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VMware Virtual SAN 入門 ~Virtual SAN のハード構成を考えよう~

みなさん、こんにちは!VMwareの川崎です。

VMware Virtual SAN 入門シリーズ第 4 弾となる本エントリでは、Virtual SAN の利用を検討され始める際に、ハード構成をどのようにして考えていけばいいのか、という点について書かせていただきます。”Virtual SAN Ready Node” という検証済み構成が準備されており、サーバ OEM ベンダーおよび VMware に推奨されておりますので、基本的にはこの中から要件に合うモデルをご選択いただければ、そのまま利用いただけます。

ただし、中にはご要望に応じたスペックとなるよう個別にカスタマイズされたい場合もあるかと思いますので、本エントリでは、前半で構成要件として抑えるべきポイント、後半で Virtual SAN Ready Node の探し方を記載いたします。

§1.構成要件

まずは、Virtual SAN を構成する際に検討すべき要件を整理していきましょう。

大きくは2点で、互換性とスペックになります。

§1-1.互換性

個別にコンポーネントを選定して構成する場合、サーバ、ストレージコントローラ(パススルー/RAID0)、SSD、HDD、ブートデバイス(USB、SD カード、HDD等)、NIC について、VMware vSphere または Virtual SAN との互換性を確認します。

図1は、vSphere を Virtual SAN を利用する場合、共有ストレージを利用する場合の確認項目を比較しています。注意点としては、Virtual SAN を利用される際は、ストレージコントローラ / SSD / HDD については Virtual SAN の該当バージョンとの互換性を確認する必要があります。(オールフラッシュ構成の際はHDD→SSDとなります。)

図1.互換性確認項目の比較

図1.互換性確認項目の比較

Virtual SAN との互換性を確認する際には、VMware の互換性ガイドを参照します。(ページへは、 こちら を選択後に ”Build Your Own based on Certified Components” を選択して移動します。vSphere との互換性を確認する際には、こちらより各コンポーネントごとにご参照ください。

§1-2.スペック

CPU、メモリ、ストレージ容量、ストレージ IOPS、ネットワーク帯域の要件を検討します。

  • ストレージ容量
    • キャパシティ階層
    • キャパシティ階層の容量は、実効容量をベースに、許容障害数を考慮して下記のようにトータルで必要となる物理容量を計算します。
    • 仮定:実効容量の20%はFTT=2, 80%はFTT=1のミラーリング
      → (トータル物理容量)=(実効容量)*20% *3 +(実効容量)*80% *2 + バッファ30%

      実効容量=2TB とすると、
      ( 2TB *20% *3 + 2TB *80% *2 ) / 70% = 6.29TB

    • **デザインガイドで 30% を空き容量として残すことが推奨されています。
    • なお、オールフラッシュ構成で 重複排除とデータ圧縮を有効にする際は、容量計算時に考慮ください。
      キャッシュ階層

      実効容量の10%を目安にキャッシュ容量を検討します。これは、必要とするスペックや想定されるIOに応じて容量を検討します。なお、ハイブリッド構成では、70% が Read、30% が Write に使われるのに対し、オールフラッシュ構成では 100% が Write に使われます。

  • ストレージIOPS
    • 必要とされる IOPS を見積もります。
  • CPU
    • 必要な CPU リソース容量を見積った上で、10% をオーバーヘッドとして見込みます。
  • メモリ
    • 必要な メモリ容量を見積った上で、以下の計算式でオーバーヘッドを見込みます。3GB (固定) + ディスクグループ数 * {500MB/ディスクグループ + [ 2MB /SSD GB (ハイブリッド) or 7MB/SSD GB (オールフラッシュ) ] * SSDサイズ }

      ディスクグループ1つ、ハイブリッドモード、SSD 400GBとすると、
      3GB + 1ディスクグループ * { 500MB + ( 2MB/GB * 400GB ) } = 4.3 GB

      ホストのメモリが 32GB を下回る場合、クラスタのホスト数が 32 を越える場合は、一部異なりますので、KB で詳細をご確認ください。
  • ネットワーク
    • ネットワークについては、仮想マシンに必要な帯域を検討した上で、Virtual SAN ネットワークの構成を決めます。ハイブリッドモードの場合は 1GbE の専用物理ネットワークアダプタまたは 10GbE の専用又は共有の物理ネットワークアダプタを利用します。オールフラッシュの場合は 10GbE の専用又は共有の物理ネットワークアダプタで構成します。

§2.Virtual SAN Ready Nodeとは

Virtual SAN のハードウェアは前節で記載した流れでハードウェア個別に選定することが可能ですが、Virtual SAN Ready Node という、テスト済み認定ハードウェアで構成された、Virtual SAN 用検証済みサーバ構成も準備されています。要件に合ったモデルを選択いただくことで、そのままの構成でご利用いただけます。Virtual SAN Ready Node は一覧としてこちらに記載があります。

§2-1.Virtual SAN Ready Node Configuratorの探し方

Virtual SAN Ready Nodeは、互換性ガイドから、Hybrid / All Flash、ESXi のバージョン、ベンダー等の項目を入力して検索することが可能です。

図2.Virtual SAN Ready Node の検索

図2.Virtual SAN Ready Node の検索

この際に、”Ready Node Profile” として、HY 2/4/6/8 または、AF 4/6/8 というシリーズを選択して検索すると、お好みに近いスペックの Virtual SAN Ready Node を見つけることができます。HY 2/4/6/8, AF 4/6/8 という各プロファイルにつきましては、AF がオールフラッシュ、HY がハイブリッドを表し、数字が大きいほどスペックが高い構成になっています。詳細はこちらにございますのでご参照ください。

§2-2.Virtual SAN Ready Node Configuratorの使い方

さて、前節でVirtual SAN Ready Nodeの検索では、検索条件に合致したReady Nodeを一覧で出力しておりましたが、これをスペックベースで選定していける構成のガイドサイトもございます。

図3.Virtual SAN Ready Node Configurator 画面

図3.Virtual SAN Ready Node Configurator 画面

こちらのサイトでは下記の5ステップで、Webページ上で選択していくだけで Virtual SAN Ready Node を選択していくことができます。

①Virtual SANのバージョンを選択します。これは ESXi のバージョンと一対一に対応します。

図4.Virtual SAN のバージョン選択

図4.Virtual SAN のバージョン選択

②プロファイルを AF 4/6/8, HY 2/4/6/8から選択します。AF は All Flash(キャッシュもキャパシティも SSD )、HY はハイブリッド(キャッシュは SSD、キャパシティは HDD )を表します。プロファイルの選択の際には、物理ストレージ容量やキャッシュサイズ、IOPS、サーバとしての CPU、メモリ容量が表示されますので、これをもとに選択できます。

図5.プロファイル選択

図5.プロファイル選択

プロファイルを要件ベースで直感的に選択したい、という場合には ”Profile Selection Wizard” からプロファイル選択のウィザードを開始します。

図6.プロファイル選択ウィザード

図6.プロファイル選択ウィザード

こちらは図のように、CPUのコア数、メモリ容量、ノードあたりの実効容量、IO 負荷のレベルを選択することで、該当するプロファイルを自動的に選択します。ただし、完全に合致するプロファイルは存在しない場合もありますので、選択されたプロファイルのスペックはよくご確認ください。

図7.プロファイル選択済みの状態

図7.プロファイル選択済みの状態

③OEMベンダーを選択します。

図8.ベンダー選択

図8.ベンダー選択

④これまでに選択した条件に合致するモデルが一つまたは複数表示されますので、詳細を確認して希望のモデルを選択します。

図9.モデル選択

図9.モデル選択

⑤”Download Configuration” ボタンから、選択したモデルをPDFファイルでダウンロードできます。

図10.構成のダウンロード

図10.構成のダウンロード

PDFファイルには選択したモデルの詳細が記載されておりますので、保存して検討材料にしていただけます。

図11.ダウンロードされたPDFファイル

図11.ダウンロードされたPDFファイル

**上記では、Virtual SAN Ready Node を探しましたが、Virtual SAN Ready Node を元にカスタマイズしていただくことも可能です。一から構成するよりも互換性の確認が簡単になりますので、大枠は踏襲しつつスペックなどは合うように調整するのがお勧めです。カスタマイズを行った分につきましては改めて互換性の確認をお願いいたします。

§2-3.より詳細なサイジング

より詳細にサイジングを検討したい場合には、“Virtual SAN TCO and Sizing Calculator”というサイトが提供されておりますので、こちらで詳細を検討いただくことも可能です。

§おわりに

ハードの選定が終わってしまえば、構築や拡張は容易に可能な Virtual SAN ですが、はじめての導入ではそもそも何をどう選定すればいいのかも不明確な部分があるかと思います。本エントリでは、基本的なハードウェア選定の流れと、それを大幅に簡略化する ”Virtual SAN Ready Node” を紹介いたしました。Virtual SAN の導入検討の敷居が少しでも下がれば幸いです。

VMware SE 川崎一青

VMware VSAN 入門:
1/4 〜 従来のストレージと VSAN の違い 〜
2/4 〜 信頼性と性能編 〜
3/4 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜

4/4 〜 VSAN のハード構成を考えよう〜