多くの操作をドラッグアンドドロップでワークフローの作成や INPUT や OUTPUT 等の引数の受け渡しを行うことが可能です。

new-workflow

 

プラグイン

Orchestrator がワークフローを管理して、プラグインを経由して外部システム等と連携を取り、様々なシステムに連携したワークフロー簡単に作成することが可能です。

vCO-PlugIn

自動化・統合化の恩恵を最大限に享受するためには他のシステムと連携できるかが非常に重要になってきますが、Orchestrator は非常に多くのプラグインを備えております。

vCenter Server やConfiguration Manger 等の VMware 製品はもちろん、REST や SNMP、SQL、SSH 等の標準プロトコルにも対応しているので様々なシステムと連携することが可能です。

さらに Active Directory や Windows PowerShell 等にも連携しているので、社内システムのワークフローを作成する上でも必要な機能が揃っています。

 

ライセンス

Orchestrator のライセンスは vCenter Server のライセンスに含まれているので Orchestrator 用に追加のライセンスコストは発生しません。

その為、vCenter のライセンスをお持ちの方はすぐに Orchestrator を試すことができます。

 

保守

Orchestrator の製品自体の保守サポートは vCenter Server の保守に含まれております。

但し、SDK/API等の開発に関するお問い合わせは通常の保守窓口ではお受けしておりません。その為、SDK/API 関連のお問い合わせが必要な場合や商用環境や本番環境に関しては、別途、SDK Support Program のご加入をお勧めいたします。

 

VMware SDK Support Program
https://www.vmware.com/support/services/sdk.html

次回以降は、vCenter Orchestrator の実際の画面をいくつかご紹介していきます。

 

次回以降は以下の内容を予定しています。

3回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(1)- 自動化を想定した使い方

4回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(2)- 統合化を想定した使い方

5回目:vCloud Automation Centerとのインテグレーション

プライベートクラウド実現に向けた自動化のニーズ

仮想化によるサーバ統合によりコスト削減を実現し、次のステップとして更なるコスト削減やインフラ管理の効率化のためにプライベートクラウドの実現を模索されているお客様も多くいらっしゃるかと思います。

ここで今一度、クラウドの定義について整理をしてみたいと思います。
米国国立標準技術研究所 (NIST: National Institute of Standards and Technology)によると、クラウドとは以下5つの特徴によって定義(注)されています。

1.オンデマンド・セルフサービス
2.幅広いネットワークサービス
3.リソースの共用
4.スピーディーな拡張性
5.サービスが計測可能であること

上記3.のリソースの共用のように、仮想化によって実現できることがクラウドの特徴として定義されている項目もありますが、仮想化しただけではクラウドの要件を完全に満たすことはできません。
サービス提供者を介さずにオンデマンドでコンピューティングリソースの提供を可能にするために必要な要素が自動化です。また、需要に応じてスピーディーにインフラの拡張/縮小させるためにも自動化が必要となります。
つまり、クラウドを実現するためには自動化というのは欠かせない要素となるわけです。

自動化と一口に言っても、いくつかのフェーズに分けて実装を進めます。
以下の図にありますとおり、クラウドの自動化に向け5つのフェーズに分けて進めます。

Blog2

本ブログではVMwareが提供するITプロセスの自動化/オーケストレーションを実現するためのツールであるvCenter Orchestratorを使った自動化の進め方について全5回に分けてご紹介していきます。

Orchestratorは非常に汎用的なツールですので、5つの全てのフェーズで利用可能ですがフェーズ1の自動化、フェーズ2の統合化に絞ってご説明をしていきます。

次回以降は以下の内容を予定しています。

2回目:vCenter Orchestratorのアーキテクチャ
3回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(1)-フェーズ1を想定した使い方
4回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(2)-フェーズ2を想定した使い方
5回目:vCloud Automation Centerとのインテグレーション

(注)http://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf

vSphere 5.5の新機能紹介 – VMware vCenter Orchestratorの新機能

ITプロセスの自動化を組織に導入・推進していくためには、特にITのサービス化という観点から、マネジメント、エンドユーザ、エンジニア、管理者を含む組織内の全ての関係者が取り組みに関わっていくことが不可欠と言えます。その際、これまで手作業で行われていた自動化の対象となり得る管理作業や業務フローを継続的に洗い出し、それらを短いサイクルで俊敏に実装して組織に導入していくためのフレームワークを確立することが重要になります。

今回は、VMwareの提供するクラウドソリューションにおけるITプロセスの自動化・オーケストレーションの基盤・統合レイヤとして存在感を増しつつあるVMware vCenter Orchestrator(以下vCO)について、先日リリースされたバージョン5.5 で追加された主な新機能をご紹介します。

VMwareにおける自動化ツールセットの位置付け

なお、これまでvCOについて聞いたこと、もしくは実際にお使いになられたことがない方も多いと思いますが、この製品自体は以前より存在しており、実はvCenter ServerをSimple Install(vCenter Server 5.0では通常のインストール)するとvCOも標準でインストールされています。また、vCOをvCenter Serverと別サーバにインストール(スタンドアロン)したり、仮想アプライアンス版を利用することも可能です。

vCenter Server上に標準でインストールされているvCOサービス

以下にvCOのアーキテクチャ(概観)を示します。

vCOのアーキテクチャ(概観)

vCO 5.5では、成長する仮想化/クラウド基盤への対応がメインテーマの一つとなっており、特に拡張性(Scalability)や可用性(High Availability)の点で大きく改善されています。また、vCO Clientの機能性も向上し、開発者がよりシンプルかつ効率的にワークフローを開発できるようになっています。

vCO 5.5では、大きく以下のカテゴリについて機能向上及び追加がなされています。

成長する仮想化/クラウド基盤への対応

  • クラスタモードのサポート

開発生産性の向上

  • ワークフローデバッガ
  • 失敗した最後のアクティビティからのワークフロー再開

その他の機能向上

  • vSphere Web Clientとの連携
  • 国際化(i18n)

vCO Client

成長する仮想化/クラウド基盤への対応

1. クラスタモードのサポート

仮想化/クラウド基盤の規模が拡大するに従って、その自動化をサポートするオーケストレーションレイヤのスケーラビリティや可用性を考慮する必要性が高まります。vCO 5.5で導入されたクラスタモードを利用することで、vCOサーバ(ワークフロー実行エンジン)の同時処理能力や可用性を高めることができます。

クラスタモード

vCOのクラスタではフェイルオーバーをサポートしています。クラスタはActive/ActiveまたはActive/Standby構成が可能で、クラスタモードの設定でアクティブノードの数を指定します。

クラスタモードにおけるアクティブノード数の指定

クラスタ中の全ノードがアクティブの場合、あるノードに障害が発生した場合は別のアクティブノードが直ちにセッションを引き継いで処理を継続します。一方、スタンバイノードが存在する場合、アクティブノードからのハートビートが途切れて障害を検出すると、スタンバイノードがアクティブになり処理を引き継ぎます。

また、外部のロードバランサと組合わせることで、動的なスケールアップ/ダウンも可能になります。

開発生産性の向上

1. ワークフローデバッガ

アプリケーションの開発において、デバッガは開発生産性を左右する大きな要素の一つです。vCO 5.5で新たに導入されたワークフローデバッガを利用することで、開発者はより迅速かつ容易にワークフローをトラブルシュート/テストすることができます。

ワークフローデバッガ

ワークフローを「デバッグモード」で実行する際には、個々のワークフローアクティビティに対してブレークポイントを設定し、ステップ実行しながらフローのある時点における変数値にアクセスすることが可能です。

ブレークポイント

2. 失敗した最後のアクティビティからのワークフロー再開

vCO 5.5では、ワークフローの実行に失敗した際に、失敗したアクティビティの状態からワークフローを再開する機能が導入されています。この機能は個々のワークフローまたはシステムレベルで設定されます。

ワークフロー実行に失敗した際の再開機能の設定

この機能を有効にしていると、ワークフローが失敗した際に次のようなポップアップが表示され、処理を再開して継続することができるようになります。

失敗したワークフローの再開

また、ワークフローの再開時には入力パラメータを修正することも可能です。

再開時のパラメータ値の修正

その他の機能追加および改善

最後に、vCO 5.5におけるその他の主な改善点についてご紹介します。

1. vSphere Web Clientとの連携

vCOではバージョン5.1以降、SSO認証と組合わせることでvSphere Web Clientと連携できるようになり、vCO Clientからだけでなく、Web Client上からもvCOサーバの状態を監視したりワークフローを実行することが可能です。

個々のワークフローはvCenterのオブジェクトに関連付けることができ、Web Clientのコンテキストメニューの一つとして表示されます。これにより、例えばWeb Client上で対象となるホストを選択して、新しい仮想マシンを作成するカスタムのワークフローを実行するようなことが簡単にできます。この仕組みを使えば、標準では用意されていない機能をメニューとして追加することで、Web Clientの機能を簡単に拡張することができます。

vSphere Web Clientとの連携

vSphere Web Clientからのワークフロー実行

vCO 5.5では、Web Clientの管理画面上で対象となるvCOサーバをオンデマンドで追加できるようになっています(5.1以前は、個々のvCOサーバの管理画面上から設定されたインスタンスを自動検出することのみが可能でした)。

Web Clientの管理画面上でのvCOサーバの追加

2. 国際化(i18n)

vCO 5.5の国際化(i18n)対応レベルは、前のバージョンと同じくlevel 1となります。GUIのローカライズ(l10n)などはされていませんが、非英語OS上での動作及び、非英語テキストの処理をサポートしています。また、vCO 5.5ではローカルのdate/timeフォーマット及び地域設定に対応しています。

vCOの各種コンポーネントにおける非英語テキストの対応状況については、下記マニュアルの該当項目をご確認下さい。

Installing and Configuring VMware vCenter Orchestrator 5.5 –   Non-ASCII Character Support in Orchestrator (p.15)
http://pubs.vmware.com/vsphere-55/topic/com.vmware.ICbase/PDF/vcenter-orchestrator-55-install-config-guide.pdf

まとめ

VMware vCenter Orchestrator 5.5では、拡張性や可用性、機能性などの面で、大きく以下のカテゴリについて機能向上及び追加がなされています。

  • 成長する仮想化/クラウド基盤への対応
  • 開発生産性の向上
  • その他

ここでは全てを紹介することはできませんでしたが、vCO 5.5におけるその他の機能拡張及び、製品の詳細については以下サイトの情報も是非ご参照下さい。

VMware vCenter Orchestrator 5.5 Release Notes (What’s New含む)
https://www.vmware.com/support/orchestrator/doc/vcenter-orchestrator-55-release-notes.html
vCenter Orchectrator 製品情報
http://www.vmware.com/products/vcenter-orchestrator/
VMware vCenter Orchestrator Blog
http://blogs.vmware.com/orchestrator/

なお、vCOを本番環境で導入頂く際には、通常の製品サポートの他にVMware SDK Support のご購入を強く推奨致します。

VMware SDK Support Program
https://www.vmware.com/support/services/sdk.html

vSphere 5.5の新機能紹介 PowerCLI 5.5

vSphere 5.5 シリーズの新機能についてリレー形式のエントリでご紹介させていただいて来ましたが、今回はコマンドライン大好きな方にお送りします。

本エントリでは、VMware PowerCLI 5.5 の新機能概要についてご紹介させていただきます。なお、このブログエントリは VMware PowrtCLI Blog の“PowerCLI 5.5 What’s New-Overview” を抄訳、実機での確認を追記したものになります。

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(New!)
1. vSphere タグを管理するためのコマンドレット

・vSphere 環境でのタグの管理
・vSphere オブジェクトへのタグのアサイン
・vSphere オブジェクトからのタグの削除
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(追加) 2. 分散仮想スイッチ(vDS )用コマンドレット
・vDS マイグレーションを容易にする機能
・プライベートVLAN の管理
・vDS のポリシー管理
・vDS のポート管理
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(New!) 3. 仮想マシンコンソール用コマンドレット
・vSphere 及び vCloud Director 仮想マシンのコンソールを開く
・複数のコンソールを同時に開く
・仮想マシンコンソールのURLを出力する
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(New!) 4. vCloud Director 5.5 のサポート
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(New!) 5. ホストライセンス
・ホストへのライセンス付与

では、具体的にどういう動きをするのかを一部だけになりますが簡単に確認してみましょう。

 

1. vSphere タグを管理するためのコマンドレット

>Get-Tag

タグの一覧を表示します。

>Get-TagAssignment

タグの付与状況の一覧を表示します。

 

3. 仮想マシンコンソール用コマンドレット

>Open-VMConsoleWindow 仮想マシン名

これだけで、ブラウザのウィンドウが立ち上がりコンソールが表示されます。

コンソールを起動せずに、URLだけを出力する場合は次のように実行します。

>Open-VMConsoleWindow 仮想マシン名 -UrlOnly

パワーオフ状態のVMのコンソールだけをまとめて開く場合、次のように実行します。

>Get-VM | Where-Object{($_.PowerState) -eq "PoweredOff" | Open-VMConsole Window

うまく組み合わせると、PowerCLI で運用管理に必要なコンソールをまとめたランチャーのようなものがつくれそうですね。

なお、このブログエントリは、製品出荷前のバイナリ及びマニュアルをベースに記載しています。出来る限り正確な情報をお伝えするよう努めておりますが、実際に製品に搭載される機能や表示とは異なる可能性があります。あらかじめご了承の上、ご利用下さい。