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VMware Cloud Foundation でハイブリッドクラウドへ踏み出そう

Part2: VCFのメリット

ー Back Number ー

#1 「VMware Cloud Foundation (VCF) 」 をご存知ですか

#2    VCFはどんなお客様向けの製品?

#3   自動セットアップの方法とは?

#4   VCFはHPE Synergy との連携に優れている

 

こんにちは。日本ヒューレット・パッカード(HPE)で仮想化やハイブリッドクラウドソリューションなどのプリセールスをしている片山倫哉(かたやまともや)です。

 

連載第2回は、VCF(VMware Cloud Foundation)はどのようなお客様向けの製品なのかをご説明します。

 

今回お伝えしたことは、大きく3つです!

 

  1. VMware開発者の理想形が手に入る
  2. SIerさんも嬉しい
  3. 運用中も理想形のまま維持される

 

◆ 1. VMware開発者の理想形が手に入る ◆

 

連載第1回では、VCFはハイブリッドクラウドを実現するための製品であることやVMware CloudTM on AWS も実はVCFをベースとした共通技術(アーキテクチャー)で動いていることをお伝えしました。

共通技術で稼動するシステムがプライベートクラウド上とパブリッククラウド上にあれば、もうおわかりですよね。

――――そうです。

それぞれがシームレスに連携可能になります。わかりやすい例を1つ挙げると、VCF環境にインターネット接続が整っていれば、プライベートクラウドとパブリッククラウドの仮想マシンが相互vMotionすることが可能になります。

では、もしVCFを導入していないVMware仮想化環境でプライベートクラウドとパブリッククラウドをシームレスに連携させるとどうなるでしょうか??

 

下記のようなコンポーネントを一から ”1つ1つ” 構築をしていくことになります。

これらを構築するとなると、様々なソフトウェアを設計し、セットアップし、設定項目も判断しなければなりません。各々は連動もするでしょうから、相互の動作テストも必要です。何十時間、場合によっては何百時間も必要な設計と構築作業―――。うんざりしてしまいますよね。

 

第1回でもお伝えしたとおり、VCFには専用のセットアップツールが付属します。

これで構築を行うとどうなるのでしょう??

 

なんと、 開発元が想定した“理想形”が復元される んです!!

 

先ほどのソフトウェア(コンポーネント)は担当者の設計・判断は必要なく、開発元であるVMware社の最も理想とする形にセットアップされます。せっかく予算化して調達したのですから、良いもの・理想的なもの・高品質なものを手に入れたいのは担当者にとって当たり前のこと。開発元の想定した“理想形”であれば不安もないですし、安心です。

◆ 2. SIer さんも嬉しい ◆

日本のIT現場では“SIerさん”も無くてはならない存在です。

ツールを用いたセットアップはお客様だけはなく、SIer様にもメリットがあります。

 

1つは誰でも構築できること。担当者は実行ボタンをクリックはしますが、実際にセットアップするのはツールの中にいる“ロボット”です。ヒトに判断を委ねることもほとんどありませんので、引っ張りだこの“スーパーエンジニア”でなくとも品質を一律に保ってセットアップできます。そして早い

VCFのセットアップツールは高品質なうえに驚異的な早さでセットアップしてくれます。私が検証したときはナント セットアップ時間 1時間54分 で完了しました。

自動セットアップ完了時の画面 「Bringing Up the SDDC」

vSANやNSX・vRealizeといったVMware SDDCインフラを構築したことがある方であればこれが驚異的な早さであることはお分かりいただけるはず。忙しい設計担当者(アーキテクト)の工数も大きく削減可能です。

◆ 3. 運用中も理想形のまま維持される ◆

では、設計・構築の話はここまでにして、ここからはお客様が最も気になる「運用フェーズ」の話をしたいと思います。

いきなりですが、従来のVMware環境と、理想的な形でセットアップされたVCF環境は運用にどれくらいの違いがあるか説明していきます。

 

◇従来のVMware環境◇

運用を開始し、半年、1年、2年と経過していくと、メインコンポーネントであるVMware vSphere(ESXi)やNSX、管理コンポーネントであるvCenter Server・vRealizeといった各ソフトウェアに新しいバージョンが次々とリリースされていきます。機能強化だけではなく、脆弱性に関するパッチも含まれるため、セキュリティ対策のためにも定期的なアップデートが求められます。

 

これとは逆に“バージョン塩漬け”を好まれるお客様もいらっしゃいますが、VMware製品には製品ごとにサポート期間が設けられており、「サポート切れ」予告が次々に襲ってきます。このようなシステムでは計画停止もタイミングもなかなかありませんし、後手後手でバージョンアップしていくと、各コンポーネント間の互換性チェックが疎かになったり、知らぬ間に相互連携機能が正しく動かなくなってしまう―――。

 

その結果どうなるでしょうか??

 

導入当初どれだけ完璧な状態に構築されても、実際に運用が始まり、日が経つにつれてメーカーの理想形からどんどんかけ離れていきます。

気がついたら、サポートされない組み合わせになっていた・・・なんてことも良く聞く話です。

 

参考:「VMware Product Interoperability Matrices」
https://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.php

 

 

◇VCF環境◇

では、VCFを導入している環境ではどうでしょうか。

もちろん、従来環境と同様に、VCF環境でも半年、1年、2年が経過していくと、コンポーネントごとに次々と新しいバージョンがリリースされていきます。

 

しかし!

VCF環境にはバージョン管理の“救世主”として「VMware SDDC Manager」がいます。

 

覚えていますか?? Part1 でご紹介した「導入」「構成」「プロビジョニング」「パッチの適用」といった一連のライフサイクル管理を自動化して運用を大幅にラクにするツールです。

 

VCF環境はメーカーの理想形で完璧に構築されるだけでなく、お客様の運用が始まっても、SDDC Managerが理想の状態を維持してくれます。各コンポーネントにパッチがリリースされたりバージョンアップしても、「互換性を考えながら」「最適な手順で」「管理者の手を煩わせずに」最新の状態にアップデートしてくれます。従来と一線を画すこの管理手法は「自動ライフサイクル管理」と呼ばれています。

 

 

 

自動ライフサイクル管理により、理想の状態が保たれますので、運用管理者は不安なく、いつも安心して日々の運用を続けていくことができるというわけです。

 

これまでのようにバージョンアップを検討するたびに「これとこれの組み合わせは大丈夫だったかな・・・」と毎回考えないでよいと思うと、大きな重荷から解放されますよね!!

 

 

今回は、VCFを導入することにより、お客様のメリットをご紹介しました。

 

VCFはVMware開発者の理想形で構築され、それを維持し続けることができる。みんな幸せ!

 

この一言を是非、記憶に留めていただければと思います。

次回は今回取り上げたセットアップツールを解説していきます、是非ご期待ください!

 

片山 倫哉(かたやま ともや)

日本ヒューレット・パッカードのプリセールス部門に所属するプリセールスコンサルタント。

前職ではプログラマー、HPEでは仮想化のサポートエンジニアを経験後、プリセールス部門に転身。技術が好きでVMware製品やMicrosoft製品の提案や、ProLiantサーバーを中心としたハイブリッドクラウドの提案などに従事。