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vCloud Airを使った災害対策 〜概要編〜

ソフトバンクC&Sの幸田さまに7月に機能強化されたvCloud Air のDisaster Recoveryサービスについて3回に分けて寄稿していただきます。それでは幸田さま、よろしくお願いいたします!!


みなさまこんにちは、ソフトバンクC&Sの幸田です。
わたしから、機能強化されたVMware vCloud AirのDRサービス、通称「DR 2.0」をご紹介させていただきます。

第1回:vCloud Air DR 2.0 概要編(本編)
第2回:vCloud Air DR 2.0 構築編
(前半)vSphere Replication のデプロイ
・(後半)vCloud Air を退避先として登録/仮想マシンの保護設定
第3回:vCloud Air DR 2.0 活用編
(前半) フェイルオーバー試験テスト/フェイルオーバー
(後半)フェイルバック

2014年11月より日本データセンタでのサービス提供を開始したvCloud Airでは、新しいサービスや機能強化がワールドワイドで次々と実装されています。 災害対策専用のサービスメニューであるDisaster Recovery(以下、DR)は米国で数多くの導入実績があり、日本でも提供開始当初から注目度の大変高いサービスです。このDRについての大幅な機能強化が、2015年7月に実装されました。

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今回は1回目の概要編として、強化された各機能の概要をご紹介します。DR 2.0では、次の3つの機能強化が行われました。

・複数のリカバリポイント
・ネイティブ フェイルバックへの対応
・セルフサービスによる自動化

複数のリカバリポイントを利用可能

従来のDRでは、仮想マシンのリカバリポイントは1世代のみでした。仮想マシンは「最後にレプリケーションを行ったときの状態」にのみ戻すことができました。オンプレミス環境にトラブルが起きて、クラウド環境へ本番運用を切り替えようとするとき、最後にレプリケーションされた時点の仮想マシンはすでにトラブルの影響を受けており、正常な状態ではなくなっていた、という場合が考えられます。

このような場合、クラウド側へ1世代のみのバックアップしか保持できない従来のDRでは、クラウド側に本番運用を切り替えたとしても、トラブルの影響を受けた状態の仮想マシンを立ち上げることしかできません。それ以前の状態に戻したくても、すでに正常な時点 の仮想マシンの状態はクラウド上には保持されていないためです。

DR 2.0では、複数世代のリカバリポイントを保持することができるようになりました。そのため上述のような場合も、トラブルの影響を受けていなかった時点の仮想マシンを保持していますので、正常な状態の仮想マシンをクラウド側で起動することが可能です。

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ネイティブフェイルバックへの対応

クラウド側に本番運用を切り替えた後に、オンプレミス環境が復旧した場合、クラウド側で運用していた仮想マシンをオンプレミス環境へ戻す作業、すなわちフェイルバックが必要となります。
従来のDRでは、オンプレミス側にvCloud Connectorという仮想アプライアンスを構成してフェイルバックを行う必要がありました。VMware純正の無償ツールであり、仮想マシンをオンプレミスとクラウドの間で自由に移行させることのできる大変有用なツールです。しかしながら、例えばオンプレミスが一時的な不調に陥ったためにフェイルオーバーを行った後などは、フェイルバックのためだけにこのツールのインストール・セットアップを行うことは少々骨の折れる作業に感じられることも事実でした。

DR 2.0では、オンプレミスからクラウド側へのレプリケーションを行う仮想アプライアンスであるvSphere Replicationによって、クラウド側からオンプレミスへのレプリケーション、すなわちフェイルバックをも行うことができるようになりました。このため、フェイルバックに際してvCloud Connectorのインストール・セットアップは不要となりました。

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プラグイン連携

オンプレミスが災害など万が一の状況に見舞われた場合、クラウド側へ本番運用を切り替えるには手動での作業がある程度必要となります。DRの利用に際しては、従来から標準搭載されているフェイルオーバーのテスト機能を用いて、いわば「避難訓練」を行い、切り替えに伴う作業手順を明確にしておく等の備えを行うことが肝要です。しかしながら、より確実にフェイルオーバーを行うには、作業をできる限り自動化しておくことが理想的です。まさにこの切り替え作業の自動化を実現するのが、3つめとしてご紹介するDRのプラグイン連携機能です。

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VMwareが以前から提供している自動化ツールであるvRealize Orchestrator のプラグインを用いて、DR 2.0に新たに備えられたAPIを実行し、切り替えに伴う作業を自動化することができるようになりました。

以上、DR 2.0における機能強化の概要をご紹介しました。
2回目となる次回の構築編では、DR2.0によってオンプレミスの仮想マシンを保護する方法をご紹介します!

第1回:vCloud Air DR 2.0 概要編
第2回:vCloud Air DR 2.0 構築編
(前半)vSphere Replication のデプロイ
・(後半)vCloud Air を退避先として登録/仮想マシンの保護設定
第3回:vCloud Air DR 2.0 活用編
(前半) フェイルオーバー試験テスト/フェイルオーバー
(後半)フェイルバック