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VSAN Cormac Blog 〜 管理クラスタを含んだVSANデータストアの復旧シナリオ〜

〜管理クラスタを含んだVSANデータストアの復旧シナリオ〜

こちらのポストでは、管理クラスタが含まれているVSANデータストアに障害が発生した際の復旧方法についてご紹介させて頂きます。

我々のLabにあるサーバの一台で興味深い事象が発生しました。4ノードのクラスタの1台のホストで、そのホスト上のストレージがVSANデータストアとして利用出来なくなるというトラブルです。VSANには自動復旧させる機能が実装されているので、障害が発生した際には可能な限り多くのVMを再保護しようとします。しかしVSANデータストアの容量が限界になった時に発報されるWarningを無視したことによって、VSANデータストアを失う羽目になりました。このVSAN環境は私たちの管理クラスタとしての機能も含まれていて、vCenter Server、DNS/AD及び、VDPやView等の他のアプリケーションも配置されています。

こちらがその際に出力されたWarningです。
注:ホスト障害を対処する為に十分な容量がないことを示しています – 全てのVMを再保護する為には、120%の利用可能なストレージ容量が必要。(今後、この警告を無視してはいけない)

limits-failure

掻い摘んでお話しますと、容量を増やして当初のVSANの問題は解消され、次に仮想マシンを起動させる必要がありました。vCenterサーバやDNS/ADサーバなどの仮想マシンのvmware.logを調査することによって、仮想ディスクが容量不足になっていることを確認できました。もちろん、その仮想マシンがディスクを使い果たした時にはサスペンドされますが、これはデータストア上の仮想マシンの通常の動きであり、VSANに限ったお話ではありません。

2016-04-17T09:50:05.280Z| vmx| I120: Msg_Question:
2016-04-17T09:50:05.280Z| vmx| I120: [msg.hbacommon.outofspace] There is no \
more space for virtual disk mgmt-vc01.rainpole.com_6.vmd
2016-04-17T09:50:05.280Z| vmx| I120: ----------------------------------------
2016-04-17T09:50:25.278Z| vcpu-0| I120: Tools: Tools heartbeat timeout.
2016-04-17T09:54:05.650Z| vmx| I120: Timing out dialog 1510834
2016-04-17T09:54:05.651Z| vmx| I120: Vigor_MessageRevoke: message \
'msg.hbacommon.outofspace' (seq 1510834) is revoked
2016-04-17T09:54:05.651Z| vmx| I120: MsgQuestion: msg.hbacommon.outofspace reply=0
2016-04-17T09:54:05.687Z| vmx| I120: Msg_Question:
2016-04-17T09:54:05.687Z| vmx| I120: [msg.hbacommon.outofspace] There is no \
more space for virtual disk mgmt-vc01.rainpole.com_6.vmd
2016-04-17T09:54:05.687Z| vmx| I120: ----------------------------------------
2016-04-17T09:58:06.664Z| vmx| I120: Timing out dialog 1510835

その時点でvCenterにアクセスすることが出来ませんでしたので、このメッセージに対してどのように対応すればいいのかを検討し、CLIコマンドである、”vim-cmd”コマンドを実行してみることにしました。AD/DNSサーバ(dc01.rainpole.com)から始めてみます。最初にVM idが必要になりますので、ESXi上に配置されているVM idを以下のコマンドで確認します。

[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/getallvms
Vmid            Name                                                 
15     vVNX                     [vsanDatastore] ...
16     vdp-01.rainpole.com      [vsanDatastore] ...
20     dc01.rainpole.com        [vsanDatastore] ...
22     appvolmgr.rainpole.com   [vsanDatastore] ...
24     HCIBench                 [vsanDatastore] ...

次に、以下のコマンドでVMにメッセージが表示されていないか確認します。

[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20 
Virtual machine message 6034178:
There is no more space for virtual disk \
dc01-rainpole.com.vmdk. You might be able to continue this \
session by freeing disk space on the relevant volume, \
and clicking Retry. Click Cancel to terminate this session. 
   0. button.retry (Retry) [default]
   1. button.abort (Cancel)

次のコマンドで、出力されているメッセージを対処します。注:メッセージ id 6034178に対して、”0″(0. button.retry (Retry) [default])を実行。問題なく処理できたことが確認出来ます。

[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20 6034178 0
[root@esxi-hp-01:~]

引続き、メッセージが残されているか確認してみます。もしメッセージが表示された場合は新しいメッセージidを使い、もう一度同じコマンドを実行する必要があります。注:必要に応じて何回か繰り返します

[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20
Virtual machine message 6034179:
There is no more space for virtual disk \
dc01-rainpole.com.vmdk. You might be able to continue this \
session by freeing disk space on the relevant volume, and \
clicking Retry. Click Cancel to terminate this session. 
   0. button.retry (Retry) [default]
   1. button.abort (Cancel)
[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20 6034179 0
[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20 
Virtual machine message 6034180:
There is no more space for virtual disk \
dc01-rainpole.com.vmdk. You might be able to continue this \
session by freeing disk space on the relevant volume, and \
clicking Retry. Click Cancel to terminate this session. 
   0. button.retry (Retry) [default]
   1. button.abort (Cancel)
[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20 6034180 0
[root@esxi-hp-01:~] vim-cmd /vmsvc/message 20 
No message.
[root@esxi-hp-01:~]

全てのメッセージに対処し、最終的にはメッセージが出力されなくなります(”No message.”)。次は同様の方法でvCenterサーバを起動させます。vCenterサーバが起動したら各種クライアントから接続し、未解決の問題に対応します。

 

原文:Recovering from a full VSAN datastore scenario
VMware Storage and Availability Business Unitの シニアスタッフエンジニアCormac Horganの個人ブログを翻訳したものになります。VSANの詳細に関しては弊社マニュアル 、KBをご確認ください。また本記事は VSAN 6.2ベースに記載しております。予めご了承ください

VSAN Cormac Blog 〜手動・自動モードについて〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VSAN クラスタの作成は、DRS / vSphere HA クラスタを作成する方法とほぼ同様にできてしまいます。まず、vSphere  HA/DRS クラスタを予め作成、VSAN クラスタを有効にしてからESXiホストを追加することもできますし、最初にESXiホストをクラスタに登録し、その後 VSAN を有効にすることもできます。

VSAN クラスタ :  vsanDatastore を構成するESXi群を指します。

VSAN 機能を有効にすると、手動または自動(デフォルト)の選択画面が表示されます。VSAN がESXiホストの空ディスクを検出し、自動的にVSANにクラスタに追加、もしくは手動でディスクを選択しVSANクラスタに追加することも可能です。

手動モード

VSANクラスタ作成時に手動モードを選択すると、VSAN クラスタ自体は作成されますが、HDDが選択されてないので、vsanDatastoreの容量は0です。 手動モードでは、管理者がESXiホストごとに「ディスクグループ」を作成します。ディスクグループには最大7つのHDD(キャパシティ用途)と1つのSSDディスク(キャッシュ用途)を追加する必要があります。

図1

 

ディスクグループの概念として、ストレージコンテナー(器)として考えることができます。 vsanDatastore のサイズはキャパシティ用途のHDD容量によって決まります。 SSDは、リードキャッシュ機能およびライトバッファとして使われるため、VSAN データストアの容量に含まれません。

VSAN クラスタの拡張時、手動モードで設定されたVSAN クラスタに ESXiを追加する場合、そのESXi ホストからローカルストレージが自動的に VSAN データストアに追加されません。 管理者は手動でディスクグループを作成し、ディスクグループにディスクを追加する必要があります。

 

自動モード

自動モードが選択されている場合、各 ESXi ホスト上の空HDDとSSDを自動的に検出し、各 ESXi ホスト上にディスクグループを構築します。

各ディスクグループにつき1つのSSDが必要になるので、もし各 ESXi ホストに複数SSDがある場合、各 ESXi ホストには複数のディスクグループが作成されます。VSANデータストアが作成されると、VSANクラスタを構成しているメタデータ部分を少し差し引いたHDDの容量がvsanDatastoreのサイズとして反映されます。

VSANクラスタに新しいESXiホストが追加される場合、 ESXi ホストにある使われていないストレージは自動的に VSAN に検出され ディスクグループが作成されます。

最後にディスクグループの最大構成情報 (VSAN 6.2)になります。

-最大 5 ディスクグループ / ESXiホスト
-最大 7 HDD (キャパシティ用途) / ディスクグループ
-最大 1 SSD (キャッシュ用途) / ディスクグループ

VSAN 最大構成詳細に関しては、こちらを参照ください。

原文:Manual or Automatic Mode
VSAN Cormac Blog 日本語版 Index

VMware Virtual SAN 入門 ~Virtual SAN のハード構成を考えよう~

みなさん、こんにちは!VMwareの川崎です。

VMware Virtual SAN 入門シリーズ第 4 弾となる本エントリでは、Virtual SAN の利用を検討され始める際に、ハード構成をどのようにして考えていけばいいのか、という点について書かせていただきます。”Virtual SAN Ready Node” という検証済み構成が準備されており、サーバ OEM ベンダーおよび VMware に推奨されておりますので、基本的にはこの中から要件に合うモデルをご選択いただければ、そのまま利用いただけます。

ただし、中にはご要望に応じたスペックとなるよう個別にカスタマイズされたい場合もあるかと思いますので、本エントリでは、前半で構成要件として抑えるべきポイント、後半で Virtual SAN Ready Node の探し方を記載いたします。

§1.構成要件

まずは、Virtual SAN を構成する際に検討すべき要件を整理していきましょう。

大きくは2点で、互換性とスペックになります。

§1-1.互換性

個別にコンポーネントを選定して構成する場合、サーバ、ストレージコントローラ(パススルー/RAID0)、SSD、HDD、ブートデバイス(USB、SD カード、HDD等)、NIC について、VMware vSphere または Virtual SAN との互換性を確認します。

図1は、vSphere を Virtual SAN を利用する場合、共有ストレージを利用する場合の確認項目を比較しています。注意点としては、Virtual SAN を利用される際は、ストレージコントローラ / SSD / HDD については Virtual SAN の該当バージョンとの互換性を確認する必要があります。(オールフラッシュ構成の際はHDD→SSDとなります。)

図1.互換性確認項目の比較

図1.互換性確認項目の比較

Virtual SAN との互換性を確認する際には、VMware の互換性ガイドを参照します。(ページへは、 こちら を選択後に ”Build Your Own based on Certified Components” を選択して移動します。vSphere との互換性を確認する際には、こちらより各コンポーネントごとにご参照ください。

§1-2.スペック

CPU、メモリ、ストレージ容量、ストレージ IOPS、ネットワーク帯域の要件を検討します。

  • ストレージ容量
    • キャパシティ階層
    • キャパシティ階層の容量は、実効容量をベースに、許容障害数を考慮して下記のようにトータルで必要となる物理容量を計算します。
    • 仮定:実効容量の20%はFTT=2, 80%はFTT=1のミラーリング
      → (トータル物理容量)=(実効容量)*20% *3 +(実効容量)*80% *2 + バッファ30%

      実効容量=2TB とすると、
      ( 2TB *20% *3 + 2TB *80% *2 ) / 70% = 6.29TB

    • **デザインガイドで 30% を空き容量として残すことが推奨されています。
    • なお、オールフラッシュ構成で 重複排除とデータ圧縮を有効にする際は、容量計算時に考慮ください。
      キャッシュ階層

      実効容量の10%を目安にキャッシュ容量を検討します。これは、必要とするスペックや想定されるIOに応じて容量を検討します。なお、ハイブリッド構成では、70% が Read、30% が Write に使われるのに対し、オールフラッシュ構成では 100% が Write に使われます。

  • ストレージIOPS
    • 必要とされる IOPS を見積もります。
  • CPU
    • 必要な CPU リソース容量を見積った上で、10% をオーバーヘッドとして見込みます。
  • メモリ
    • 必要な メモリ容量を見積った上で、以下の計算式でオーバーヘッドを見込みます。3GB (固定) + ディスクグループ数 * {500MB/ディスクグループ + [ 2MB /SSD GB (ハイブリッド) or 7MB/SSD GB (オールフラッシュ) ] * SSDサイズ }

      ディスクグループ1つ、ハイブリッドモード、SSD 400GBとすると、
      3GB + 1ディスクグループ * { 500MB + ( 2MB/GB * 400GB ) } = 4.3 GB

      ホストのメモリが 32GB を下回る場合、クラスタのホスト数が 32 を越える場合は、一部異なりますので、KB で詳細をご確認ください。
  • ネットワーク
    • ネットワークについては、仮想マシンに必要な帯域を検討した上で、Virtual SAN ネットワークの構成を決めます。ハイブリッドモードの場合は 1GbE の専用物理ネットワークアダプタまたは 10GbE の専用又は共有の物理ネットワークアダプタを利用します。オールフラッシュの場合は 10GbE の専用又は共有の物理ネットワークアダプタで構成します。

§2.Virtual SAN Ready Nodeとは

Virtual SAN のハードウェアは前節で記載した流れでハードウェア個別に選定することが可能ですが、Virtual SAN Ready Node という、テスト済み認定ハードウェアで構成された、Virtual SAN 用検証済みサーバ構成も準備されています。要件に合ったモデルを選択いただくことで、そのままの構成でご利用いただけます。Virtual SAN Ready Node は一覧としてこちらに記載があります。

§2-1.Virtual SAN Ready Node Configuratorの探し方

Virtual SAN Ready Nodeは、互換性ガイドから、Hybrid / All Flash、ESXi のバージョン、ベンダー等の項目を入力して検索することが可能です。

図2.Virtual SAN Ready Node の検索

図2.Virtual SAN Ready Node の検索

この際に、”Ready Node Profile” として、HY 2/4/6/8 または、AF 4/6/8 というシリーズを選択して検索すると、お好みに近いスペックの Virtual SAN Ready Node を見つけることができます。HY 2/4/6/8, AF 4/6/8 という各プロファイルにつきましては、AF がオールフラッシュ、HY がハイブリッドを表し、数字が大きいほどスペックが高い構成になっています。詳細はこちらにございますのでご参照ください。

§2-2.Virtual SAN Ready Node Configuratorの使い方

さて、前節でVirtual SAN Ready Nodeの検索では、検索条件に合致したReady Nodeを一覧で出力しておりましたが、これをスペックベースで選定していける構成のガイドサイトもございます。

図3.Virtual SAN Ready Node Configurator 画面

図3.Virtual SAN Ready Node Configurator 画面

こちらのサイトでは下記の5ステップで、Webページ上で選択していくだけで Virtual SAN Ready Node を選択していくことができます。

①Virtual SANのバージョンを選択します。これは ESXi のバージョンと一対一に対応します。

図4.Virtual SAN のバージョン選択

図4.Virtual SAN のバージョン選択

②プロファイルを AF 4/6/8, HY 2/4/6/8から選択します。AF は All Flash(キャッシュもキャパシティも SSD )、HY はハイブリッド(キャッシュは SSD、キャパシティは HDD )を表します。プロファイルの選択の際には、物理ストレージ容量やキャッシュサイズ、IOPS、サーバとしての CPU、メモリ容量が表示されますので、これをもとに選択できます。

図5.プロファイル選択

図5.プロファイル選択

プロファイルを要件ベースで直感的に選択したい、という場合には ”Profile Selection Wizard” からプロファイル選択のウィザードを開始します。

図6.プロファイル選択ウィザード

図6.プロファイル選択ウィザード

こちらは図のように、CPUのコア数、メモリ容量、ノードあたりの実効容量、IO 負荷のレベルを選択することで、該当するプロファイルを自動的に選択します。ただし、完全に合致するプロファイルは存在しない場合もありますので、選択されたプロファイルのスペックはよくご確認ください。

図7.プロファイル選択済みの状態

図7.プロファイル選択済みの状態

③OEMベンダーを選択します。

図8.ベンダー選択

図8.ベンダー選択

④これまでに選択した条件に合致するモデルが一つまたは複数表示されますので、詳細を確認して希望のモデルを選択します。

図9.モデル選択

図9.モデル選択

⑤”Download Configuration” ボタンから、選択したモデルをPDFファイルでダウンロードできます。

図10.構成のダウンロード

図10.構成のダウンロード

PDFファイルには選択したモデルの詳細が記載されておりますので、保存して検討材料にしていただけます。

図11.ダウンロードされたPDFファイル

図11.ダウンロードされたPDFファイル

**上記では、Virtual SAN Ready Node を探しましたが、Virtual SAN Ready Node を元にカスタマイズしていただくことも可能です。一から構成するよりも互換性の確認が簡単になりますので、大枠は踏襲しつつスペックなどは合うように調整するのがお勧めです。カスタマイズを行った分につきましては改めて互換性の確認をお願いいたします。

§2-3.より詳細なサイジング

より詳細にサイジングを検討したい場合には、“Virtual SAN TCO and Sizing Calculator”というサイトが提供されておりますので、こちらで詳細を検討いただくことも可能です。

§おわりに

ハードの選定が終わってしまえば、構築や拡張は容易に可能な Virtual SAN ですが、はじめての導入ではそもそも何をどう選定すればいいのかも不明確な部分があるかと思います。本エントリでは、基本的なハードウェア選定の流れと、それを大幅に簡略化する ”Virtual SAN Ready Node” を紹介いたしました。Virtual SAN の導入検討の敷居が少しでも下がれば幸いです。

VMware SE 川崎一青

VMware VSAN 入門:
1/4 〜 従来のストレージと VSAN の違い 〜
2/4 〜 信頼性と性能編 〜
3/4 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜

4/4 〜 VSAN のハード構成を考えよう〜

 

VSAN Cormac Blog 〜VASAの役割〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VASA と VSAN

VASA (よく “ヴァーサ”と発音してます) とは、vSphere 5.0 で紹介されている vSphere Storage API の拡張版で、 “vSphere Storage API for Storage Awareness ” の頭文字をとっています。 VASA はストレージの管理性を高める機能として vCenter の Plug-in もしくはストレージベンダーが提供するプロバイダー経由で vCenter に統合されています。

補足1 〜 VASA の由来〜

vMotionで仮想マシンがホスト間を移動できるように、 VMDK もStorage vMotion で ストレージを柔軟に行き来できるようになっています。ところが配置しているストレージを変更することによって、パフォーマンスや保護レベル等、いわゆるストレージのサービスレベルが異なることも考えられます。あらかじめこの VASA 経由で LUN や Volume の情報( 例:RAIDレベルだったり、スピンドルの情報など)を vCenter でも把握し、仮想マシンのサービスレベルに応じた配置を適切にできるようにします。

この VASA の仕組みを使ってストレージの情報を吸い上げますが、vCenterとストレージが会話する際、ストレージプロバイダ (VASA プロバイダとも呼ばれます) が必要になります。

このストレージプロバイダはストレージコントローラ上かホスト側 ( アプライアンスとして提供する場合もあります)に存在しています。 VSAN の場合も VASAの仕組みを利用しており、ストレージプロバイダはESXiホスト上に配置されています。

VASA が出た vSphere 5.0時代は、 1 LUN または Datastore に対して1つのストレージ情報 ( =  capability )を扱うことができましたが。vsanDatastoreの場合、複数のストレージ情報(capability)を定義することができます。(図1)

 

図1

VSAN がリリースされた当初、可用性周り、プロビジョニングとパフォーマンンスについて vCenter上でみることができましたが VSAN 6.2 ではさらにこのストレージ情報(capability)の種類が増えています。

ストレージプロバイダの確認

VSAN のストレージプロバイダを確認するには、vSphere Web Clientで確認できます。 vCenter Serverに[Manage]タブを選択し、[Storage Providers]を選択します。( 図2 )

ESXi ホストと VSAN クラスタを示しています。すべての ESXi ホストはストレージプロバイダを持っています、1 ESXi ホストがアクティブ状態になり、残りの ESXi ホストはスタンバイ状態です。

Storage Provider
(図2)

補足2  〜仮想マシン単位でサービスレベルを設定〜
VSAN の特徴として、仮想マシン単位でポリシーを定義できます。
一般的なストレージの場合、事前にRAIDを作成、LUNを切っていき、その上にそのRAIDにあった仮想マシンを乗せていく流れですが、VSANの場合、VASAの仕組みを使って、vsanDatastoreをその仮想マシン単位にあった形態で使用することができるのです。

原文:The role of VASA
VSAN Cormac Blog 日本語版 Index

VSAN Cormac Blog 〜 VSAN におけるオブジェクトとコンポーネントの考え方〜

本blogは VMware Storage Business UnitのCormac Hogan Blog の翻訳になります。VSANをより深く知っていただき活用していただく為、本記事の翻訳がお役に立てば幸いです。

VSANにおけるオブジェクトとコンポーネントの概念

VSANを理解する大事なポイントとして、”オブジェクト”と”コンポーネント”の理解が大切になってきます。
VSANに展開された仮想マシンは、4種類のオブジェクト(コンポーネントの集合体)が展開されます。

  • 仮想マシン ホーム or ”ネームスペース ディレクトリ”
  • スワップオブジェクト( 仮想マシンがPower on状態 )
  • 仮想ディスク / VMDK
  • スナップショット時のDelta-Disks(差分ディスク) それぞれの差分ディスクはオブジェクト

仮想マシンホームについて補足します。全ての仮想マシンファイル ( 仮想マシンディスク、差分、スワップファイル以外 ) については、VSANの仮想マシンホームに格納されています。.vmxファイル、 .logファイル、 .vmdk & snapshot差分ディスクリプタ等、仮想マシンホーム(VM Home)にあります。

コンポーネントは何でしょうか?
仮想マシンを展開するとオブジェクトがVSAN上に展開されます。コンポーネントはそのオブジェクトの枝のようなイメージです。

図1

例えばある仮想ディスクをVSAN上にRAID-0  / 2ストライプで展開すると、2の物理的なディスクに仮想マシンが展開されます。仮想ディスク = VMDK はオブジェクトです。そのオブジェクトに紐付いているストライプがコンポーネントとなります。

クラスタ内で1台のホスト障害に耐久性を持たせようとする設定は、 VMDK ( = オブジェクト) に対してRAID1、コンポーネントを2つのホストに配置することを意味します。ポリシー設定については、こちらを参照ください。

スナップショット作成時には差分ディスクが作成されます。この差分ディスクのポリシーは親Diskのポリシーを引き継ぎます。スワップオブジェクトは仮想マシンがPower onの時のみ作成されます。

VSANにおけるコンポーネント数の制限です。

    • コンポーネント数、ホストあたり 9000 ( VSAN 6.xの上限 )

詳細はVMware Virtual SAN™ 6.2 Design and Sizing Guideもご覧ください。

ホストあたりのコンポーネント数は電源オフの仮想マシンも含まれます。 VSAN はクラスタ内で均等にコンポーネントを分散するようにしていますが、多少のばらつきもあり得ます。VSANクラスタを展開する際、同じスペック / 設定のホストを準備しましょう。VSANクラスタをデザイン展開する際、コンポーネント数は十分考慮しましょう。

vSphere Web Clientでこの仮想マシンのVMホームネームスペースやVMDKのオブジェクト、コンポーネントをみることができます。こちらはそのサンプルです。この仮想マシンは一つのハードディスクを持っておりミラーされております。(異なるホストに配置されてますね!)

11.-Physical-Disk-Placement

原文:Understanding Objects and Components

VSAN Cormac Blog 日本語版 Index

VMware Virtual SAN 入門 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜

みなさん、こんにちは!
VMware Virtual SAN 入門シリーズ第 3 弾となる本エントリでは、VMware のハンズオンラボを利用して Virtual SAN ( VSAN ) の構築に挑戦してみましょう。
~ ハンズオンラボとは ~

ハンズオンラボとは、Web ブラウザから VMware 製品の実機を操作できるサービスです ( 図 1 )。誰でも簡単かつ無償で VMware 製品を評価することができます。詳細については、過去のブログ 「日本語環境が増えました!VMware製品の無償評価環境 ハンズオンラボ」 をご覧ください。
今回対象となるラボは、 「HOL-SDC-1608 – Virtual SAN 6の新機能」 です。
HandsOnLabConsole

図 1 . ハンズオンラボ ( 右側の操作手順に従うことで、VMware 製品の操作を体感できる )

ハンズオンラボは実機を操作するうえで非常に便利ですが、操作マニュアルに従っているだけでは全体のイメージがわかないことも多いと思います。そこで、本エントリでは VSAN の構築から利用までの流れをイメージできるよう図を多用しつつ、各手順の位置づけを解説していきます。本ブログ記事には、該当するラボの手順を ( 手順 〇 ~ 〇 ) のように示していますので、ぜひ皆さんもこのブログを読みながら一緒に操作してみてください。
それでは、始めましょう !
~ VSAN ハンズオンラボ ~

VSAN のハンズオンラボ 「HOL-SDC-1608 – Virtual SAN 6の新機能」 では、 VSAN の設定から利用までを 3 ステップで簡単に体感できます ( 図 2 )。
構築ステップ

図 2 . VSAN 構築・利用の 3 ステップ
  – STEP 1 . VSAN 設定 ( 手順 20 ~ 41 )
VSAN を構成し、データストアとして利用できるようにします ( 図 3 ) 。

– STEP 2 . ストレージポリシー作成 ( 手順 51 ~ 78 )
VSAN 独自のストレージポリシー ( ストライピング数やミラー数の指定 ) を作成します。

– STEP 3 . ストレージポリシー適用 ( 手順 79 ~ 116 )
STEP 2 で作成したストレージポリシーを仮想マシンへ適用します。
vsanDatastore_DiskGroup_01

図 3 . VSAN データストアの完成イメージ

では、実際にラボを操作して具体的な手順について見ていきましょう。
§ STEP 1 . VSAN 設定 ( 手順 20 ~ 41 )

まずは、VSAN を構成するところからです。
VSAN の構成は非常に簡単であり、下記の 2 ステップで OK です。

① VSAN ネットワークをセットアップする ( 手順 23 ~ 34 )
② クラスタ上で VSAN を有効にする ( 手順 35 ~ 41 )
① VSAN ネットワークをセットアップする ( 手順 23 ~ 34 )

今回のハンズオンラボ環境では既に VSAN ネットワークを設定済みですが、 esx01-a ホストだけ VSAN ネットワークに未接続の状態になっています。そのため、手順 23 ~ 34 で esx01-a ホストを VSAN ネットワークに参加させます ( 図 4 の「VMKernel アダプタの追加」参照 )。
NW構成図_01

図 4 . VSAN ネットワーク ( VMKernel アダプタ ) の設定

VSAN ネットワークへのホスト追加には VMKernel アダプタを使用しますが、この際「仮想 SAN トラフィックの有効化」のチェックボックスを ON にします ( 手順 23 ~ 34 ) ( 図 5 )。
VSANの有効化

図 5 . 仮想 SAN トラフィックの有効化

これで VSAN ネットワークのセットアップが完了しました。
各ホストに仮想スイッチの設定を施すのは大変だと思われた方もいらっしゃると思いますが、じつは VSAN を購入すると分散仮想スイッチ ( vDS ) の使用権が自動で付与 されます。このため、 vSphere のエディションに関わりなく、 vDS を利用して簡単にネットワーク設定ができます。
② クラスタ上で VSAN を有効にする ( 手順 35 ~ 41 )

VSAN ネットワークが構成できたら、あとは ESXi クラスタの設定から VSAN を有効化するだけです ( 図 6 ) 。VSAN を有効化する際には、ディスクグループの作成を「手動」と「自動」のどちらで行うかを指定します。「手動」を選択した場合は、ディスクグループとなる SSD ( キャッシュ領域 ) と HDD ( キャパシティ領域 ) の組み合わせを任意に変更できるようになります。
VSANクラスタON

図 6 . クラスタ上で VSAN を有効にする

今回の VSAN のハンズオンラボ環境では、ホスト esx-01a ~ esx-03a に、それぞれ SSD が 2 つ、HDD が 4 つ内蔵されているため、各ホストに Disk Group が 2 つずつ構成されます ( 図 7 )。
vsanDatastore_DiskGroup_01

図 7 . Disk Group と VSAN データストア

VSAN の設定は以上です。非常に簡単ですね。
§ STEP 2 . ストレージポリシーの作成 ( 手順 51 ~ 78 )

VSAN の設定が完了したので、次はストレージポリシーを作成していきます。
ストレージポリシーを定義する方法には 2 種類あります。「タグに基づくルール」「データサービスに基づくルール」 です ( 図 8 )。
ストレージポリシー_ルール_02

図 8 . ストレージポリシーのルールセット
「データサービスに基づくルール」 と 「タグに基づくルール」

・ タグに基づくルール ( ポリシー作成手順 51 ~ 68 )
タグに基づくルールでは、データストアに紐付けた vSphere タグ ( ② ) をストレージポリシーで指定します ( ④ )。仮想マシンにこのストレージポリシーを適用すると、仮想マシンはタグが割り当てられているストレージに自動的に展開されます ( ⑤ )。

・ データサービスに基づくルール ( ポリシー作成手順 69 ~ 78 ) ( VSAN、VVol など )
データサービスに基づくルールでは、VASA Provider がストレージ機能を vCenter Server に通知するため ( ① ) 、ストレージポリシーの作成にあたり、 vSphere タグを利用する必要はありません ( ② )。仮想マシンにこのストレージポリシーを適用すると、仮想マシンはポリシー内で定義されたサービスに基づいて展開されます ( ③ )。定義できるストレージサービスは、ストレージの種類によって異なります。VSAN 6.0 の場合、下記のサービス定義が可能になっています ( 図 9 )。

VSAN 6.0 で定義可能なストレージサービス ( ストレージポリシー )
– 許容する障害の数
– オブジェクトあたりのディスクストライプの数
– フラッシュ読み取りキャッシュの予約 ( % )
– 強制プロビジョニング
– オブジェクトスペースの予約 ( % )
NewVSANPolicy

図 9 . VSAN ストレージポリシーの作成

「タグに基づくルール」では、事前にストレージ側 ( LUN ) でサービスレベルを設定しておく必要がありますが、「データサービスに基づくルール」では、データストアを構成した後からストレージポリシーでサービスレベルの設定が可能です。後者の方が、柔軟かつ多彩なストレージポリシーを定義できることがお分かりいただけると思います。
§ STEP 3 . ストレージポリシーを仮想マシンへ適用 ( 手順 79 ~ 116 )

VSAN ストレージポリシーが作成できたら、後はこれを仮想マシンに適用するだけです。ストレージポリシーを仮想マシンに適用するタイミングには、仮想マシンのデータストア移行時 ( 手順 81 ~ 88 ) と仮想マシンの新規作成時 ( 手順 109 ~ 116 ) の 2 つがあります。
また、ストレージポリシーを変更する際は、そのポリシーで展開済みの仮想マシンに直ちに変更を適用するかどうかを設定可能になっています ( 手順 134 ~ 145 )。

ストレージポリシーの適用ができたら、実際に仮想マシンのディスクが VSAN の各 Disk Group にどのように配置されているかを確認してみましょう。確認は仮想マシンの監視画面から可能です ( 手順 116 、141 ) ( 図 10 )。

例えば、今回のハンズオンラボの 手順 141 時点で適用されている VSAN のストレージポリシーは、下記のとおりです。
– 許容する障害の数 : 1
– オブジェクトあたりのディスク ストライプの数 : 3
したがって、図 10 に示したように「許容する障害の数 : 1 」によって仮想マシン ( Windows2008 ) のディスクのオブジェクトが 2 つにミラーリング ( RAID 1 ) され、「オブジェクトあたりのディスク ストライプの数 : 3 」によってそれぞれが 3 つのコンポーネントにストライピング ( RAID 0 ) されていることが確認できます。
VSANPolicy適用確認

図 10 . VSAN ストレージポリシーの適用確認

本ブログの VSAN ハンズオンラボ解説はここまでとさせていただきますが、同ラボでは VSAN クラスタの拡張や障害時対応など、他にも様々な操作を試すことができます。
これ以降のラボ手順についても、ぜひお時間があるときに実施してみてください。本ブログでお伝えした基本をご理解いただければ、楽しみながら進めていただけると思います。
~ おわりに ~

今回のブログエントリは、ハンズオンラボの解説という初の試みでしたが、お楽しみいただけたでしょうか?
本ブログで一番にお伝えしたかったことは、やはり 「VSAN は非常に簡単 & 便利」 ということになりますが、今回利用したハンズオンラボにも興味を持っていただければ幸いです。
VMware VSAN 入門:
1/4 〜 従来のストレージと VSAN の違い 〜
2/4 〜 信頼性と性能編 〜
3/4 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜(本記事)
4/4 〜 VSAN Ready Nodeとは〜

VMware SE 氏田裕次

VMware Virtual SAN ( VSAN )関連 Blog 目次

VSAN入門

VSAN Cormac Blog 日本語版 (随時翻訳中!)

そのほか VSAN 関連blog

VMware Virtual SAN 入門 〜 信頼性・性能編 〜

こんにちは! VMwareの中村朝之です。
前回からすこし時間があいてしまいましたが、引き続き VMware Virtual SAN (以下VSAN) についてご紹介していきます。本題に入る前に少し前回の復習から…

VSANとは?…
-シンプルな構成、シンプルな運用
ストレージ機能もハイパーバイザーに同梱。ソフトウエアでストレージ管理もシンプル!
-汎用的なハードウエアで実現可能
ストレージ専用ハードウエアは不要。サーバ/HDD等、汎用的なハードウエアを選択!
-新しいアーキテクチャによるワクワク感
vSphere専用ストレージならびに新しいアーキテクチャということで、お客様に安心していただきながらご利用いただいております

それでは第2回の VSAN における信頼性、性能についてみていきましょう。
※VSANでは、ハイブリッドタイプとオールフラッシュタイプがありますが、本記事はハイプリッドタイプを対象としております。

信頼性はどのように実現?

まずVSANにおいて一番気になるのが、データ保護はどうやっているのか?です。VSAN におけるデータ保護は、仮想マシンが持っている VMDK が図1のように異なるホストに複製が配置されます。図1では異なるサーバに2重書きして冗長性を確保しています。

図1

図1:VSANにおけるデータ冗長性

この冗長性は「仮想マシンのストレージポリシー」の failures to tolerate = FTTというパラメータで設定できます。何台の物理ホスト障害に耐えられるようにするか、という設定で決めます。例えば2重化の場合、ホスト2台のうち1台に障害が発生しても、片方の VMDK にアクセスできますので仮想マシンは稼働し続けます。この冗長性を実現するポイントは、仮想マシン単位(もっと細かくいうと、VMDK単位)で定義するということです。VSANは大きな1つのデータストアを準備し、仮想マシン毎に冗長レベルをきめられます。事前に可用性やパフォーマンスを考慮したRAID設計はいりません。ちなみに3重、4重まで指定できます。

このストレージポリシーに関しては、次回VSANハンズオンラボのご紹介の際、どのような項目があるのか触れさせてもらいます。

ハードウェア障害時の挙動を知る!

データ保護はこの冗長性により実現できていますが、実際に障害が発生した場合はどのような動きになるのか表1で見ていきましょう。

表1にあるとおり、FTT= 1 以上であれば大部分のハードウエア障害時、仮想マシン上のサービス継続が可能となります。ホスト障害の場合、落ちてしまった仮想マシン上で動いている仮想マシンは一旦サービス停止が発生しますが、vSphere HAで保護されていれば、vSphere HAと同様の動きをします。

表1 :障害ポイントとサービスへの影響、復旧方法
(VSANノード 4台以上、ストレージポリシー FTT=1を想定)

障害箇所 仮想マシン影響 ユーザへの影響 復旧作業 VSAN内部のリカバリ処理(リカバリ開始のタイミング)
HDD 障害 継続稼動 影響なし ・HDD交換
・VSANへ追加
障害が発生したディスク上のデータのミラーコピー(即時)
SSD 障害 継続稼動 影響なし ・SSD交換
・VSANへ追加
同一ディスクグループ内の全ディスク上のデータコピー(即時)
ストレージ
コントローラー障害
継続稼動 影響なし ・コントローラ交換
・再設定
・VSANへ追加
コントローラ管理下の
全ディスクのデータコピー(即時)
ホスト障害 障害ホスト上の仮想マシン再起動 障害ホスト上で稼働している仮想マシンに数分ダウンタイム
(HAでの自動再起動)
・ホスト交換、
・ホスト初期設定
・VSANへ追加
ホスト内の全ディスク上の
データコピー(60分後*)
*開始までの時間は変更可能

 

VSAN はハイパーバイザに含まれている、いわば”vSphereストレージ”なので、vCenter Serverで管理が一元化されています。もちろん復旧操作もvCenter Serverでできてしまいます。また VSAN におけるデータ配置は基本的に個別のハードディスクに対して配置されます。

(設定や容量によって分散させることも可能)HDD障害時のリビルド時は、必要なDiskのみ負荷がかかります。(図2参照)復旧時の負荷は、必要最低限な負荷で短時間に復旧できます。

 

図2

図2: リビルド時も最低限の負荷で早急に復旧

ハードウエア障害時の動きについては、こちらの vExpertの大塚さま(ソフトバンク C&S)のBlogにて詳細に紹介されておりますので、こちらも参照してみてください。

VSANの性能について〜分散して処理を実行〜

最近のストレージのパフォーマンス向上として、キャッシュ機能としてフラッシュデバイスを有効活用する手法がトレンドです。VSANでもフラッシュデバイスをキャッシュとして性能向上をはかっています。まずは VSAN がどのようにRead/Writeをしているか見ていきましょう。

VSANにおけるキャッシュの考え方は図3がイメージしやすいです。図3の場合、VSANノード(ESXiサーバ)は4台で構成されてます。それぞれのノードに400GBのSSDを搭載しているとすると、1.6TBのキャッシュを持ったストレージとなります。

2-3-1

図3:SSDの総量がVSANのストレージキャッシュとして利用

キャッシュを追加したい場合、ESXi ( VSAN を構成するホスト)を追加したり、ノードにディスクグループを追加することによってキャッシュを増やすことが可能です。

ディスクグループ:
VSANのおけるSSD(キャッシュレイヤ)とHDD(キャパシティレイヤ)を1つのグループとした管理単位

もしキャッシュ量が足りなかったり、またはパフォーマンスを向上させたい場合、キャッシュ容量を柔軟に増やすことができます。追加もとてもシンプルで、vCenter Server実施します。先日 VSAN をお使いのユーザ様も実際ご自身で実施されていました。

VSANにおけるキャッシュ容量の指針としてはサイジングガイドをご参照ください。実データの10%がキャッシュ容量の目安です。

データの読み書きについて

さて実際のデータ読み書きの動きについてもみていきましょう。

書き(Write)
Writeについては 通常のストレージとあまり変わりはないので、イメージしやすいかと思います。FTT = 1であれば、異なる2つのノードから Ackが戻ってきたら書き込み終了です。(Ackを返すのはフラッシュデバイス) フラッシュデバイスから磁気HDDヘの書き込みは順次実施しています。

読み(Read)
Readについては、VSANの特徴がでます。図4を例にみていきましょう。ある仮想マシン( FTT =1)がデータを読み出す場合、1つのノードからReadではなく、分散してデータを読み出します。

2-4

図4: VSANは分散処理が特徴

分散して読み込み処理を行っているので、どこかのホストで読み込み集中したりしません。また仮想基盤の場合、想像してみてください….仮想マシンが頻繁に移動することが考えられますので、もし配置が変わったとしても読み込み処理が分散されているので安心です。

通常のストレージはコントローラが2個( =2重化 )あるのが一般的ですが、VSANの場合で考えると、コントローラがノード数だけあり処理を分散させ処理能力を向上させている、というイメージです。

まとめ

VSANの信頼性と性能についてご紹介しました。VSANの動きがイメージできると安心して使用することができますね!ちなみに 最新バージョン VSAN 6.2についてはこちらの記事を参照ください。それでは次回、オンラインラボで実際にVSANを触ってみましょう!

VMware VSAN 入門:
1/4 〜 従来のストレージと VSAN の違い 〜
2/4 〜 信頼性と性能編 〜(本記事)
3/4 〜 VSAN オンラインハンズオンラボをやってみよう 〜
4/4 〜 VSAN Ready Nodeとは〜

<著者紹介>
VMware シニアシステムズエンジニア(リーダー) 中村 朝之
2010年 VMware入社以後パートナーSEとしてプリセールスに従事。前職ではストレージ関連のサポート業務をしていたため、その経験を活かしながら現在はVSANやハイパーコンバージドインフラ(HCI)に注力しております。プライベートはトライアスロンでIronmanレースを目指して奮闘中。

VMware NSX と IBM SoftLayer による大陸間 vMotion デモ

IBM と VMware は、企業のハイブリッド クラウド導入を促進するために、新たな戦略的パートナシップを発表しました。内容についてはプレスリリース(英語)を参照いただければと思いますが、本記事では、この提携が持つ大きなポテンシャルを、ある技術のデモンストレーションを通してわかりやすく紹介したいと思います。

その技術とは、大陸間という長距離での VM のライブマイグレーション です。今回のデモでは、オーストラリアのシドニーで稼働中の VM を、アメリカのダラスまでライブマイグレーションしています。

02.22.16-NSX-Cross-vCenter-Networking-2

このデモでは、3 つのキー コンポーネントが組み合わされて使われています。

  1. Long Distance vMotion:  vSphere 6.0(昨年 3 月リリース)からサポートされている、地理的に離れたサイト間でライブ マイグレーション(vMotion)をするための新機能です。vMotion を行うシステム間で 150 ms までの遅延を許容できます。
  2. NSX Universal Logical Switch:  VMware NSX 6.2(昨年 8 月リリース)からサポートされている、(地理的に離れた)vCenter 間で「1 つの」論理的なスイッチを作るための新機能です。vCenter 間で同じ L2 ドメインを利用できるので、移行前後で同一の IP アドレスを VM が保持できるようになり、vCenter 間でシームレスに VM を移行することが可能になります。
  3. IBM SoftLayer プライベート ネットワーク バックボーン:  すべての SoftLayer データセンターとネットワーク拠点は、IBM SoftLayer のプライベート ネットワークによって接続されています。このプライベート ネットワークはパブリック ネットワークとは切り離されているので、高い品質を持つとともに、サーバ間のデータの移動を無料で行なうことを可能にします。

これらのコンポーネントはそれぞれ、今日時点で全て利用できるものです。これらを組み合わせて、大陸間での長距離 vMotion をお見せしようと言うわけです。

デモのビデオは約 10 分で、下記のリンクから見ることができます。リソースには IBM SoftLayer ベアメタル キャパシティを使っており、地理的に離れた 2 つのサイトに、それぞれホスト 3 台の小さなクラスタが構成されています。クラスタには vSphere、NSX、Virtual SAN が、それぞれ vCenter のインスタンスと共に配備されています(いわゆるハイパーコンバージドです)。データセンターおよび vCenter にまたがる形で NSX Universal Logical Switch が配備され、この論理スイッチが、地理的に離れたデータセンターを同一の IP アドレス スペースで接続する仮想ネットワークを形成します。

まず片方のサイトに、小さな Linux の VM(16GB HDD & 1GB メモリ)が 4 つデプロイされ、上記で配備された Universal Logical Switch に接続されます。そして、その中から 1 つの VM が、SoftLayerのプライベート ネットワークのバックボーンを使ってまず vMotion されます。地理的に離れたデータセンター間での vMotion です。2 分間で VM はこの「旅」を終え、VM はサービスの切断も無く安全に移動されます。同じ論理スイッチ/L2 ドメインに接続されたままなので、IP アドレスを打ち直したり、VM を修正したりする必要はありません。

02.22.16-NSX-Cross-vCenter-Networking-1

まとめると、vSphere、NSX、そして IBM SoftLayer のプライベート ネットワークを組み合わせることで、VM を大陸間でスムースに移行できることがデモで示されました。この技術は、顧客がオンプレミスからクラウドへワークロードを移行したり、クラウドを用いて DR を行なったりすることを今までよりも容易にするでしょう。

このデモは、この戦略的パートナーシップがもたらすであろう多くの価値の中の 1 つのシンプルな例です。今後も、このような VMware の製品・技術を活用したハイブリッド クラウドの進展にご注目いただけると幸いです。

参考リンク:  Cross Continental vMotion with VMware NSX and IBM SoftLayer Cloud

VMware Virtual SAN 6.2 の発表 – 重複排除などの新機能で、ハイパーコンバージドの成長をさらに加速

ヴイエムウェアは先週、ハイパーコンバージド インフラ戦略の要となる VMware Virtual SAN (VSAN) の新バージョン 6.2 を発表しました。VSAN 6.2 には、重複排除やイレイジャー コーディングなど、重要な新機能が追加されています。

本エントリでは、VMware のハイパーコンバージドの戦略について改めて説明するとともに、VSAN 6.2 の新機能の概要をお伝えします。

VMware は「ハイパーコンバージド ソフトウェア」をパートナーに提供

ハイパーコンバージド インフラ (HCI) は、業界標準の x86 サーバ上にコンピューティングとストレージの機能を集約するため、仮想インフラやプライベート クラウドを従来よりもシンプルで低コストに構築することができます。

このメリットは確実に市場に浸透しつつあり、実際、VMware の HCI ビジネスは非常に速いスピードで成長しています。VSAN はまだ正式リリースから 2 年未満ですが、グローバルですでに 3,000 以上のお客さまがいます。そして、VSAN の 2015 年のビジネスは、前年比で 200% 以上の伸びを記録しました。

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この市場における VMware の戦略は、ハードウェア ベンダー/システム ベンダーが HCI ソリューションを容易に提供できるようになるためのソフトウェア スタックを提供することです。vSphere、vCenter、そして VSAN から構成されるこのソフトウェアスタックを、私たちは VMware ハイパーコンバージド ソフトウェアと呼んでいます。これは緊密に統合された「ひとつ」のソフトウェア スタックで、HCI ソリューションを提供するパートナー エコシステムの基礎になります。

VMware ハイパーコンバージド ソフトウェアは、さまざまなベンダーが多様な HCI ソリューションを提供することを可能にします。もしオープンな x86 サーバを幅広く選択したいのなら、Virtual SAN Ready Node を使うことができます(100 種類以上のサーバが認定されています!)。ハードウェアと緊密に統合して HCI アプライアンスとして出荷することもできます。そして、ネットワーク仮想化を行う VMware NSX なども加えた完全な SDDC 環境を作る EVO SDDC として仕立てることもできます。

さらに今回、私たちは VSAN Ready Node プログラムの拡張を発表しました。OEMベンダーは  VSAN の構成を済ませた状態で出荷できるようになり、導入がより容易になります。

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ここまで、VMware の HCI に対する戦略を説明してきました。ここからは、今回発表された VSAN 6.2 の新機能について説明していきます。

重複排除とデータ圧縮

VSAN 6.2 の最も重要な新機能の 1 つが、重複排除とデータ圧縮です。重複したデータが取り除かれ、さらに圧縮されるため、データ容量を大幅に削減することができます。その効果はデータ特性に依存しますが、私たちは、重複排除と圧縮を組み合わせることで、2〜7 倍の容量削減効果が得られると試算しています。重複排除と圧縮はオール フラッシュ構成でサポートされます。

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重複排除と圧縮は、キャッシュ階層からキャパシティ階層へのデステージングの際に実行されます。クラスタレベルでこの機能をオン・オフできます。また、重複排除はディスクグループ単位で行われるため、ディスクグループが大きければ大きいほど高い重複排除率が期待できます。圧縮は重複排除の後に実施されます。

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イレイジャー コーディング

ネットワーク越しの RAID 5 および RAID 6 はイレイジャー コーディングとよく呼ばれます。VSAN 6.2 では、ネットワーク越しの RAID 5 と RAID 6 をサポートしています。RAID 5 では、3+1 の構成で、4 ホストのうち 1 ホストまでの故障に耐えることができます。削減効果を例として挙げると、ミラーに基づいた今までのバージョンでは 20GB のデータセットにたいして 40GB の容量が必要になっていたのが、RAID 5 なら 27GB で済みます。

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データの重複排除と圧縮、およびイレイジャー コーディングの新たなサポートにより、私たちはオール フラッシュ環境における容量効率を最大で 10 倍向上できると試算しています。

Quality of Service

VSAN 6.2 では、VMDK あたりの IOPS の制限値を設定する QoS 機能を使うことができます。この機能を使えば、同じノードやクラスタにいる他の仮想マシンが IO リソースを使いすぎて、パフォーマンスの問題を引き起こすような状況を容易に避けることができます。この設定は、vSphere の Storage Policy-Based Management (SPBM) 機能を通してデプロイされます。

サービス提供者は、同じクラスタ/ストレージ プールを使いながら、サービスの差別化を行うことができます。顧客はさまざまなワークロードをミックスして、それらが相互に影響を与えることを防ぐことができます。

性能モニタリング サービス

性能モニタリングサービスは、ユーザが vCenter から既存のワークロードを監視することを可能にします。具体的には、マクロ レベルのビュー(クラスタ レベルでのレイテンシ、スループット、IOPS など)と細かな粒度でのビュー(ディスク グループでのキャッシュ ヒット レシオなど)の双方を vCenter 内で確認できます。情報を API でサード パーティ モニタリング ソリューションと共有することも可能です。性能モニタリング サービスは、VSAN 上の分散データベースとして動作しています。

Perf monitor

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ここまで、VSAN 6.2 の新機能を説明してきました。技術の詳細は、テクニカル ホワイト ペーパーで確認いただくこともできます。VSAN に興味の湧いた方は、ぜひハンズオンラボなどで操作感など試していただければ幸いです。

文/桂島  航、図/高橋  洋介

参考リンク:  Introducing VMware Hyper-Converged Software

参考リンク:  What’s New – VMware Virtual SAN 6.2