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月別アーカイブ: 2016年4月

VSAN Cormac Blog 〜手動・自動モードについて〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VSAN クラスタの作成は、DRS / vSphere HA クラスタを作成する方法とほぼ同様にできてしまいます。まず、vSphere  HA/DRS クラスタを予め作成、VSAN クラスタを有効にしてからESXiホストを追加することもできますし、最初にESXiホストをクラスタに登録し、その後 VSAN を有効にすることもできます。

VSAN クラスタ :  vsanDatastore を構成するESXi群を指します。

VSAN 機能を有効にすると、手動または自動(デフォルト)の選択画面が表示されます。VSAN がESXiホストの空ディスクを検出し、自動的にVSANにクラスタに追加、もしくは手動でディスクを選択しVSANクラスタに追加することも可能です。

手動モード

VSANクラスタ作成時に手動モードを選択すると、VSAN クラスタ自体は作成されますが、HDDが選択されてないので、vsanDatastoreの容量は0です。 手動モードでは、管理者がESXiホストごとに「ディスクグループ」を作成します。ディスクグループには最大7つのHDD(キャパシティ用途)と1つのSSDディスク(キャッシュ用途)を追加する必要があります。

図1

 

ディスクグループの概念として、ストレージコンテナー(器)として考えることができます。 vsanDatastore のサイズはキャパシティ用途のHDD容量によって決まります。 SSDは、リードキャッシュ機能およびライトバッファとして使われるため、VSAN データストアの容量に含まれません。

VSAN クラスタの拡張時、手動モードで設定されたVSAN クラスタに ESXiを追加する場合、そのESXi ホストからローカルストレージが自動的に VSAN データストアに追加されません。 管理者は手動でディスクグループを作成し、ディスクグループにディスクを追加する必要があります。

 

自動モード

自動モードが選択されている場合、各 ESXi ホスト上の空HDDとSSDを自動的に検出し、各 ESXi ホスト上にディスクグループを構築します。

各ディスクグループにつき1つのSSDが必要になるので、もし各 ESXi ホストに複数SSDがある場合、各 ESXi ホストには複数のディスクグループが作成されます。VSANデータストアが作成されると、VSANクラスタを構成しているメタデータ部分を少し差し引いたHDDの容量がvsanDatastoreのサイズとして反映されます。

VSANクラスタに新しいESXiホストが追加される場合、 ESXi ホストにある使われていないストレージは自動的に VSAN に検出され ディスクグループが作成されます。

最後にディスクグループの最大構成情報 (VSAN 6.2)になります。

-最大 5 ディスクグループ / ESXiホスト
-最大 7 HDD (キャパシティ用途) / ディスクグループ
-最大 1 SSD (キャッシュ用途) / ディスクグループ

VSAN 最大構成詳細に関しては、こちらを参照ください。

原文:Manual or Automatic Mode
VSAN Cormac Blog 日本語版 Index

VMware Virtual SAN 入門 ~Virtual SAN のハード構成を考えよう~

みなさん、こんにちは!VMwareの川崎です。

VMware Virtual SAN 入門シリーズ第 4 弾となる本エントリでは、Virtual SAN の利用を検討され始める際に、ハード構成をどのようにして考えていけばいいのか、という点について書かせていただきます。”Virtual SAN Ready Node” という検証済み構成が準備されており、サーバ OEM ベンダーおよび VMware に推奨されておりますので、基本的にはこの中から要件に合うモデルをご選択いただければ、そのまま利用いただけます。

ただし、中にはご要望に応じたスペックとなるよう個別にカスタマイズされたい場合もあるかと思いますので、本エントリでは、前半で構成要件として抑えるべきポイント、後半で Virtual SAN Ready Node の探し方を記載いたします。

§1.構成要件

まずは、Virtual SAN を構成する際に検討すべき要件を整理していきましょう。

大きくは2点で、互換性とスペックになります。

§1-1.互換性

個別にコンポーネントを選定して構成する場合、サーバ、ストレージコントローラ(パススルー/RAID0)、SSD、HDD、ブートデバイス(USB、SD カード、HDD等)、NIC について、VMware vSphere または Virtual SAN との互換性を確認します。

図1は、vSphere を Virtual SAN を利用する場合、共有ストレージを利用する場合の確認項目を比較しています。注意点としては、Virtual SAN を利用される際は、ストレージコントローラ / SSD / HDD については Virtual SAN の該当バージョンとの互換性を確認する必要があります。(オールフラッシュ構成の際はHDD→SSDとなります。)

図1.互換性確認項目の比較

図1.互換性確認項目の比較

Virtual SAN との互換性を確認する際には、VMware の互換性ガイドを参照します。(ページへは、 こちら を選択後に ”Build Your Own based on Certified Components” を選択して移動します。vSphere との互換性を確認する際には、こちらより各コンポーネントごとにご参照ください。

§1-2.スペック

CPU、メモリ、ストレージ容量、ストレージ IOPS、ネットワーク帯域の要件を検討します。

  • ストレージ容量
    • キャパシティ階層
    • キャパシティ階層の容量は、実効容量をベースに、許容障害数を考慮して下記のようにトータルで必要となる物理容量を計算します。
    • 仮定:実効容量の20%はFTT=2, 80%はFTT=1のミラーリング
      → (トータル物理容量)=(実効容量)*20% *3 +(実効容量)*80% *2 + バッファ30%

      実効容量=2TB とすると、
      ( 2TB *20% *3 + 2TB *80% *2 ) / 70% = 6.29TB

    • **デザインガイドで 30% を空き容量として残すことが推奨されています。
    • なお、オールフラッシュ構成で 重複排除とデータ圧縮を有効にする際は、容量計算時に考慮ください。
      キャッシュ階層

      実効容量の10%を目安にキャッシュ容量を検討します。これは、必要とするスペックや想定されるIOに応じて容量を検討します。なお、ハイブリッド構成では、70% が Read、30% が Write に使われるのに対し、オールフラッシュ構成では 100% が Write に使われます。

  • ストレージIOPS
    • 必要とされる IOPS を見積もります。
  • CPU
    • 必要な CPU リソース容量を見積った上で、10% をオーバーヘッドとして見込みます。
  • メモリ
    • 必要な メモリ容量を見積った上で、以下の計算式でオーバーヘッドを見込みます。3GB (固定) + ディスクグループ数 * {500MB/ディスクグループ + [ 2MB /SSD GB (ハイブリッド) or 7MB/SSD GB (オールフラッシュ) ] * SSDサイズ }

      ディスクグループ1つ、ハイブリッドモード、SSD 400GBとすると、
      3GB + 1ディスクグループ * { 500MB + ( 2MB/GB * 400GB ) } = 4.3 GB

      ホストのメモリが 32GB を下回る場合、クラスタのホスト数が 32 を越える場合は、一部異なりますので、KB で詳細をご確認ください。
  • ネットワーク
    • ネットワークについては、仮想マシンに必要な帯域を検討した上で、Virtual SAN ネットワークの構成を決めます。ハイブリッドモードの場合は 1GbE の専用物理ネットワークアダプタまたは 10GbE の専用又は共有の物理ネットワークアダプタを利用します。オールフラッシュの場合は 10GbE の専用又は共有の物理ネットワークアダプタで構成します。

§2.Virtual SAN Ready Nodeとは

Virtual SAN のハードウェアは前節で記載した流れでハードウェア個別に選定することが可能ですが、Virtual SAN Ready Node という、テスト済み認定ハードウェアで構成された、Virtual SAN 用検証済みサーバ構成も準備されています。要件に合ったモデルを選択いただくことで、そのままの構成でご利用いただけます。Virtual SAN Ready Node は一覧としてこちらに記載があります。

§2-1.Virtual SAN Ready Node Configuratorの探し方

Virtual SAN Ready Nodeは、互換性ガイドから、Hybrid / All Flash、ESXi のバージョン、ベンダー等の項目を入力して検索することが可能です。

図2.Virtual SAN Ready Node の検索

図2.Virtual SAN Ready Node の検索

この際に、”Ready Node Profile” として、HY 2/4/6/8 または、AF 4/6/8 というシリーズを選択して検索すると、お好みに近いスペックの Virtual SAN Ready Node を見つけることができます。HY 2/4/6/8, AF 4/6/8 という各プロファイルにつきましては、AF がオールフラッシュ、HY がハイブリッドを表し、数字が大きいほどスペックが高い構成になっています。詳細はこちらにございますのでご参照ください。

§2-2.Virtual SAN Ready Node Configuratorの使い方

さて、前節でVirtual SAN Ready Nodeの検索では、検索条件に合致したReady Nodeを一覧で出力しておりましたが、これをスペックベースで選定していける構成のガイドサイトもございます。

図3.Virtual SAN Ready Node Configurator 画面

図3.Virtual SAN Ready Node Configurator 画面

こちらのサイトでは下記の5ステップで、Webページ上で選択していくだけで Virtual SAN Ready Node を選択していくことができます。

①Virtual SANのバージョンを選択します。これは ESXi のバージョンと一対一に対応します。

図4.Virtual SAN のバージョン選択

図4.Virtual SAN のバージョン選択

②プロファイルを AF 4/6/8, HY 2/4/6/8から選択します。AF は All Flash(キャッシュもキャパシティも SSD )、HY はハイブリッド(キャッシュは SSD、キャパシティは HDD )を表します。プロファイルの選択の際には、物理ストレージ容量やキャッシュサイズ、IOPS、サーバとしての CPU、メモリ容量が表示されますので、これをもとに選択できます。

図5.プロファイル選択

図5.プロファイル選択

プロファイルを要件ベースで直感的に選択したい、という場合には ”Profile Selection Wizard” からプロファイル選択のウィザードを開始します。

図6.プロファイル選択ウィザード

図6.プロファイル選択ウィザード

こちらは図のように、CPUのコア数、メモリ容量、ノードあたりの実効容量、IO 負荷のレベルを選択することで、該当するプロファイルを自動的に選択します。ただし、完全に合致するプロファイルは存在しない場合もありますので、選択されたプロファイルのスペックはよくご確認ください。

図7.プロファイル選択済みの状態

図7.プロファイル選択済みの状態

③OEMベンダーを選択します。

図8.ベンダー選択

図8.ベンダー選択

④これまでに選択した条件に合致するモデルが一つまたは複数表示されますので、詳細を確認して希望のモデルを選択します。

図9.モデル選択

図9.モデル選択

⑤”Download Configuration” ボタンから、選択したモデルをPDFファイルでダウンロードできます。

図10.構成のダウンロード

図10.構成のダウンロード

PDFファイルには選択したモデルの詳細が記載されておりますので、保存して検討材料にしていただけます。

図11.ダウンロードされたPDFファイル

図11.ダウンロードされたPDFファイル

**上記では、Virtual SAN Ready Node を探しましたが、Virtual SAN Ready Node を元にカスタマイズしていただくことも可能です。一から構成するよりも互換性の確認が簡単になりますので、大枠は踏襲しつつスペックなどは合うように調整するのがお勧めです。カスタマイズを行った分につきましては改めて互換性の確認をお願いいたします。

§2-3.より詳細なサイジング

より詳細にサイジングを検討したい場合には、“Virtual SAN TCO and Sizing Calculator”というサイトが提供されておりますので、こちらで詳細を検討いただくことも可能です。

§おわりに

ハードの選定が終わってしまえば、構築や拡張は容易に可能な Virtual SAN ですが、はじめての導入ではそもそも何をどう選定すればいいのかも不明確な部分があるかと思います。本エントリでは、基本的なハードウェア選定の流れと、それを大幅に簡略化する ”Virtual SAN Ready Node” を紹介いたしました。Virtual SAN の導入検討の敷居が少しでも下がれば幸いです。

VMware SE 川崎一青

VMware VSAN 入門:
1/4 〜 従来のストレージと VSAN の違い 〜
2/4 〜 信頼性と性能編 〜
3/4 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜

4/4 〜 VSAN のハード構成を考えよう〜

 

VSAN Cormac Blog 〜VASAの役割〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VASA と VSAN

VASA (よく “ヴァーサ”と発音してます) とは、vSphere 5.0 で紹介されている vSphere Storage API の拡張版で、 “vSphere Storage API for Storage Awareness ” の頭文字をとっています。 VASA はストレージの管理性を高める機能として vCenter の Plug-in もしくはストレージベンダーが提供するプロバイダー経由で vCenter に統合されています。

補足1 〜 VASA の由来〜

vMotionで仮想マシンがホスト間を移動できるように、 VMDK もStorage vMotion で ストレージを柔軟に行き来できるようになっています。ところが配置しているストレージを変更することによって、パフォーマンスや保護レベル等、いわゆるストレージのサービスレベルが異なることも考えられます。あらかじめこの VASA 経由で LUN や Volume の情報( 例:RAIDレベルだったり、スピンドルの情報など)を vCenter でも把握し、仮想マシンのサービスレベルに応じた配置を適切にできるようにします。

この VASA の仕組みを使ってストレージの情報を吸い上げますが、vCenterとストレージが会話する際、ストレージプロバイダ (VASA プロバイダとも呼ばれます) が必要になります。

このストレージプロバイダはストレージコントローラ上かホスト側 ( アプライアンスとして提供する場合もあります)に存在しています。 VSAN の場合も VASAの仕組みを利用しており、ストレージプロバイダはESXiホスト上に配置されています。

VASA が出た vSphere 5.0時代は、 1 LUN または Datastore に対して1つのストレージ情報 ( =  capability )を扱うことができましたが。vsanDatastoreの場合、複数のストレージ情報(capability)を定義することができます。(図1)

 

図1

VSAN がリリースされた当初、可用性周り、プロビジョニングとパフォーマンンスについて vCenter上でみることができましたが VSAN 6.2 ではさらにこのストレージ情報(capability)の種類が増えています。

ストレージプロバイダの確認

VSAN のストレージプロバイダを確認するには、vSphere Web Clientで確認できます。 vCenter Serverに[Manage]タブを選択し、[Storage Providers]を選択します。( 図2 )

ESXi ホストと VSAN クラスタを示しています。すべての ESXi ホストはストレージプロバイダを持っています、1 ESXi ホストがアクティブ状態になり、残りの ESXi ホストはスタンバイ状態です。

Storage Provider
(図2)

補足2  〜仮想マシン単位でサービスレベルを設定〜
VSAN の特徴として、仮想マシン単位でポリシーを定義できます。
一般的なストレージの場合、事前にRAIDを作成、LUNを切っていき、その上にそのRAIDにあった仮想マシンを乗せていく流れですが、VSANの場合、VASAの仕組みを使って、vsanDatastoreをその仮想マシン単位にあった形態で使用することができるのです。

原文:The role of VASA
VSAN Cormac Blog 日本語版 Index

VSAN Cormac Blog 〜 VSAN におけるオブジェクトとコンポーネントの考え方〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VSANにおけるオブジェクトとコンポーネントの概念

VSANを理解する大事なポイントとして、”オブジェクト”と”コンポーネント”の理解が大切になってきます。
VSANに展開された仮想マシンは、4種類のオブジェクト(コンポーネントの集合体)が展開されます。

  • 仮想マシン ホーム or ”ネームスペース ディレクトリ”
  • スワップオブジェクト( 仮想マシンがPower on状態 )
  • 仮想ディスク / VMDK
  • スナップショット時のDelta-Disks(差分ディスク) それぞれの差分ディスクはオブジェクト

仮想マシンホームについて補足します。全ての仮想マシンファイル ( 仮想マシンディスク、差分、スワップファイル以外 ) については、VSANの仮想マシンホームに格納されています。.vmxファイル、 .logファイル、 .vmdk & snapshot差分ディスクリプタ等、仮想マシンホーム(VM Home)にあります。

コンポーネントは何でしょうか?
仮想マシンを展開するとオブジェクトがVSAN上に展開されます。コンポーネントはそのオブジェクトの枝のようなイメージです。

図1

例えばある仮想ディスクをVSAN上にRAID-0  / 2ストライプで展開すると、2の物理的なディスクに仮想マシンが展開されます。仮想ディスク = VMDK はオブジェクトです。そのオブジェクトに紐付いているストライプがコンポーネントとなります。

クラスタ内で1台のホスト障害に耐久性を持たせようとする設定は、 VMDK ( = オブジェクト) に対してRAID1、コンポーネントを2つのホストに配置することを意味します。ポリシー設定については、こちらを参照ください。

スナップショット作成時には差分ディスクが作成されます。この差分ディスクのポリシーは親Diskのポリシーを引き継ぎます。スワップオブジェクトは仮想マシンがPower onの時のみ作成されます。

VSANにおけるコンポーネント数の制限です。

    • コンポーネント数、ホストあたり 9000 ( VSAN 6.xの上限 )

詳細はVMware Virtual SAN™ 6.2 Design and Sizing Guideもご覧ください。

ホストあたりのコンポーネント数は電源オフの仮想マシンも含まれます。 VSAN はクラスタ内で均等にコンポーネントを分散するようにしていますが、多少のばらつきもあり得ます。VSANクラスタを展開する際、同じスペック / 設定のホストを準備しましょう。VSANクラスタをデザイン展開する際、コンポーネント数は十分考慮しましょう。

vSphere Web Clientでこの仮想マシンのVMホームネームスペースやVMDKのオブジェクト、コンポーネントをみることができます。こちらはそのサンプルです。この仮想マシンは一つのハードディスクを持っておりミラーされております。(異なるホストに配置されてますね!)

11.-Physical-Disk-Placement

原文:Understanding Objects and Components

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VMware Virtual SAN 入門 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜

みなさん、こんにちは!
VMware Virtual SAN 入門シリーズ第 3 弾となる本エントリでは、VMware のハンズオンラボを利用して Virtual SAN ( VSAN ) の構築に挑戦してみましょう。
~ ハンズオンラボとは ~

ハンズオンラボとは、Web ブラウザから VMware 製品の実機を操作できるサービスです ( 図 1 )。誰でも簡単かつ無償で VMware 製品を評価することができます。詳細については、過去のブログ 「日本語環境が増えました!VMware製品の無償評価環境 ハンズオンラボ」 をご覧ください。
今回対象となるラボは、 「HOL-SDC-1608 – Virtual SAN 6の新機能」 です。
HandsOnLabConsole

図 1 . ハンズオンラボ ( 右側の操作手順に従うことで、VMware 製品の操作を体感できる )

ハンズオンラボは実機を操作するうえで非常に便利ですが、操作マニュアルに従っているだけでは全体のイメージがわかないことも多いと思います。そこで、本エントリでは VSAN の構築から利用までの流れをイメージできるよう図を多用しつつ、各手順の位置づけを解説していきます。本ブログ記事には、該当するラボの手順を ( 手順 〇 ~ 〇 ) のように示していますので、ぜひ皆さんもこのブログを読みながら一緒に操作してみてください。
それでは、始めましょう !
~ VSAN ハンズオンラボ ~

VSAN のハンズオンラボ 「HOL-SDC-1608 – Virtual SAN 6の新機能」 では、 VSAN の設定から利用までを 3 ステップで簡単に体感できます ( 図 2 )。
構築ステップ

図 2 . VSAN 構築・利用の 3 ステップ
  – STEP 1 . VSAN 設定 ( 手順 20 ~ 41 )
VSAN を構成し、データストアとして利用できるようにします ( 図 3 ) 。

– STEP 2 . ストレージポリシー作成 ( 手順 51 ~ 78 )
VSAN 独自のストレージポリシー ( ストライピング数やミラー数の指定 ) を作成します。

– STEP 3 . ストレージポリシー適用 ( 手順 79 ~ 116 )
STEP 2 で作成したストレージポリシーを仮想マシンへ適用します。
vsanDatastore_DiskGroup_01

図 3 . VSAN データストアの完成イメージ

では、実際にラボを操作して具体的な手順について見ていきましょう。
§ STEP 1 . VSAN 設定 ( 手順 20 ~ 41 )

まずは、VSAN を構成するところからです。
VSAN の構成は非常に簡単であり、下記の 2 ステップで OK です。

① VSAN ネットワークをセットアップする ( 手順 23 ~ 34 )
② クラスタ上で VSAN を有効にする ( 手順 35 ~ 41 )
① VSAN ネットワークをセットアップする ( 手順 23 ~ 34 )

今回のハンズオンラボ環境では既に VSAN ネットワークを設定済みですが、 esx01-a ホストだけ VSAN ネットワークに未接続の状態になっています。そのため、手順 23 ~ 34 で esx01-a ホストを VSAN ネットワークに参加させます ( 図 4 の「VMKernel アダプタの追加」参照 )。
NW構成図_01

図 4 . VSAN ネットワーク ( VMKernel アダプタ ) の設定

VSAN ネットワークへのホスト追加には VMKernel アダプタを使用しますが、この際「仮想 SAN トラフィックの有効化」のチェックボックスを ON にします ( 手順 23 ~ 34 ) ( 図 5 )。
VSANの有効化

図 5 . 仮想 SAN トラフィックの有効化

これで VSAN ネットワークのセットアップが完了しました。
各ホストに仮想スイッチの設定を施すのは大変だと思われた方もいらっしゃると思いますが、じつは VSAN を購入すると分散仮想スイッチ ( vDS ) の使用権が自動で付与 されます。このため、 vSphere のエディションに関わりなく、 vDS を利用して簡単にネットワーク設定ができます。
② クラスタ上で VSAN を有効にする ( 手順 35 ~ 41 )

VSAN ネットワークが構成できたら、あとは ESXi クラスタの設定から VSAN を有効化するだけです ( 図 6 ) 。VSAN を有効化する際には、ディスクグループの作成を「手動」と「自動」のどちらで行うかを指定します。「手動」を選択した場合は、ディスクグループとなる SSD ( キャッシュ領域 ) と HDD ( キャパシティ領域 ) の組み合わせを任意に変更できるようになります。
VSANクラスタON

図 6 . クラスタ上で VSAN を有効にする

今回の VSAN のハンズオンラボ環境では、ホスト esx-01a ~ esx-03a に、それぞれ SSD が 2 つ、HDD が 4 つ内蔵されているため、各ホストに Disk Group が 2 つずつ構成されます ( 図 7 )。
vsanDatastore_DiskGroup_01

図 7 . Disk Group と VSAN データストア

VSAN の設定は以上です。非常に簡単ですね。
§ STEP 2 . ストレージポリシーの作成 ( 手順 51 ~ 78 )

VSAN の設定が完了したので、次はストレージポリシーを作成していきます。
ストレージポリシーを定義する方法には 2 種類あります。「タグに基づくルール」「データサービスに基づくルール」 です ( 図 8 )。
ストレージポリシー_ルール_02

図 8 . ストレージポリシーのルールセット
「データサービスに基づくルール」 と 「タグに基づくルール」

・ タグに基づくルール ( ポリシー作成手順 51 ~ 68 )
タグに基づくルールでは、データストアに紐付けた vSphere タグ ( ② ) をストレージポリシーで指定します ( ④ )。仮想マシンにこのストレージポリシーを適用すると、仮想マシンはタグが割り当てられているストレージに自動的に展開されます ( ⑤ )。

・ データサービスに基づくルール ( ポリシー作成手順 69 ~ 78 ) ( VSAN、VVol など )
データサービスに基づくルールでは、VASA Provider がストレージ機能を vCenter Server に通知するため ( ① ) 、ストレージポリシーの作成にあたり、 vSphere タグを利用する必要はありません ( ② )。仮想マシンにこのストレージポリシーを適用すると、仮想マシンはポリシー内で定義されたサービスに基づいて展開されます ( ③ )。定義できるストレージサービスは、ストレージの種類によって異なります。VSAN 6.0 の場合、下記のサービス定義が可能になっています ( 図 9 )。

VSAN 6.0 で定義可能なストレージサービス ( ストレージポリシー )
– 許容する障害の数
– オブジェクトあたりのディスクストライプの数
– フラッシュ読み取りキャッシュの予約 ( % )
– 強制プロビジョニング
– オブジェクトスペースの予約 ( % )
NewVSANPolicy

図 9 . VSAN ストレージポリシーの作成

「タグに基づくルール」では、事前にストレージ側 ( LUN ) でサービスレベルを設定しておく必要がありますが、「データサービスに基づくルール」では、データストアを構成した後からストレージポリシーでサービスレベルの設定が可能です。後者の方が、柔軟かつ多彩なストレージポリシーを定義できることがお分かりいただけると思います。
§ STEP 3 . ストレージポリシーを仮想マシンへ適用 ( 手順 79 ~ 116 )

VSAN ストレージポリシーが作成できたら、後はこれを仮想マシンに適用するだけです。ストレージポリシーを仮想マシンに適用するタイミングには、仮想マシンのデータストア移行時 ( 手順 81 ~ 88 ) と仮想マシンの新規作成時 ( 手順 109 ~ 116 ) の 2 つがあります。
また、ストレージポリシーを変更する際は、そのポリシーで展開済みの仮想マシンに直ちに変更を適用するかどうかを設定可能になっています ( 手順 134 ~ 145 )。

ストレージポリシーの適用ができたら、実際に仮想マシンのディスクが VSAN の各 Disk Group にどのように配置されているかを確認してみましょう。確認は仮想マシンの監視画面から可能です ( 手順 116 、141 ) ( 図 10 )。

例えば、今回のハンズオンラボの 手順 141 時点で適用されている VSAN のストレージポリシーは、下記のとおりです。
– 許容する障害の数 : 1
– オブジェクトあたりのディスク ストライプの数 : 3
したがって、図 10 に示したように「許容する障害の数 : 1 」によって仮想マシン ( Windows2008 ) のディスクのオブジェクトが 2 つにミラーリング ( RAID 1 ) され、「オブジェクトあたりのディスク ストライプの数 : 3 」によってそれぞれが 3 つのコンポーネントにストライピング ( RAID 0 ) されていることが確認できます。
VSANPolicy適用確認

図 10 . VSAN ストレージポリシーの適用確認

本ブログの VSAN ハンズオンラボ解説はここまでとさせていただきますが、同ラボでは VSAN クラスタの拡張や障害時対応など、他にも様々な操作を試すことができます。
これ以降のラボ手順についても、ぜひお時間があるときに実施してみてください。本ブログでお伝えした基本をご理解いただければ、楽しみながら進めていただけると思います。
~ おわりに ~

今回のブログエントリは、ハンズオンラボの解説という初の試みでしたが、お楽しみいただけたでしょうか?
本ブログで一番にお伝えしたかったことは、やはり 「VSAN は非常に簡単 & 便利」 ということになりますが、今回利用したハンズオンラボにも興味を持っていただければ幸いです。
VMware VSAN 入門:
1/4 〜 従来のストレージと VSAN の違い 〜
2/4 〜 信頼性と性能編 〜
3/4 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜(本記事)
4/4 〜 VSAN Ready Nodeとは〜

VMware SE 氏田裕次