Home > Blogs > Japan Cloud Infrastructure Blog


第 2 回 かゆいところに手が届く、vSphere 7/vSAN 7最新情報!【HPE】

みなさんこんにちは!

日本ヒューレット・パッカード株式会社(HPE)の橘孝祐(たちばなこうすけ)です。

前回は速報として VMware vSphere 7.0の HPE サーバーの対応状況や Custom ISO の公開、新機能一覧などをご紹介しました。今回は vSphere 構成を組むうえでのハードウェア要件として意外な注意ポイントである「ブートデバイス」についてご紹介いたします。

Backnumber

第1回 VMware vSphere 7待ちに待った メジャーアップデート速報!【HPE】

第2回 vSphere 7.0 時代のESXiブートデバイスの選び方【HPE】

第3回 vSAN はファームウェアとドライバのチェックを忘れずに!!【HPE】

 

■そもそも vSphere の構成を組むうえでチェックすることは?

vSphere の構成を組む際の最小ハードウェア要件は下記になります。

https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.esxi.install.doc/GUID-DEB8086A-306B-4239-BF76-E354679202FC.html

以上の内容をまとめると、

  • 2 コア以上のCPU
  • 8 GB以上のメモリ
  • ブートデバイスとして、USB/SD デバイス用に 8 GB以上、HDD/SSD/NVMe などのデバイスタイプ用に 32 GB以上

となります。CPU とメモリに関しては、一般的に仮想マシンを動かすために用意するハードウェアで気にすることはほとんどなく、vSphere のハードウェア要件は非常にハードルが低いです。

一方で、ブートデバイスに関してはスタンダードな HDD/SSD での RAID 構成であれば特に最小要件を意識しないかもしれませんが、ESXi のブート領域専用であれば価格の安い USB ドライブや SD カードをブートデバイスとして選定されている方も多いかと思われます。

■USB/SD フラッシュデバイスにおける推奨は 32 GB

USB ドライブや SD カードといったフラッシュデバイスをブートデバイスとして利用する場合の最小ハードウェア要件は 8 GB 以上ですが、VMware としては 32 GB以上を推奨しており、HPE としても 8 GB のフラッシュメディア製品が販売終了予定となっています。

図1. ESXi のフラッシュメディアブート製品

フラッシュメディアにおいて 32 GB 以上を推奨する理由としては以下の2つがあります。

  1. ROM データ領域としての ESX-OS Data 領域を十分に確保するため
  2. 将来的な追加モジュールに備えて Boot bank 領域を確保するため
  3. ブートデバイス自体の書き込み容量に余裕を持たせ、デバイス単体の寿命を延ばすため

聞きなれない言葉もあるかと思いますので、順を追って説明していきます。

まず、ESXi 7.0 ではシステムストレージレイアウトが図2のように変わっています。コアダンプやスクラッチと個別に分かれていたパーティションから、ESX-OS Data 領域として統合的に確保され、この中でコアダンプやスクラッチ機能の読み書き領域として使用されます。USB ドライブや SD カードの場合は ESX-OS Data 領域が ROM データ専用となり、RAM データはメモリ(DIMM)上に構成されます。図3 のように system boot 領域や Boot bank 領域を除いた残りのデータ領域が ESX-OS Data 領域として割り振られており、ROM データ領域として十分に確保するには 32 GB 以上が推奨となります。

図2. ESXi 7.0 のシステムストレージレイアウト (VMware vSphere blogより)

https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/05/vsphere-7-esxi-system-storage-changes.html

また、メディアサイズによって Boot bank 領域が 500MB, 1GB, 4GB と可変になります(図3)。Boot bank 領域が最大の 4GB となるのが 32GB 以上のメディアサイズとなるため、今はまだ予定がなくとも今後の機能拡張に備えて Boot bank 領域の容量を十分に確保しておくことが推奨されます。

特に、NSX-T や NVIDIA GPU を利用する場合は、ドライバ関連のフットプリントが大きいために Boot bank 領域の容量が枯渇してしまうといったトラブルが私の知るお客様でもいくつか見られています。vSphere 7.0 では Boot bank 領域の容量は増えておりますが、USB/SD フラッシュデバイスを利用する場合は注意が必要です。

【参考】https://docs.vmware.com/jp/VMware-NSX-T-Data-Center/2.5/installation/GUID-8490FFB5-7B76-4EDC-B1A3-6CC4E63C5098.html

図3. ESXi 7.0 でのメディアサイズとパーティションの関係 (VMware vSphere blog より)

https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/05/vsphere-7-esxi-system-storage-changes.html

さらに、USB ドライブや SD カードはフラッシュデバイスのため、SSD と同様に書き込み回数や保持期間がある程度定まっています。書き込み領域に余裕のない状態が続くと、同じフラッシュ領域に対する書き込みの割合が増し、結果としてフラッシュデバイスの寿命を早めることになります。

以上の3つを踏まえて、ESXi のブートデバイスとしてフラッシュメモリを利用する場合は 32GB 以上を選択することを推奨いたします。

■本命はノート PC でも利用されるM.2 SSD

USB ドライブや SD カードは価格が安い反面、ログを保存する領域であるスクラッチ領域がメモリ(DIMM)上に作成されます。メモリは揮発性のため、電源障害などで電力供給がストップした場合や再起動がかかってしまうとスクラッチ領域が消えてしまい、スクラッチログからのトラブルの原因調査ができなくなります。

かといって、通常の HDD や SSD を選択すると、サーバーのディスクベイを消費してしまううえ、ブートデバイスを冗長化(ミラーリング)すると、vSAN の場合にはディスクコントローラー(RAIDコントローラー)をブート用と vSAN データストア用とで 2 枚用意せねばならず、コストやスペース的な課題もありました。

こちらの課題に対する“本命”としては、ノート PC で使われる 「M.2 SSD」 と言われています。図4 のような、板ガムのようなメモリのような小型の SSD です。これにより USB/SD のスクラッチ領域の問題も回避しながら、サーバーのディスクベイをブート用に余計に消費する HDD/SSD ハードウェアRAIDを組むことなく、空いたディスクベイの分をさらなるディスクの拡張スロットとして使用することが可能になります。

USB/SD, HDD/SSD 両者のデメリットをうまく吸収し、かつ価格も比較的安価にすませることができる M.2 SSD ブートデバイス。気になる冗長化(ミラーリング)についても、数か月後の 2020 年秋ごろには HPE ProLiant サーバー用の RAID キットもリリースいたします。

図4.M.2 SSD デバイス

今回は vSphere 7.0 構成を組むうえで重要なハードウェア要件であるブートデバイスについてご紹介しました。

次回は、vSAN 7.0 対応の HPE ハードウェアに関してご紹介する予定です。次回のブログ更新をお楽しみに!

—-

橘 孝祐(Tachibana Kousuke)

日本ヒューレット・パッカード株式会社(HPE)で HPE ProLiant Server シリーズを中心とするサーバー製品を担当。主に VMware 仮想化ソリューションと組み合わせたプリセールス活動に従事。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です